2011.12.08
『生きる力を育てる教育』~「農」の教育力とは?~
「遠くの山が近くに見えると雨が降る。」「カエルが鳴くと雨が降る。」とか、生活の中から天気を予測する豆知識やことわざを、おばあちゃんとかから教わった経験がみなさんあるのではないでしょうか 自然と共に生きるために昔の人は自然から学び、いろんな知恵を生み出し生活していました しかし、都市化によって遠い山やカエルの鳴き声を、最近聞いてないなぁって方も多いのではないでしょうか
解剖学者の養老孟司氏は、この都市化の中での子どもの教育について、「考えない人間が増えている背景には、都市化ということがある」「意のままにならない自然を排除する都市環境が自己中の子供たちを輩出する原因である」と、危惧しているようです。
都市や街は人間が作ったものであり、言い換えるならば、誰かの脳の中にあったものを具体化した人工物の世界です。公園の草花でさえ人間が植え込んだものです。この人工物の世界では、何か物につまずいて子どもが転べば、だれが物を置いたんだと責任問題にもなります。しかし、自然界を対象にして責任を問うことはできません。
何が起こるかわからない自然界では人間は危険に備えて対策を考え、一旦起こってしまった結果でさえすべて自分で受け止めるしかないのです。
また、農の持つ教育力に注目し「農業小学校を作る会」を運営されている関田さんは、「農業と言う営みが、私たち人間に教えてくれるものは山ほどあります。そこに潜在する力、言葉で言ってしまうと教育力になってしまうけれど、農の世界には、人を人として感化、教育してくれるものが確かに存在すると思います」と感じておられます。
食べるものを作ると言う「しごと」は、人間にとって最も重要で基本的なもので、火をおこしたり水をまいたりという行為は、子供たちは何かしら興味を示すものだとは当初から予想ができていたようですが、土を耕したり種を撒いたりという「しごと」に対しても、楽しそうに喜んで取り組む子供たちの姿は、予想外だったようで、「農業は人間の本能に結びついた、人間本来の「仕事」であるのかも知れない。」と実感されたようです。
農の世界には、技術や理屈は勿論のこと、教養や知識として教育現場ではなく、人間本来の生きとし生けるものとしての「育(はぐくみ)の郷(さと)」があると、無言のうちにも雄弁に私たちに語りかけてくれているのかも知れません。
今日は、改めて【農】の教育力!について考えたいと思います。
続きに行く前に応援の方、よろしくお願いします。
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2011.12.03
『安心基盤を作っていくには?』:「食」への期待3~遺伝子組み換えの仕組みと人体への影響~
世界的に遺伝子組み換え作物への不信が高まる中で、日本の農林水産省は、遺伝子組み換え大豆の日本での栽培は「学識経験者からは、生物多様性への影響がある可能性はない」との意見を得たとして、遺伝子組み換え大豆の日本での栽培の容認に動います。また、米国では遺伝子組み換え食品かどうかの表示義務はないため、TPP参加となれば、知らず知らずのうちに遺伝子組み換え食品を口にするおそれが格段に上昇するはずです。
そこで心配になるのが、『遺伝子組み換え食品』って、ほんとに食べても大丈夫なの?ということだと思います。そこで今回は、遺伝子組み換え食品について、そのしくみを明らかにした後、その実害の実態について迫りたいと思います。
応援よろしくお願いします 😀
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posted by shushu at : 2011.12.03 | コメント (0件) | トラックバック (0) TweetList
2011.12.01
『生きる力を育てる教育』~農民のための寺子屋での実学教育~
学校で学んだことが、どれだけ実社会に出てから役に立っているのだろうか
誰でも一度は疑問を抱いたことがあると思います。
9年間の義務教育があり、その上ほとんどの人がさらに3年間高校に通い、大学進学率が50%を超えた現在、多くの人が16年間も学校に通うことになります。
現在につながる教育制度は明治5年に作られましたが、学校教育に対する違和感は、教育制度導入当時の大衆も強く感じており、制度導入に対して、「学校一揆」や「学校焼き討ち」まで起きました。
