2022.09.10
【知能進化を紐解く】12~18歳の思春期は、男として、女として、土台をつくる最大の変容期
前回の記事では、6~12歳の児童期、その中でも10歳前後の時期を扱いました。対象を広げ、スクスクと成長していく時期もあり、まわりの環境によって多様な世界観を吸収していく期でもあります。
さて、今回は、12~18歳の思春期を追求してみたいと思います。この時期は、
>・12~18歳の思春期は、葉が茂って、つぼみが付いて、成熟に近づく時期。〈変容期〉
>心身共に大きく変化する不安定な時期で、どんなつぼみをつけるか、どんな花になるか?と将来の自分の姿を考えます。この時期は自分の内面がとても気になり、自分の世界観を築いていきます。
植物にたとえるこどもの成長~種の状態から花開くまでの「発達の4段階」
子育てにおいても、2歳頃のイヤイヤ期と同じくらい、思春期は大変な時期だと感じる方もいらっしゃると思います。どのような方向性で子どもを見守っていけばいいのか、今回も生物史に学び、追求していきましょう。
■思春期があるのは、人類だけ!?
そうなのです。人類以外の哺乳類には、思春期はありません。実は、イヤイヤ期、なんで期、と同様に思春期も人類の進化戦略(知能進化)と密接に繋がっています。
まずは、「思春期って何?」ということを押さえます。
思春期は、第二次性徴期と言われるもので、性ホルモンが分泌されることで生殖能力がつき、体つきに変化が表れる時期です。例えば、男子は、声変わり、ひげ、筋肉がたくましくなる、精通等。女子は、体がふくよかになる、胸のふくらみ、初潮など。思春期の始まりは、男子で11歳、女子で9歳くらい。それが25歳くらいまで続くと言われています。
次に、生物進化の軸で、思春期を捉えます。
哺乳類は、胎内保育の結果、生体後に異性をめぐってオス同士(メス同士)を戦わせて淘汰する。つまり性闘争の本能を最大限に引き出して、より強い種を残すという戦略をとっています。人類の場合は、自然界において最弱の存在であるため、生き残り戦略としてオスメスが集団に残留する道(個体で闘うことをしない)を選択しました。
しかし、オスメス残留は、哺乳類の進化上とは逆行するかたちであり、性闘争本能を封鎖してしまいます。つまり、オスの性もメスの性も、それでは磨かれていかないという状態です。
そこで、この封鎖した性闘争のエネルギーを、人類は、「思春期」(という脳構造の組替え)をつくり出すことによって、突破してきたのです。思春期には、ホルモンバランスが変わることで、気持ちが不安定になります。これを厄介な時期と捉えるのではなく、人類進化上、必要不可欠な時期であると捉えると、とても可能性を感じられます。
https://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=379961人類は進化のための思春期を作り出した
思春期は男で11歳くらいから始まる。その時期から性的に成熟し始め、性ホルモンが分泌される。そうすると、脳幹の扁桃体が刺激され同時に海馬や側坐核が刺激される。海馬が刺激されるシナプスの結びつきが活発化する。すなわち学習能力が高まる、
また側坐核が刺激されるとドーパミンが分泌され、リスクを伴う行動を好むようになる。言葉を換えれば駆動物質のブレーキを外した状態を作り出したともいえる。それゆえに、思春期は精神的に不安定な時期である。人類の場合これを制御できる前頭前野が完成するのは25歳とかなり遅い。
人類は、感情が不安定な思春期という弱点を敢えてつくり出しました。本来は、性闘争本能として放出していたエネルギーを、脳構造の組替えによって、内側からエネルギーが湧いてくるように進化してきました。オスならば、リスクに挑戦し進化する方向に、メスならば、まわりとの関係で充足を増幅する方向に、それぞれの性を磨き上げる方向性で、学習能力を高め、軟弱化を防いだと考えられます。
思春期というと反抗期ばかりが注目されがちですが、本来は、湧いてくるエネルギーが一番活発になる時期です。人類にとって思春期のエネルギーは、行動を促す最大の武器であり、今後の成長の土台となる重要なものなのです。
子育てという視点で捉えれば、思春期の子どもには、これまで守られていた親元ではなく、仲間のもとへの後押しをしたい。特に、この時期は、性を磨く時期であるため、男同士、女同士の繋がりが非常に重要な時期。また、同世代では成熟度も横並びなので、もっと上の同性との関わりがつくれる場に飛び込ませるのが良いかもしれません。
では、ここからの時期では、思春期の衰弱?それを突破するためにどうする?を扱っていきたいと思います。
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2022.09.03
安定期をどう過ごす? 6歳から12歳(児童期)は、対象を広げたい期!
