2021.12.03

体の声は祖先からのメッセージ~お母さんってすごい!母子間の親和充足こそが巣立つ力の基盤になる~

前回の記事では哺乳類は母子間での密着から、皮膚感覚を磨くことで知能を進化させてきたことを紹介しました。
体の声は、祖先からのメッセージ~知能を養うなら、まずは皮膚感覚を磨こう!~
今回はその母子間のスキンシップ(親和充足)こそが、子供たちが社会に巣立つための力の基盤になっていることを、哺乳類の母親の特徴や行動から見ていきたいと思います。

①メスは親和能力(スキンシップや和やかな関係をつくる力)を磨くことに特化
胎内保育や授乳行為はもちろんだが、淘汰機会を成体後に伸ばした哺乳類の適応課題は、魚類や両生類と比べてより判断力を伴う高度なものになり、メスは子育て環境を確保するためにオスを引き付ける親和能力の獲得に特化していった。

②母親はスキンシップを通して子供の欠乏を引き出し見守る
哺乳類の子供達は成体後にも適応していくための訓練として、多様な遊び(集団行動の訓練、性闘争の訓練、新和行為など)や、大人の真似を行うが、その際には母親が相手を務めたりする。また子供同士の遊びに対しても危険なこと以外は見守っているだけで子供たちの欠乏を封鎖しない。

③母親はスキンシップを通じて常に子供の状態を把握している
身体の嘗めあいやすり寄りなどを重ねて同類の状態を把握している。特に母親は子供の微細な変化を常に把握している。
詳しくは、 哺乳類の知能進化②  哺乳類が連携行動をとれるようになったのは何で?

このように、哺乳類の子育ての仕組みを見ていくと、メスは厳しい環境下でもなんとか適応していくためにあらゆる対象に向かって親和能力を磨き、その充足力で子供をまっとうに育て上げてきたことが分かります。

皮膚には「心地よさ=快」や「気持ちの悪さ=不快」などの感覚を認識する力が備えられていますが、この保育期の母子間のスキンシップ充足によって、母親は子供達に安心感や充足感を与え、快の充足回路の形成を促しているのです。
そしてこの充足回路は更なる欠乏を生起させ探索回路を刺激し、保育期間が終了し子供が新しい世界に飛び出たときに、自力で適応していこうとする力の基盤になっているのです。
特に私達人類のルーツである原猿の段階では、樹上生活により更に皮膚感覚を鋭敏化させ、授乳期間も延ばすことで、快の充足回路を起点に(=不快感の認識も上昇)より高い充足への欠乏を原動力に進化していきます。(ただし、基本的に全ての哺乳類は子供が生殖年齢になったら放逐し親子関係は無くなる)
 原猿の知能進化  皮膚が新皮質=探索回路を発達させた

現代の人類は、当時の哺乳類と比べるとより複雑で高度な社会に身を置いているのかもしれませんが、生物としてはその太古の時代に培った適応戦略がリセットされたわけではありません。ですから現代においても、母親は子供にとっては誰よりも絶対的な安心基盤であり、快の充足(親和充足)を与えてくれる最初の存在であることに変わらないのです。

そのような点で現代の人類の子育て状況を見てみると、
親の不安が先行し全て先回りで干渉したり、親の価値観で子供の欠乏に蓋をしていくような子育てでは、一見上手くいっているようでも、実際は子供が社会に適応する力を得ていく機会を奪ってしまっている可能性があります。
逆に子供が反発したり、親から離れようとして、上手くいかないとつい不安になってしまう時の方が、既に自立して適応していこうとする欠乏が生起していて順調に育っているといえるのでしょう。
どちらにしても、そんな時こそ母親自身が持ち前の親和能力が発揮できてる?と振り返ってみてはどうでしょうか?

原哺乳類のように、母親一人で子育ての重大な責任を担うなんて難しいし、あり得ない・・・という気持ちになってしまうかもしれませんが、心配ありません。哺乳類はその後の進化で更なる子育て戦略を生み出していきます。

次回は、その新たに生み出した子育ての仕組み(適応戦略)から、子育てのヒントを学んでいきたいと思います。

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2021.11.26

体の声は、祖先からのメッセージ~知能を養うなら、まずは皮膚感覚を磨こう!~

体から届くメッセージ。

私たちの先祖である単細胞から人類まで、過酷な外圧の中で生き延び、その中で掴んだことをDNAに刻印してきました。
その脈々と続く生物の歴史たちこそ、積み重ねてきてくれた“こうしたらうまくいく”という私たちの生きる道しるべとなっているのです。

