- 感謝の心を育むには - http://web.kansya.jp.net/blog -

『安心基盤を作っていくには?』:「食」への期待1~食卓に迫る放射能の危機~

今回からは、前回の

プロローグ『安心基盤を創っていくには!?』 [1]でお伝えしたように、安心基盤の重要な要素である「食」についての現状を紹介していきたいと思います。

さて、「食」といえば、今、最も気になるのが「放射能汚染」です。

新聞では、徐々に牛肉や魚、野菜等の放射能汚染の実態が報道され始めました。しかし、おそらく報道されているのは事実のごく一部であり、報道しても問題の無い範囲であることが多いのです。

政府や東電、マスコミの今までの姿勢を見ても明らかなように本当に危険な内容は、隠蔽されていると見た方が良いと思います。

このブログでは可能な限り、その実態についてお伝えしていきたいと思います。

今回は、この中でも特に水産物、畜産物を通じてのリスクについて考えてみたいと思います。

下図は放射性物質がどのような経路で人定に蓄積されるかの全体像を示したものです。

[2]

出展:放射能の河川、湖沼、海洋での拡散と移行 [3]

いつも応援ありがとうございます。

◆海洋に垂れ流された放射性物質

まずは、放射性物質の海洋への汚染拡散状況です。現在の日本は、人類史上、かってないほどに海洋での放射能汚染の危険が高まってきています。

上記の汚染図は、あくまでシミュレーションですが、東電や原子力保安院の公表値でも、汚染水11,500トンが海洋に放水されていることは事実です。かつ、公表以外にも放出されている可能性や、地下水を通じての海洋への汚染拡大ということも考えられます。

その結果、10月以降、規制値を上回る異常値を示す魚が徐々に増えてきているのです。

[4]

出典:zakzak [5]

★恐れていたことが現実に!魚介類のセシウム汚染、日に日に上昇
 
福島沖の魚介類のベクレル値が日に日に上昇しており、4桁代になっている。
以下、Infoseek NEWSより引用。

*********************************

 水産庁は原発事故後、福島や茨城などの各都道府県、業界団体と連携し、週1回程度、水産物のサンプリング調査を行っている。2日までで、計3475の検体を調べた。

 それによると、10月初旬ころまでに公表されたセシウムの値は、国の規制値(1キロ当たり500ベクレル)に達しない魚介類がほとんどだったが、中旬ごろから、規制値をオーバーする検体が徐々に出始めた。例えば、19日公表の福島沖の「コモンカスベ」は、国の規制値の2倍を超える1280ベクレルを検出。26日公表の福島沖の「シロメバル」は、ナント、2400ベクレルだった。

 11月に入ると、福島沖の「クロソイ」で1420ベクレル、「コモンカスベ」で1260ベクレル、「イシガレイ」で1180ベクレル、「アイナメ」で1050ベクレルなどと、4ケタ台の汚染魚が続出。さらに前橋市の「ワカサギ」でも589ベクレル、「ウグイ」は685ベクレルが検出され、汚染地域がジワジワ拡大している実態がうかがえるのである。

 国の規制値は国際的に見ても高く、「非常識」との批判が噴出しているが、それをはるかに上回る値が検出されているのだから驚愕だ。

「事故前の魚の放射性セシウムの平均値は0.086ベクレルだから、今は事故前の約2万7000~1万6000倍ということになります。米国がビキニ環礁で行った水爆実験では、魚介類に影響が出始めたのが半年後。福島原発で汚染水が流出、投棄されたのは3月下旬~4月上旬だったから、だいたい当てはまります。高濃度汚染の魚介類はさらに増えるだろうし、汚染域は太平洋沖にさらに拡大していく。影響は5年ほど続くとみています」

*********************************

 このままでは、魚介類が食べられなくなる日がやってくる。汚染域の拡大は止められないのか?
 

さらに、私たちが知っておかなければいけないのは、人間の口に入るまでには、自然界の食物連鎖を通じて、その放射性物質の濃度が高くなるという「生体濃縮」の危険があることです。

◆危険な生体濃縮。このままでは、魚介類が食べられなくなる?!

次に、水産物における生体濃縮について見てみます。

★盲点なのは、放射性物質の「生体濃縮(自然界の食物連鎖による濃縮)」
 
>放射能汚染された植物や小動物を大型動物がエサとするプロセスを通じて何倍、何十倍、さらにそれ以上の倍率にも、放射能が内蔵や骨、筋肉などに沈着して濃縮されてしまうのです。

[6]

出典:放射能の河川、湖沼、海洋での拡散と移行

—————————————————
◆これからは魚粉が危ない
・魚を選ぶ際には、やはり海流から見て九州、中国地方、四国の沿岸部、さらに瀬戸内海産、日本海産が安心。

・また、イワシ、サンマ、サバなどの回遊魚は1カ所にとどまっている魚より安全性は高いといえます。ただし、小型の魚に限ります。カツオ、マグロなどの大型魚は、小魚を食べて育つため、食物連鎖で、放射能が生体濃縮されていく危険性があります。

・さらに問題は海底に棲息するヒラメ、カレイなどの底魚です。フクシマの沖合を中心に海底土は恐ろしいほど放射能汚染されています。だから、この地域で獲れた魚は避けるべきです。

・もう一つ心配なのは、ウナギ、ハマチなどの養殖魚です。その餌は「魚粉」。つまり、魚を解体した後の内臓、骨、アラなどを乾燥したもの。放射能はこれらの部位にたまりやすいのです。魚粉は家畜飼料や肥料にも大量に使われているため、かって狂牛病の肉骨粉による汚染連鎖とおなじ恐怖の連鎖が魚粉から始まる恐れがあります。政府は、すぐに魚粉の徹底調査をすべきです。

————————————————–

放射能の生体濃縮の観点から見れば、

回遊魚よりも、固定魚が危険
表層魚よりも、海底魚が危険
天然魚よりも、養殖魚が危険

このようなことはほとんど知らされていません。

このように海洋汚染は待ったなしの状況になっているのです。

◆陸ではセシウム牛が流通。そして、内臓系の流通経路はブラックボックス

では、陸における放射能汚染はどうなっているのでしょうか?

