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2023年04月24日

時代の変遷と学習指導要領Ⅱ~時代を追うとこれから求められる力が分かる!~

前回に引き続き2000年代以降の時代の変遷と学習指導要領を追っていきます。

1998年~2000年 第6回改訂
第6回改訂では、学級崩壊やいじめ、少年犯罪の増加を受けて、心の教育を重視し、受験のための学習ではなく「生きる力」を育むことを重視。これまでの「ゆとり」をさらに推し進め、完全学校週5日制の導入と教育内容の厳選(大幅に削減)を行いました。

2008年~2009年 第7回改訂
その後の第7回改訂では「生きる力」をはぐくむという理念のもと、知識や技術の習得とともに思考力・判断力・表現力などの育成を重視し、「体験活動の充実」が実現しました。
第6回改訂のときに論議を呼んだ「学力低下」への不安感に対応するため、授業時間を10%程増加。「脱ゆとり」といわれましたが、実際のところ、学習内容や学力は大きくは変わりませんでした

2017年~2018年 第8回改訂
「生きる力」を育む、という理念は変わりませんでしたが、第8回改訂では社会の変化を見据えて新たな学びへと進化させました。その代表が、主体的・対話的で深い学び「アクティブラーニング」です。
ただし、アクティブラーニングでどのように学ぶのかを重視していますが、当事者にはどのような能力が身につくのかは曖昧で、実態はあまり意味のなさないものになっていました

 

まとめ
そして現在、2022年に経済産業省から「未来人材ビジョン」というものが提唱され、「自ら考え・他者と協働し、0から1を生み出す力」という人材育成への期待が高まっているのが分かります。

2001年の9.11テロ、2008年のリーマンショック、2011年の東日本大震災、そして2019年にはコロナ感染拡大など、2000年以降人々を大きく揺るがす出来事がたくさん起きました。
豊かになることを目標としていた戦後とは違い、2000年以降、何を見据えて行動すれば良いのか「先の見えない時代」となりました。だからこそ、2000年以降の学習要領もゆとり⇔脱ゆとりと右往左往していました。そのなかで、生産現場にいる人々は「これまでのやり方では成果が出ない!」ということに気づき始めているのです。

先の見えない時代のなかで、0から1を生み出す=新しい価値を生み出すのは一人ではできないからこそ、自分だけではなく、お互いの能力を引き出せる人材が求められるようになりました。

投稿者 kotani : 2023年04月24日 List   

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