前回は、単細胞~魚類→両生類、と進化すればするほど、メスの生殖負担が大きくなり、オスの闘争機能が強化されていくことで、オスメスの役割分化(雌雄分化)が進んでいくことを明らかにしてきました。リンク
その後私たちの祖先は「哺乳類」へと進化していきます。

哺乳類の大きな特徴は、胎内保育を始めたこと。
そして哺乳類の名の由来でもある授乳などが始まったこと。

では、その時代からのメッセージは何なのか。まずは生物史をおさえていきましょう。

(前略)

・原モグラは土中に住む存在であり、視覚を後退させ、主要に触覚(皮膚感覚)と嗅覚を武器としている。

・加えて哺乳類は授乳や子供を嘗めるなど、スキンシップを通じて、皮膚感覚に快感機能を付与することで、皮膚感覚の回路を著しく発達させた。(スキンシップの心地良さ、母は乳児の様子を感じ取り、乳児は母の状況を感じ取る等。)それが知能発達の土台となっている。

⇒皮膚感覚が知能の土台って?

皮膚は第二の脳と言われる。皮膚はそれ自体が駆動物質を分泌し、キャッチしたりできるという脳と同様の機能を持っている。

・実際、目や耳ができるまでは生物は皮膚によって外部情報をキャッチし(それを集約し)、判断していた。(中略)「心地よさ」「気持ちの悪さ」「怖さ」等は皮膚が感じ生み出す感情。※他の感覚器官は情報のみで、それ自身は判断機能を持たない。

・哺乳類はこの皮膚と脳の駆動物質(判断)のやり取りを強化することで、脳と皮膚を「共進化」させた

哺乳類の知能進化①(るいネット)より

もっと知りたい方はこの投稿がおすすめ
皮膚が新皮質=探索回路を発達させた

この原始哺乳類が獲得した“皮膚感覚”がその後の進化に大きな影響を与えます。「皮膚が感じたこと」と「それ以外の感覚で感じ取った情報を集約した脳の情報」を行き来させ探索することで、知能を著しく発達させていきました。

一般的には視覚などの方が情報量が多いように感じますが、視覚を発達させたカンブリア大爆発時にはあまり大きくならなかった脳容量が、皮膚感覚を得た哺乳類になり一気に大きくなったことからも“皮膚感覚”と知能の関係が感じ取れます。

その視点で改めて哺乳類を見てみても、

●体内で赤ちゃんを育てている最中も…
胎生=羊水が入った薄い膜のなかで過ごす赤ちゃんは母親の動きを羊水の流れや時折当たる臓器の感触から感じています。このように、お腹の中にいるときから皮膚感覚を磨き続けているんです!

●母乳で育てているのも…
一般的に哺乳類の授乳行為も免疫機能の引継ぎなのではないかと思われていますが、それは初乳から数日。長く見ても最初の1ヵ月程度。
それよりも授乳期間が長くなっているのは、母子の肌と肌の触れ合いが必要だから。

生まれてから最初に感覚機能として発達するのが触覚機能(=皮膚感覚)リンク。その中でも一番敏感な口を通じて、母のおっぱいに触れて、吸ったりするなかで赤ちゃんは母親との触れ合いを感じています。

(赤ちゃんが何でもかんでも、まず口に入れるというのは皮膚感覚で対象を掴もうとしているからなんですね…!

このように哺乳類は妊娠期間も授乳期間もとにかく皮膚感覚を磨くことを自然と追求し続けているんです!

↓↓

ここまでみてきた生命の原理に私たちのことを照らし合わせてみると、今まで捉えていた「子育てのあるべき像」が覆されます。

例えば、「栄養や免疫のために、何が何でも母乳を飲ませないといけない!」と母が必死や不安になることよりも、赤ちゃんにとっては、もっとスキンシップを通じて皮膚感覚を磨くことが重要なんです!!

母乳が出にくいかも…等と不安になり、ネガティブになればなるほど、赤ちゃんもそれを感じてしまいます!

