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『安心基盤を作っていくには?』:「食」への期待3~遺伝子組み換えの仕組みと人体への影響~

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 世界的に遺伝子組み換え作物への不信が高まる中で、日本の農林水産省は、遺伝子組み換え大豆の日本での栽培は「学識経験者からは、生物多様性への影響がある可能性はない」との意見を得たとして、遺伝子組み換え大豆の日本での栽培の容認に動います。また、米国では遺伝子組み換え食品かどうかの表示義務はないため、TPP参加となれば、知らず知らずのうちに遺伝子組み換え食品を口にするおそれが格段に上昇するはずです。

そこで心配になるのが、『遺伝子組み換え食品』って、ほんとに食べても大丈夫なの?ということだと思います。そこで今回は、遺伝子組み換え食品について、そのしくみを明らかにした後、その実害の実態について迫りたいと思います。

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◆遺伝子組み換えはどういうところに使われているか  

 大きく分けて、食用と非食用に分けられます。食用には飼料用も含まれます。
  食 用:大豆、トウモロコシ、小麦など
  非食用:主に園芸作物と林木。サントリーが開発した「青いバラ」が有名です
 
◆遺伝子組み換えのしくみ
 
 『遺伝子組み換えとはどういうものか 』 [1]より、引用します。

 植物における遺伝子組み換え工程は、おおまかに次のような手順で行われます。
 ①有用遺伝子を見つける
   微生物や植物、動物などの細胞の中から、有用な遺伝子を見つけて取り出す。
 ②遺伝子を細胞に入れる。
   植物の場合、方法は主に3つあります。
   イ.アグロバクテリウム法
     土壌細菌(アグロバクテリウム)が植物に感染したときに、自身の環状DNAを   細菌中に入れ染色体中に組み込ませる性質を利用する方法
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(図はこちら [2]からお借りしました) 
 
   ロ・パーティクルガン法
     金粒子に遺伝子をまぶし、細胞に撃ち込む方法
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(図はこちら [3]からお借りしました)
 
   ハ.エレクトロポレーション法
     細胞壁を酵素で取り除いた細胞に直流パルスを瞬間的に与えて細胞膜を乱れさせ、できた穴から遺伝子を潜り込ませる方法

 ③遺伝子が入った細胞を選抜する
  遺伝子を入れる操作をしても、うまく入らなかったり、組み込まれた染色体の位置が悪かったりすると、遺伝子の有用な性質は出てこないため有用なものだけを選び出す操作が必要になります。例えば、除草剤耐性の遺伝子を入れた場合は、その除草剤をかけて生き残ったものが、遺伝子がうまく入り込んだ細胞といえます。
 ④細胞を植物体に育てる
  細胞を培養し、植物ホルモンなどを与えて再分化させると、植物体に育てることができます。

◆どこに使われているか 
 
 遺伝子組換え作物の栽培国と作付面積は年々増加しています。2010年現在、全世界の大豆作付け面積の81%、トウモロコシの29%、綿の64%、カノーラの23%がGM(遺伝子組み換え)作物です。限定的ですが2009年には日本も遺伝子組換え作物の栽培国となりました(ex. 青いバラ)。

 わが国の主要農産物国別輸入割合(2009年)は以下のようになっています。

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これらの作物の主要輸入相手国は、上記のようにそれらの作物の遺伝子組換え品種の栽培の盛んな国です。主要な遺伝子組み換え作物である小麦、トウモロコシ、大豆では、米国が圧倒的なシェアを占めています。よって、日本は遺伝子組換え作物を大量に輸入していると推定されています。その推定値の中には日本の輸入穀類の半量は既に遺伝子組換え作物であるというものもあります。

「私たちは遺伝子組み換え大豆をこうして摂取している!」 [4]
消費者の目に届きにくいところで、遺伝子組み替え大豆は使用されており、それを油や食肉を通じて、私たちは摂取していることになります。また、大豆は遺伝子組み換え大豆の混入率が5%以下なら「遺伝子組み換えではない」と表示できるそうです。普段食している大豆食品にも混入されてる可能性は否定できません。

このように、私たちの食卓にはほぼ確実に遺伝子組み換え食品が入ってきていると思った方が良さそうです。

◆どこが作っているか?
  
