| メイン |

2023年02月11日

今の子育ての悩みを解決するカギ!「核家族化」が生んだ変化とは?

「子育てをする中で、頼れる人がいない・・・」

「子供に勉強させたいが、何を言ってもやる気にならない・・・」

子育てをする人にとって、そうした悩みを抱えている人も多いはず。今の子育てが正しいのか?何を評価してあげたらよいのか?そうした悩みのもとは、実は今の一般的な家族形態でもある、核家族にあるかもしれません。

今回は、1,950年以降増加していった核家族にスポットを当てて、人々の意識と実態を紐解いていきたいと思います。

親世代と子世代という2つの世代で構成される核家族とは、どのように始まり、どんな変化を生み出したのでしょうか?

【農村から都市へ】

核家族世帯は、1950年代から始まった高度経済成長による好景気とともに増加していきます。

当時急速に工業化が進行し、都市部では企業がたくさんの人を雇うことによって利益を拡大していきました。それに伴い若い労働者たちは、より高い賃金を求めて農村から都市へと移動していきます。1956年から1970年代にかけての3大都市圏への転入超過の累計が約820万人にのぼったという事からも、その様子がわかりますね。

そのような人口移動の背景には、農業の機械化による過剰人口の流出や、マスコミの影響などもあったと考えられます。

都市部に移動した労働者たちは、そこで婚姻関係を結んで子供を産むことが一般的になり、これが核家族の増加につながったのです。

 

【核家族による変化】

都市に移動して核家族を作るようになると子育てにどんな変化が生まれたのでしょうか。

かつて農村の子どもたちは、地域の中で大人の農作業などの仕事の手伝いをして成長しましたが、都市での子どもたちはそうした大人の仕事とは切り離された、家庭や学校の中という限られた空間で生活することとなりました。

同時にその親も、都市に移動したことで頼れる人も少なく、子育てに対する責任・プレッシャーを強く感じるようになり、学校内での子供の評価を上げるために勉強を強いる「教育ママ」「お受験ママ」と言われるような親も増加しました。

それに応じて高校への進学率も、1950年には50%を下回っていたのに対して90%を超えています。

このように農村では実際の生産現場を体験しながら育っていった子どもが、都市においては実際の生産現場が見えにくくなり(社会で求められることが掴みにくくなり)親世代の意識、学校教育、マスコミから得た情報を無批判に信じて、就業への道を歩んでいきました。

結果として、

社会の先端を走る企業が求める人材とは程遠い労働者を多く生み出す

ことにもつながっていったのです。

 

【まとめ】

核家族が一般的になってから現代にいたるまで、多くの子育て世代が持つ悩みは大きく変わっていないはず。

子育ての場面で「とにかく勉強させないと・・」と思う事があるかもしれませんが、ここまで見てきたように、必ずしもそれが子供のためになるとは限りません。

かつて農村で生産の場(社会)に触れながら成長していったように、今の子供にとってもそうした場所で成長の機会を与えることが必要であり、きっと子供たちもそれを求めていることでしょう。

今回は、核家族を中心に子育ての変化を見てきました。家庭環境の変化によって子供たちは、社会とのつながりが見えない中「学歴」という評価軸のもと成長していくこととなりました。

その後そうしたおかしさに気づいた人々が、教育という側面から新たな動きを見せるようになりますが、その点については今後の記事で触れていきたいと思います。次回もお楽しみに!

投稿者 doi-y : 2023年02月11日 List   

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://web.kansya.jp.net/blog/2023/02/9791.html/trackback

コメントしてください