赤ちゃんの目をみて、癒され、なごみ、向かいあいながら、ひたすらスキンシップをしていけば良いんです。それをしていれば知能だって自然と発達していきます。
そう考えると、いまの子育てがもっと安心で充足溢れる時間になりそうですよね✨

 

以上、哺乳類で初めて子育てが始まり、その中でも特に妊娠~授乳期の皮膚感覚を通じて哺乳類が一気に知能進化させていく過程を見てきました。

以降は、哺乳類の進化の中でどのように塗り重ねられていくのかを見ていきましょうicon_wink.gif

つづく

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2021.11.24

体の声は、祖先からのメッセージ~生物のメスが子育てをしているのは、種として生き残りを賭けた適応戦略だった!~

「体の声は、祖先からのメッセージ」の第2 弾です!

前回の記事では、生物はもともと親子関係はなく、新世界へ飛び出していくのが、生命の適応原理であること、子育て期間は、子どもが社会に適応するために身近な親を真似して、後天的に成長していくための期間だということが分かりました!

では、その親子が一緒にいる意味はいつ、どんな形で生まれてきたのか。単細胞から哺乳類、そして人類までの進化過程の生物史を遡って掴んでいきましょう!

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(参考)実現論前史:雌雄の役割分化 より引用 リンク

生物が雌雄に分化したのはかなり古く、生物史の初期段階とも言える藻類の段階である(補:原初的にはもっと古く、単細胞生物の「接合」の辺りから雌雄分化への歩みは始まっている)。それ以降、雌雄に分化した系統の生物は著しい進化を遂げて節足動物や脊椎動物を生み出し、更に両生類や哺乳類を生み出した。
(中略)
生物は、一方では安定性を保持しつつ、他方では変異を作り出すという極めて困難な課題に直面する。その突破口を開いたのが組み換え系や修復系の酵素(蛋白質)群であり、それを基礎としてより大掛かりな突破口を開いたのが、雌雄分化である。つまり、雌雄分化とは、原理的にはより安定度の高い性(雌)と、より変異度の高い性(雄)への分化(=差異の促進)に他ならない。
(引用以上)
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つまり、生物は厳しい環境変化に対して種として生き残るための適応戦略として、力を溜めるために安定度の高いメス(卵子)と、早く動くために変異度の高い精子(オス)へと分化しました!

メスとオスは主従関係や損得関係ではなく、両方の性があることで種として成立している、どちらも欠けてはならないということです!

また、下記を参考にさせていただくと、メスが子育ての役割を担うようになってからも、魚類は卵を多く生み、その中から捕食されずに生き残った卵が生き残るという適応戦略を取っているのに対し、哺乳類は胎内保育を強化し、胎内で子の能力を高めて生存確率を高めていきました。

魚類→両生類→哺乳類と進化すればするほど、メスの生殖負担が大きくなり、オスの闘争機能が強化されていくことで、オスメスの役割分化(雌雄分化)は進んでいきます

(参考)るいネット:動物の子育てについて~生殖が集団の原点~①

ウィキペディア「動物の子育て」

********************************

現在の家庭では、夫が子育てに協力的ではなかったり、無関心だったりすることに対して不満を持っているママさんも多いと思いますが、これまでの生物史を遡ってみると、子育ては基本メスによって行われていました。

しかし、単細胞~両生類までは、雄雌の役割分化は進化が進み、子供が生まれるまでの雌の生殖負担はどんどん大きくなっていますが、まだ産まれて以降の“子育て”は始まっていません

ではどこから始まったのかについて、次回、追求を深めていきます!

前回までの追求はこちら

体の声は、祖先からのメッセージ~生物的には親子が一緒にいる方が、意味が必要~

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2021.11.19

体の声は、祖先からのメッセージ~生物的には親子が一緒にいる方が、意味が必要~

こんにちは。
ここまで江戸や縄文に遡り、共同養育や仕事を通じた子育てなど、新たな集団の可能性を探索してきました。

それでも、現実目の前の、家庭(集団)崩壊の危機を前に、「うまく育てられないのは自分だけでは?」と思い詰めていませんか?

多くの家庭がぶつかる壁は、決して個人の問題ではなく、生物の構造的な課題です。
そして、問題だと思っていたことが、実は「子育てが上手くいっている合図」だということも!?
体の声は、祖先からのメッセージ。
生命原理に則って、子育てしていくことがうまくいく秘訣です。
だからこそ、哺乳類の子育てから、学んでいきましょう!