その一つの理由が、学校教育は実用にならないからなのです。
「今は青年学校に男女とも入るが、特に教へる人がないから今の若者は草履も草鞋もつくれず、着物一枚ぬへないと言つてゐる。今の学校は実用にならぬ、理屈のみ教へるとは、現代教育に対する古老感である。」
これは、昭和・敗戦前後の民俗学者・山口彌一郎の言葉だが、この時代以上に、明治の始めころは、「学校の教育内容」と「村で必要とされたもの」が、かけ離れたものだったに違いない。
その「実用にならない学校」に無理やり通わされ、しかも、授業料までも徴収された。
(『明治時代初期:なぜ、学校一揆や学校焼き討ちが起こったのか?』より)
そこで今回は、義務教育ではないのに高い就学率を誇っていた江戸時代の寺子屋では、いったいどのような内容を扱っていたのか、その「実学」の中身を農民向けのテキストを紹介しながら見ていきます。
いつも応援ありがとうございます。
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posted by watami at : 2011.12.01 | コメント (1件) | トラックバック (0) TweetList
2011.11.27
『安心基盤をつくっていくには?』:「食」への期待2~腐らない農産物の正体~
前回の記事『「食」への期待1~食卓に迫る放射能の危機~』では、福島原発から漏れ出す放射性物質によって水産物と畜産物の汚染が進んでいる状況と、それによるリスクを明らかにしました。
今回は、野菜・果物に残留する農薬がどの様に使われているのか?また、それによるリスクについて考えていきたいと思います。
日本では、どこのスーパーに行っても、新鮮な野菜や果物がところ狭しと陳列されています。これらの農産物は、国内各地はもとより、海の彼方からも「見た目がきれいで新鮮な状態」で運ばれてきます。それを可能にしているのが、病害虫や雑草を取り除く化学薬品=農薬であることは広く知られています。
遺伝子組み換え作物の登場や、中国産の野菜から日本国内で禁止されている農薬が検出された事件などがあり、輸入農産物への不安が高まっているところに、国内では原発事故による放射能汚染が重なり、食材の安全に対する意識は一般的にも高まっています。
自分や家族の身を守ろうとする意識から、食材を購入する場合には、必ず農産物の産地を確認して輸入品よりは国産品を選んで購入する人も多いのではないでしょうか?
しかし、自分で産地表示の確認を徹底しても、普通に生活していれば外食する機会もあり、輸入農産物を全く口にしないで暮らすことは不可能だと言ってもいいでしょう。食糧を安定的にかつ安値で供給し続けるために、外国産の食材を大量に輸入し続けている日本の現実が、大きく変わる兆しも今のところありません。
また、一般的には「国内産は外国産よりも安全」という認識をしていますが、実際に農薬がどう使われているのかを、ほとんど知らないのが実態です。そこで、農薬がどの程度まで残留しているのか、国産と輸入品それぞれの農薬使用の実態や規制のあり方を押さえていきたいと思います。
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posted by daiken at : 2011.11.27 | コメント (0件) | トラックバック (0) TweetList
2011.11.24
『生きる力を育てる教育』~寺子屋に学ぶ教育のあり方~
先日、あるお母さんから、
「小学校の懇談会で、小学4年生になる娘のクラス担任が、授業妨害や授業放棄する子供が多数いて、思いどおり授業が進まないと嘆いていた。」
というお話を聞きました。
小学4年生(10歳)といえば、まだまだ無邪気で素直な子供と思っていたのですが、授業妨害や授業放棄が起こっているなんて、正直、衝撃を受けました。気になるので調べてみると、都市部の小中学校では、学級崩壊が10校に1校の割合で起きているようです。(リンク)
将来の日本を担う人材を育てるのが学校教育の役割です。こんな状態では、日本の将来が心配になりますね。
今回から始まる「生きる力を育てる教育」シリーズでは、共同体社会の実現に向けて、教育のあり方をどのように変えていくべきなのか、様々な角度から可能性を模索していくことにします。