 この分野で圧倒的なシェアを占めるのがモンサント社です。2005年の売上高は62億ドル、2008年の売上高は110億ドル、遺伝子組み換え作物の種の世界シェアは90%。研究費などでロックフェラー財団の援助を受けています。

「米国による日本の食糧支配①~モンサント社等の遺伝組換え企業による日本農業支配の構造」 [5]
アメリカの巨大農業関係企業、モンサント社は、除草剤に強い性質を持つ遺伝子組み換えの種子と除草剤の販売で、世界の市場を支配している。遺伝子組み換えの種子の特許を取得し、莫大な利益をあげている。しかし、多くの科学者が、安全性や環境による影響に疑問を投げかけている。アメリカでは、遺伝子組み換え作物について、何の特別な審査も義務付けられていない。モンサント社は、バイオテクノロジーを利用した食物の認可を得るために、アメリカ政府を初め、各国に強い働きかけをしてきた。

 

◆遺伝子組み換え食品の実害例 
 
 ジェフリー・M・スミス著『偽りの種子』から、遺伝子組み換え食品による恐るべき実害(人体を含む生物に生じた異常)の例を紹介したいと思います。

①遺伝子組み換えジャガイモ
『遺伝子組み換えジャガイモを与えられたラットの白血球は、遺伝子組み換えされていないジャガイモを与えられたラットの白血球よりも、ずっと鈍い反応を示し、感染症にかかりやすく異常が生じやすくなっていた。免疫システムにかかわる臓器である胸腺と脾臓も何らかの異常を示していた。遺伝子組み換えされていない餌を与えられたラットに比べ、遺伝子組み換えされた餌を与えられたラットの脳や肝臓、精巣は小さく、発達も劣っていた。膵臓や腸などの組織が肥大しているラットもいた。何匹かは肝臓の一部が萎縮していた。さらに重要なのは、遺伝子組み換えされた餌を与えられたラットの胃と腸に、著しい構造の変化と細胞の増殖が起こったことである。これはガンになる可能性が増えたことを示す危険信号かもしれないのだ。』

②スターリンク事件
『2000年9月のことだった。35歳のグレース・ブースは同僚とビジネス・ランチをとっていた。その日のメニューのチキン・エンチラーダを楽しんでいたところ、食事をはじめて15分が経ってから彼女は急に具合が悪くなった。全身にかゆみが広がり、体が熱くなった。唇は腫れ上がり声も出なくなったうえに激しい下痢に襲われたのだ。「胸が苦しくて、息が止まりそうでした。」とブースは語る。「何がなんだかわからないまま、彼女はショック状態に陥っていました」とCBSニュースは伝えた。(中略)スターリンクという商品名の遺伝子組み換えトウモロコシがタコスやトルティージャをはじめとするトウモロコシを使った食品に混入していたというのだ。スターリンクはアレルゲンを含有している可能性があり、食品用としては認可されていなかった。このため、最終的には300品種あまりが回収の対象となり、遺伝子組み換え食品が起こした事件としては最大のものとなった。(中略)このトウモロコシの「粒およびかいばは食品用、飼料用または加工用に」適している、と書かれた荷札が堂々とついているスターリンクの種子袋さえあったのだ。このため、スターリンクは全米のトウモロコシ畑のわずか1%未満にあたる約1300km2で作付けされただけにもかかわらず、全米のサイロで通常のトウモロコシに混入してしまい、アメリカ農務省の調査対象となった全米のトウモロコシの22%にあたるトウモロコシ粒を汚染してしまったのだった。スターリンクの一部は結果的にタコスやコーンチップ、コーンミール、その他すべてのトウモロコシを使った加工食品に混入したものと思われ、1000万品目に上る食品がリコールの対象となったが、そのときにはすでに何千万人もの人びとがスターリンクを口にしたあとだった。』

 遺伝子組み換え食品の実態は、その生産元であるモンサント社による妨害や、メディア操作により世間に広く知られることはありませんでした。そのため、遺伝子組み換え食品を食べたからと言って、実際のところ影響があるのかどうかわからないと思っている方が多いのではないでしょうか。しかし、これらの実態を見るにつけ、人体に何らかの影響を及ぼすのはほぼ明らかであると考えていいのではないでしょうか。
「茶のしずく石鹸」が小麦由来成分による重いアレルギー症状(アナフィラキシーショック)を引き起こすとして自主回収されていますが、これももしかすると遺伝子組み換え小麦が原因かもしれないという噂があります。

◆防御策はあるのか?
 
 ここまで見てきたように、私たちはどうやら、知らず知らずのうちに遺伝子組み換え食品を口にしてしまっているようです。完璧に防ぐのは無理でしょう。しかし、気を付けて食品表示を見ていると、怪しいと思われるものをその中に見つけることができます。つまり、ある程度なら防ぐことも可能ということです。例えば、「大豆由来」や「小麦由来」と表示されているものです。このような物を含んでいる食品は極力避けた方が無難でしょう。今はこれくらいしかできないのが現実です。

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