ここからは「体の声は、祖先からのメッセージ」をテーマに子育てを追求していきます。

とりわけ現代社会では成人まで育てることが親の役割であり、子が若くして親元を離れる(≒社会に出る)ことは理解されがたいもの。本来、思春期(14歳前後)に生殖が可能な年齢になると、次の世代を産むために親元を離れるという生命原理に反して、親が子を管理下に置き続けようとしています。結果、親子の反発が起こる。
(※その管理・干渉は近年より強まっている)

ではそもそも生物の子育ての形はどうだったのでしょうか。

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2021.11.19

【コラム】本能に繋がらない遊びと学び>_<。。現代の子どもたちが陥る世界 ⇒どうする!?

今回の記事では、子育て実践中のママさんたちの生の声を集めてみました。

現代の子どもたちを取り巻く環境は、本能を狂わすものばかり。それを実感させる衝撃的な発言もあり、現代の子育て環境に注目です。

これは体験談&保育士さんとの話なんですけど。。
今の子どもって、出来上がったおもちゃ(ままごとキットも野菜も色鮮やかにリアルに作られたもの)に囲まれてて、ダンボールや積み木を色や形にリンクさせて、食べ物や乗り物にしてみる「みたて遊び」ができないらしい。ままごとも「専用キット」が無いとできない。しかも2歳からすでに(泣)

(別の事例では)
子どもが、黄色のボールをバナナに見立ててお店屋さんごっこしていた時に、「それボールだよ」と頑なに交われない2歳さん子どもがいて。。そんな、「みたて」、「イメージ」できない子どもが増えているらしいと聞いて驚愕しました。イメージ転換できないとか、映像をそのままにしか受け取れないとか、本能的な能力低下が気になります。

これに対して、同僚のママさんから、

やっぱり、遊びの少なさ=怪我の少なさなんじゃないかな。今は、外遊びは少ないわ、安全な遊び場になってるわ、道具も危なくないように制限されるわ。とにかく安全に管理されている。その結果、怪我しない。怪我しても血をみない。怪我が治る過程をみない。そんな子どもたちばかり。
だから、ガッツリ怪我して、膿んでグジュグジュで治らなくて、その処置を丁寧に時間をかけて対処する経験もない。

子どもたちの膝小僧なんて、私の膝小僧に比べたら、綺麗だなって思います。私、砂利とか森とか畑で遊んでたから傷跡いっぱい。ずっと残っていて「あの頃、こんなに遊んでたよなぁ」って思い出せますもん。

 

怪我で痛める経験が少なく、血を見る機会も少ない。土や木の触れる感覚も遠くなってしまう。だから、危険を察知する能力も低下している。これから子どもたちが生きていく上で、考えさせられることも多いですが、、、さらに衝撃的な子どもからの言葉。

生理はTVのCMで青色だったから、青色だと思ってた。」・・・・・!!!
というリアルにいる現代。

→青の生理!!もう!!衝撃過ぎるやん!!と大人の間でも盛り上がってます(笑)
でも不思議よね。リアルより、映像が先行するからそんなことになるんかな。うちらにはそういう感覚なかったよね。なんでなんかはすごく気になるところ!

生理現象でさえ、間違った認識で捉えてしまっている。これが、現代の子どもたちを取り巻く環境なのです>_<。。

 

でも、「そんな状況をどうする!?」という視点から、仲間ママさんからの可能性のポイントの発信。

(赤ちゃんを抱っこしてくれた中学生の話)
ぐにゃぐにゃの赤ちゃんを抱っこすることで、「ちっこい手や鼻や口に触れながら肌身でもって実感した~♪」と活き活きしてくれる中学生。さらに、「頭を安心できるように腕で抱えてみて。赤ちゃん側になってみると分かるよ~」と、ふれあいを楽しんでいました♪彼らを見ていてキューっと胸があつくなりました。子どもたちのためにも頑張ろと思いました。

少しでも、本能的、自然的な学び・遊びの中で、感覚を養っていくこと。学校やTVでは学べない本物の認識は、私たち大人がしっかりと伝えていく必要があるのだと姿勢を正されます。仲間たちとの外遊び、赤ん坊(純粋な生命)とのふれあいはその一例ですが、今後も継続して考えていきたいです。

さて、本ブログは、次回から新たなシリーズに突入します。お楽しみに!

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2021.11.12

仕事の中で活力溢れる子供たちの姿を見て、大人たちは何を感じたか?