主に、大気による放射性物質の拡散に伴って、畜産物における生体濃縮も進行しています。

[7]

出典:子供を守ろう [8]

この図の矢印は、福島原発からの放射能が、どのルートを通って汚染蓄積しているかを示すものです。濃淡の差はあれ、すでに東北から北関東では広い範囲に渡って放射性物質が拡散していることがわかります。その結果、汚染された牧草などを食べている肉牛の生体濃縮による汚染拡大も出てきているのです。

◆モー底なしの恐怖“セシウム牛モツ”は追跡できない!

[9]

出典:セシウム牛 流通マップ [10](7/17現在の毎日.jp情報により作成)

・福島県南相馬市の農家が出荷した肉用牛から放射性セシウムが検出された問題で、内臓系部位の流通ルートの追跡が困難なことが分かった。精肉の流通先は、11都道府県に上ることが判明したが、あくまで枝肉に加工された部位。セシウム牛問題は底なしの様相を呈してきた。

・だが、これで追跡調査できないのが、レバー(肝臓)やタン(舌)、ハツ(心臓)、ハラミ(横隔膜の一部)、ミノ(第一胃袋)、センマイ(第三胃袋)などの「畜産副生物」。「モツ」や「ホルモン」の愛称で親しまれる内臓系の部位だ。

・都中央卸売市場管理部がこう説明する。
  「食肉処理の過程で枝肉と同時に生産される畜産副生物は、内臓専門の卸業者が買い取るのが一般的ですが、枝肉のような完璧な流通管理は行われていません。どの個体からどの部位を抽出したかなど、生産の過程があいまいになることが多く、トレーサビリティー(流通履歴)の確認は、事実上困難です」

結局、これからは、「市場流通というブラックボックス」を経た食品の安全性を完全に担保することは非常に難しいのだといえます。

となれば、顔が見える生産者との直接取引や、自主的に表示を徹底する小売業者や飲食店などの安全価値が高まってきます。

上記のように内蔵系は、複数の個体や地域から集められ、流通ルートに乗ってしまうため、まったく個体識別ができません(流通構造的には、牛乳も同じ)。となれば、放射能汚染のリスクを消費者は自ら判断することは、ほぼ不可能ということになってしまいます。

◆放射能が人体に及ぼす影響

最後に、これらの放射性物質は人体にどのような影響を及ぼすのでしょうか?

★放射線の性質

・陰性の性質は「冷やす」、「ゆるめる」、「溶かす」働きなどで代表されます。言葉を換えれば、広がって行こうとする拡散性や遠心性と見ることができます。
・放射線の性質は、物を透過して遠くに広がろうとする強力な拡散性です。ですから原爆症は、爪や皮膚が溶けてケロイド化し、毛穴が開いて髪の毛が抜けたりする陰性な症状が現れます。
・放射線治療などで被曝した場合も、赤血球や免疫細胞が溶けて貧血の傾向が出たり、血液が崩壊して白血病が引き起こされたり、腸がゆるんで便秘をしたり、体が冷えてだるくなったり、髪の毛が抜け落ちたり、といった陰性化した症状が現れます。

[11]

<チェルノブイリでの症状例>
頭痛、めまい、耳鳴り、鼻血・鼻水、髪の毛が抜ける、
目の異常 (はれ、かゆみ、ヒリヒリ、熱くなる)、
目の下のくま、口内炎、 首のこわばり、リンパのはれ、
甲状腺のはれ、のど(チクチク,イガイガ,ヒリヒリ,痛い)、
せき(長く続く、喘息様)、たん(続く、からむ)、
吐き気・嘔吐・むかつき、腹痛、胃痛、
下痢(続く、黒い)、心臓病、
不眠、精神不安、集中力がない、物が覚えられない、
頭がぼーっとする、突然の眠気、突然の脱力、
傷が治りにくい、アレルギーの悪化、
皮膚(ヒリヒリ、突っ張る)、湿疹(で た、消えない)、
雪焼け様の日焼け、服の上から日焼け

「被曝から老化し免疫力低下して症状が出るまでのメカニズム」
より抜粋

基本的には、放射能は極陰性(身体を緩める、弛緩させる、組織崩壊させる)の性質があるようです。
よって、できるだけ陰性の食物(白砂糖、冷たい物、薬、アルコール等)を避け、陽性の自然塩、味噌汁、玄米によって体を守るということが提唱され、成果も出しています。

<参考>「放射能汚染から身を守る為の知恵~塩、味噌が身を守る!」 [12]

さて、今回は、食に関する放射能の実態とリスクについて扱ってきました。「では、どうすればいいのか?」については、このシリーズ後半で扱っていきたいと思います。

読んでいただいてありがとうございました。

[13] [14] [15]