まず、第一回目の今回は、「寺子屋に学ぶ教育のあり方」と題して、江戸時代に世界でも類を見ない「主体的な勉強意欲」を生み、全国に1万5千校余りに広がった寺子屋での教育から、その可能性を模索していくことにします。
続きもよろしくお願いします
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posted by isgitmhr at : 2011.11.24 | コメント (0件) | トラックバック (0) TweetList
2011.11.19
『安心基盤を作っていくには?』:「食」への期待1~食卓に迫る放射能の危機~
今回からは、前回の
プロローグ『安心基盤を創っていくには!?』でお伝えしたように、安心基盤の重要な要素である「食」についての現状を紹介していきたいと思います。
さて、「食」といえば、今、最も気になるのが「放射能汚染」です。
新聞では、徐々に牛肉や魚、野菜等の放射能汚染の実態が報道され始めました。しかし、おそらく報道されているのは事実のごく一部であり、報道しても問題の無い範囲であることが多いのです。
政府や東電、マスコミの今までの姿勢を見ても明らかなように本当に危険な内容は、隠蔽されていると見た方が良いと思います。
このブログでは可能な限り、その実態についてお伝えしていきたいと思います。
今回は、この中でも特に水産物、畜産物を通じてのリスクについて考えてみたいと思います。
下図は放射性物質がどのような経路で人定に蓄積されるかの全体像を示したものです。
いつも応援ありがとうございます。
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posted by staff at : 2011.11.19 | コメント (2件) | トラックバック (0) TweetList
2011.11.13
『生きる力を育てる教育』『安心基盤をつくっていくには!?』の二つのシリーズが始まります♪
前回までは、
『今後の社会はどうなる!?』
『安心できる社会をつくろう!』
『今後の日本をどうする!?』
『どうなる?私たちの生活』
の4つのシリーズで近未来の社会情勢の予測と、日本における今後の社会が進むべく方向性について扱いました。
そこでは、私達の生活を大きく左右する、近い将来起こるであろう、米国債暴落を引き金とした世界的な経済破局、そして、貨幣価値の暴落の予測から、社会は大転換を余儀なくさせられること。そして、日本においては、新たな可能性に向けて、共同体社会へ舵を切っていくであろうことを予測してきました。
今回からは二つの新しいシリーズ
『生きる力を育てる教育』
『安心基盤を創っていくには!?』
が始まります
これまで、個人主義教育や都市化の流れの中で、人々は個人に分断され、家庭をはじめ学校や企業、そして農村などそれまでの集団も「個人に根差した集団」に変容し、社会との乖離を増大させてきました。それは、集団動物である人類が、集団という安心基盤を失い、それによる不安の矛先を社会へ(要求という形で)向けてきたということです。
経済破局を経て、社会が「共同体社会」の実現に向けて動き出す中、それら集団のあり方も、大きく転換していくことが予測されます。それは、失われた集団への回帰、つまり本源性への回帰の表れとして、「共同体」への転換の流れが加速していきます。参考
最終的には、向かうべき「共同体」のあり様がどのようなものなのか?を扱っていきますが・・・
その前に・・・
将来の共同体社会を創っていく人材の育成という意味での基盤となる「教育」と、生存における安心基盤となる「食」に関する状況認識と、現状の問題を扱っていきます。
「生きる力を育てる教育」では、「寺子屋に学ぶ教育のあり方」(仮称)と題して、江戸時代に世界にも類を見ない「主体的な勉強意欲」を生み、全国に15,000校余りに広がった寺子屋での教育を学んでいきます。(参考:江戸時代の村落共同体のありよう(7)~主体的な勉強意欲の秘密~)
「安心基盤を創っていくには!?」では、始めに「食への期待」と題して、「食」に纏わる現在の状況認識を固めていきます。
歴史上、生存に必要な「食」を他集団(他国)に委ねる集団はありません。現状の日本は、食糧自給率が40%内外と言われ、今後の生存基盤を考えると非常に危険な状況です。
また、現在TPPなどでも問題にされているように、遺伝子組み換えや化学物質による「食」そのものにおける安全性が問われています。