前回までの記事で、仕事の中で子供たちが活力を再生していった事例の紹介をしてきました。
その中でおもしろいなぁと思った点が、その場に関わった大人達の気づき。
子育て課題は、大人たちの普段の仕事や活動と切り離された別物ではなく、一体のものなのではないか?
これは「子育て=集団の担い手育成」課題の大きなヒントになるのではと感じました。

そこで、今回は大人たちの気づきからも子育ての在り方を考えてみたいと思います――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
●本気で仕事に取組むことで、親との向き合い方も変わった!
「だるい」「しんどい」「めんどくさい」などの発言が多く、何か言ったら「も~うっざい!」と怒っていた息子が、類学舎の体験に参加したら、「類学舎の仕事の時間を通して、お母さんが日々こんな大変な想いをしているんやなって分かった。強くあたってごめんな。いつもありがとう」と言ってくれて感動した。

●常に相手発の類学舎生の働き方こそ、「傍を楽にする=働く」こと!
初等部生たちと仕事をしていた時のこと。仲間がミスを起こしてしまったとき、責めるのではなく「もっと自分達にもできることがあったのでは?仲間がこの仕事にワクワクして取り組めるように、事前にやる気を上げるような声をかければ変わったかも!」と追求し続けていた。ここまで周りのことを考えて仕事に取り組んでいる大人はいるだろうか。この時点で大人は負けている。

●“仲間と一体になって闘う”の本質を高等部生から学んだ
専門用語が飛び交う建築設計の追求会議に参加した高等部生。「正直怖かった。外圧を捉えて闘う大人の追求レベルを体感して自分の無力さを感じた」と感想を述べたその後から彼の行動は激変した。会議の内容を理解する、相手の指摘を理解するなどを超えて、相手の追求エネルギーを体感することで彼は会議の本質を掴んでいた。現実を直視し闘う仲間の姿に一体化し、感謝し、奮い立つ、こんな若者が存在することに活力をもらった。

●志や実現したいことが一緒だから活力が上がる!
子供たちと、企業で経営・人事を担っている方達との座談会でのやり取り。
子供達がイキイキとした表情で「設計でも教育でも農業でも、社員の志や実現したいことが一緒だから活力が上がる」という仕事での実感を語ってくれた内容に対し、企業の方は「大人って過去の経験に頼って生きていて、しかもそれを押し付けてくる。だから成長スピードが遅いなと感じる」「素直さを持っている人材。素直さを持っているからこそ、新しいことに対しても挑戦できる。そういう意味で、みなさんは素直さの塊!。」であり、まさに即採用の人材レベルとの評価。――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

子供達はとにかく対象との一体化充足を軸に、周りに同化し、役割を掴み、もっと追求したいと充足に対する欠乏が芽生えていく。そんな姿を目の当たりした大人たちは、一緒に外圧を捉えて一緒に課題を追求していく環境でこそ子供は健全に育つのだ。
と気付き、活力をもらったのではないでしょか。
そして、今まであまりにも「子ども扱い」「大人の価値観の押し付け」など、一方的になってしまっていたのでは?と。

私達大人も振り返れば、学生時代や職場の中でも一体で課題に取組む中でこそ、気づきや活力、充足感が生まれるし、逆に上から昔の価値観等で一方的に指導されるだけでは「強制感や反発心」などが生まれて本来の課題への活力が削がれてしまった経験は誰にもあるのではないでしょうか。

以前、縄文時代や江戸時代の子育て課題は、常に生産集団の中に包摂されていたことを紹介しましたが、
縄文時代の暮らしは、子育ても生死も全てが自然との一体化の上で成り立っている!
【集団再生のカギを探る】江戸時代の子育てに学ぶ③~江戸時代は、生産単位(職場)が家族~
現代においても環境(生産集団)さえあれば、子供たちはどんどん活力を持って育っていくことを証明してくれています。

後は、大人自身が大人発の一方的な「育てる」という観念の弊害に気づき、子供とか大人とかという枠から飛び出して、一緒に生産課題を担う中で「育つ」環境をどう広げていけばいいか?を考え、実践していくことが必要なのでないでしょうか。
そうすれば、子供も大人にとっても「子育て」課題はもっと充足課題になっていくのです。

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2021.11.10

「あんなお兄ちゃんみたいになりたい!」~意欲や活力がぐんっと上がる!異世代外遊びの可能性~

>「次世代の集団の担い手育成」と捉えると、親だけで出来ることはほとんどないことに気づきます。子は、たくさんの大人と関わり、社会性を身につけ、子ども同士でも、年上に学び年下を見守り、成長していきます。もっと気安く、みんなの中で育てていけば良いのです。(仕事をするようになって「生きている心地がした!」子どもたち

もう親の存在が近くになくとも、自ら仲間の中で、社会空間ですくすく成長していく子どもたち。

今回も、そんな子どもたちの意欲あふれる事例をもう一つ紹介していきます♪

類学舎で仕事を担っている高校生Hさんが皆に共有してくれた活動報告から✨

みんなの中で育てるってどういうこと?のヒントにもなりそうです✨

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2021.11.05

「ダシとってる間に宿題やる!」~幼少期の子どもの仕事で身に着く力とは~

前回の記事では(仕事をするようになって「生きている心地がした!」子どもたち

類グループの「類学舎」を例に挙げて、
”子どもが仕事を担うなかで人間力や思考力を身につけ、相手の期待にもっと一体化したい、という欠乏が湧きあがること。それが、子育ての本質=集団の担い手育成であること
を紹介しました。

今回は、それより前の幼少期の子どもが行う仕事とは何なのかを考えていきましょう!

***********

以前、ブログ(【集団再生のカギを探る】江戸時代の子育てに学ぶ③~江戸時代は、生産単位(職場)が家族~)でもご紹介しましたが、江戸時代は、生産と生活の場が家庭のなかにありましたが、現代は分離してしまっているため、子どもが生産の場を感じることはほとんどありません。

では、現代の幼少期の子どもたちが「仕事」をする場をどうつくるか?

家庭に生産課題がないからと諦めるのではなく、子どもに対して仕事のように「役割と責任」がある経験を担ってもらう場をどうつくるか、が重要なんです!

例えば、お手伝いは家族の役に立つ立派な仕事。その具体的な実践事例として、以前の当ブログの記事をご紹介します!
(リンク:子供にお手伝いでなく仕事として◎◎を任せたら、驚きの相乗効果が!

 

ある時お母さんが、料理も宿題もしない小1男子を、突然お味噌汁係に任命してみたんです。そうすると…!!

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2021.11.04

仕事をするようになって「生きている心地がした!」子どもたち

最近のテーマ、「子育て=集団の担い手育成」というお話。

〇子どもの方が、大人よりも仕事ができるし、みんなを元気にさせるよ!
〇「子育て=集団の担い手育成」と捉え直してみると、いろんな可能性が見えてくる

子どもは生産課題を担う中で育つことや、縄文・江戸の子育てを知ってくると、「子育て」という言葉自体が、大人が子に何をして育ててあげるか?という「子対親の関係」に捉えがちで、どこかしっくりこないと感じていました。

でも、「次世代の集団の担い手育成」と捉えると、親だけで出来ることはほとんどないことに気づきます。子は、たくさんの大人と関わり、社会性を身につけ、子ども同士でも、年上に学び年下を見守り、成長していきます。もっと気安く、みんなの中で育てていけば良いのです。

実際、類グループの「類学舎」の取組みで、仕事課題を小学生から高校生までが担ってくれています。(参考:類学舎
その彼らの奮闘を日々見ている中で、「生産の場で人が育つ姿」を目の当たりにしています。

「充足度が半端ない!」「生きている心地がした!」
これが、これからの社会の子育てならぬ、次世代育成の形なのかと。

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2021.10.29

子どもの方が、大人よりも仕事ができるし、みんなを元気にさせるよ!

前回の記事では、「子育て=集団の担い手育成」という記事を紹介しました。
「子育て=集団の担い手育成」と捉え直してみると、いろんな可能性が見えてくる

現代の私たちが思い描く「子育て」とは異なり、社会空間では子どもたちがスクスクと育っているという現実が見えてきました。

特に、「生産課題を担う一員になってほしい」という期待を受けた子どもたちは、心の底から意欲・活力が湧き上がってくること。それによって、集団の役に立とうという意識が上昇し、仲間との一体化が深まっていくこと。生き抜いていく力を育むためには、必要不可欠な期待応合の関係ですよね。

そして、「期待されたら嬉しい」という感情は、子どもにとっても、大人にとっても、活力がみなぎることです。これが子育てにも欠かせません。

さて、今回の記事では、類グループ(類子屋)の遊学舎の仕事に取り組む高等部Mさん(16歳)の実践事例を紹介します。

遊学舎は、異年齢での外遊びを通じて、人間力も関係力も追求力も育むカリキュラムです。Mさんは、年中~中3の子どもたちの外遊びを一緒に取組み、あるいは見守り、子どもたちの意欲を解放するための運営を担う仕事に取り組んでいます。下の記事は、彼女の生の報告内容です。

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