それらも含め現状での問題点を明らかにし、新しい試みなどを紹介しながら、新たな「食」のあり方についての可能性を探っていきます。
😀 これら二つのシリーズの今後の記事 をお楽しみに
いつも応援 ありがとうございます
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posted by sashow at : 2011.11.13 | コメント (0件) | トラックバック (0) TweetList
2011.11.10
どうなる?私たちの生活(4)~農(漁)村共同体の建設~
『どうなる?わたしたちの生活』をテーマに、経済破局後の生活像を追いかけてきた本シリーズ。
今回で最終回です。
第1回で、私権社会の終焉から、“期待に応える充足”を最大の活力源とする共認社会への大転換を、
第2回で、ゼロ成長を基本としつつ、人々の期待に合致した経済運営の姿を、
第3回で、共認充足をベースにした、活力溢れる社会統合システムのかたちを展開してきました。
ここで見えてきたのは、「経済破局」とはいっても、決して暗い社会が待っているわけではなく、
むしろ、過去5,000年に渡る私権(私益)にまみれた社会の破局→終焉によって、
それ以前の人間本来の共認充足を土台とした、元気で明るい社会へと回帰する可能性が開かれる、
ということです。
そこで第4回は、下記の投稿から、この可能性へ向かうための足掛かりになる課題を固定します。
「最後に、最も時間のかかる課題として、農村共同体の建設がある。
これは、単なる農の振興策にとどまるものではなく、「教育をどうする?」というもっと大きな問題に応える必要があるためである。」
私達の生活がどのように転換するのか、そのイメージが見えてくるはずです☆
応援よろしくお願いします。
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posted by pochi at : 2011.11.10 | コメント (0件) | トラックバック (0) TweetList
2011.11.05
今後の日本をどうする!?-5・・・新理論の構築をどう進めていくか
さて、「今後の日本をどうする!?」シリーズ、最終回です。
今までは共同体企業およびそのネットワーク化による可能性を提示してきましたが、今回は、その活動を導く根本となるもの、人類が迷ったときに寄って立つものとしての新理論、その構築をどうすすめていくか?について提起します。
引用元はすべて、るいネット、行動方針5 新理論の構築をどう進めてゆくかです。
応援よろしくお願いします。
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posted by urara at : 2011.11.05 | コメント (0件) | トラックバック (0) TweetList
2011.10.29
今後の日本をどうする!?-4・・・まず身近な職場を改革してから、社会をどうするかを提示せよ
「今後の日本をどうする!?」シリーズの第4回目をお送りします。
今までのシリーズを簡単に振り返っていると、
第1回:今後の日本をどうする!?‐1‥共認社会を実現してゆくのは、共同体企業のネットワーク
市場社会の終焉を乗り越えていくための可能性として、共同体社会を実現していくことが提起されました。そして、その実現のためには、共同体企業群によるネットワークが必要であることがわかりました。
第2回:今後の日本をどうする!?-2・・・共同体企業のネットワークをどう構築してゆくか?
企業の共同体化のための社員研修のあり様と、そのための新理論の必要性を示しました。
第3回:今後の日本をどうする!?-3・・・共認運動におけるネットの位置
共同体化の共認運動におけるネットワーク拡大の方法として、インターネットと企業ネットワークを比較し、それらの可能性を探っていきました。
さて今回は、共同体社会を実現していくうえで、まずは私達が取り組むべき行動とはどんなことなのか?を扱いたいと思います。
いつも応援 ありがとうございます !
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posted by d0020627 at : 2011.10.29 | コメント (0件) | トラックバック (0) TweetList