6歳~12歳の児童期は、最初の“安定期”。
安定期は、内面的成長の視点で見ると「対象を広げたい時期」です。
小学校6年間として見ると、低学年と高学年では様子が大きく変わります。
高学年の女子は初潮もあるなど、大きな体の変化も迎えます。
体と心はどんな風に関係するのか、安定期はどんな時期なのか、
もう少し掴みたいと思います。
一般的には「小4の壁」と言われる時期があります。
10歳前後になると、自分のことを客観的にとらえられるようになる反面、
自己に対する肯定的な意識を持ち辛くなったり劣等感を持ちやすくなる時期です。
(まなびち「小4の壁って何?」 より)
これまでの万能感が低下してくると、
劣等感や言い訳が出てきたり、急に卑屈な態度を取ったり。。
この頃の子育てあるあるですね。
このような時期を、これまで追求してきた
“人間が生き残るために作り上げてきた成長段階”として捉えてみるとどうでしょう。
探る中で興味深い記事を見つけました。
9歳から12歳は脳のゴールデンエイジ
9歳の誕生日から12歳の誕生日までの3年間は、脳のゴールデンエイジです。
この時期は、特に寝ている間の脳神経回路が爆発的に発達します。
子供たちは想念としての世界観をどんどん広げていきます。
さらに興味深いのは、男女別の傾向です。
【男子脳の特徴】
・男子には目標が必要
・ほめる時は大人の都合でほめない
・男子は戦いたくて仕方がない時期~競い合う活動が必要
・察する能力は女子の6分の1
…男子にとってはロールモデル(役割の手本)を定めたり、
戦う相手、認めてくれる他者など、自分と他者との違いを明確に感じながら、
更にその対象へ向かう関わりを増やす時期です。
【女子脳の特徴】
・10歳を過ぎたら一人前の女性~大人の女性に話す言葉を遣う
・エストロゲンが活発に分泌し~集中力が欠如し、イライラする
・女子の生殖本能は優遇と共感を求める
・言葉で労をねぎらうほめ方は信頼感につながる
・すべての男性を拒絶する時期
…女子は身長が伸びる最盛期であり、脳内物質エストロゲンの分泌が活性化するなど、
著しく体が変化する時期。
エストロゲンの分泌により集中力散漫でイライラ、
哺乳類メスの生殖本能上一番強い脳の信号「自分が大切にされたい」欠乏も抱えています。
これらを周りとの関係性の中でどう折り合いをつけるか手探りしている時期なのです。
こうしてみると、児童期は対象を広げたい時期であり、
まわりの環境によってどんどん伸びていく時期だということが分かります。
だから、子育ての視点で言えば、どんな人材や場に触れさせるかが大切です。
これまでの追求で言えば、
「イキイキとした若者や高校生など、能力が高い対象や人として尊敬できる人材」
「自然体験や本物プロフェッショナル」など、欠乏が高い時期を逃がさず、機会を作っていきたいですね。
「対象を広げたい」欠乏をどれだけ満たせるかで、次の変容期に備えるエネルギーも変わってきそうです。
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posted by himejima at : 2022.09.03 | コメント (0件) | トラックバック (0) TweetList
2022.09.02
【知能進化を紐解く】植物にたとえるこどもの成長~種の状態から花開くまでの「発達の4段階」~
わたしたちの知能は身心と一体で繋がっており、
常に体と共に進化を続けてきました。
前回までの記事(リンク、リンク)で紹介したように、0~24歳の間にも、
0~6歳の乳幼児期は変容期、6~12歳の児童期は安定期、
12~18歳の思春期は変容期、18~24歳の青年期は安定期、
と6年ごとに〈変容期〉と〈安定期〉を繰り返しながら、成長=進化していきます。
そのとき一体子どもたちはどんな状況なのでしょうか?
言葉だけではいまいちイメージがしきれないので、この発達の四段階を植物に例えて紹介します。
子どもたちがいまどういう成長段階にきているのかよくわかり、どう我が子へアプローチしたらよいのか、お母さんお父さんたちのヒントになればと思います。
**************
・0~6歳の乳幼児期は、種をまき、芽がでる時期 〈変容期〉
お母さん身近な人達とのスキンシップから始まる様々な体験がそのあと力強く生きていく土台になっていきます。
( まずは、子どもが大好きなスキンシップから )
・6-12歳の児童期は、すくすくと高く、強く伸びていく時期。 〈安定期〉
まわりの環境によって、いろんなものを吸収し、知的欲求や思考力が高まっていきます。
この時期は知識や経験を一番吸収する時期です。
・12~18歳の思春期は、葉が茂って、つぼみが付いて、成熟に近づく時期。〈変容期〉
心身共に大きく変化する不安定な時期で、どんなつぼみをつけるか、どんな花になるか?と将来の自分の姿を考えます。この時期は自分の内面がとても気になり、自分の世界観を築いていきます。
・18~24歳の青年期は、花が咲く時期。 〈安定期〉
思春期に内面に向かって蓄積されていたエネルギーが、一気に外に向けられ、未来に向けてはばたいていきます。
**************
もっと知りたい方は、こちらが参考になります。→リンク
これまでの記事では、人見知り、イヤイヤ期、なに?なんで?期を切り口に乳幼児期(0~6歳)のこどもたちの知能進化に注目してきました。
種の状態から芽を出す準備の時期、芽を出す時期には植物にとっても、たくさんのエネルギーが必要になる時期。それがこどもの発達段階における〈変容期〉に当たるのですね。
ついつい心配が重なるこの時期ですが、この〈変容期〉やエネルギーがあるからこそ私たち人類は知能進化していけるので、温かく見守ってあげてください。
では次回の記事では、
ぐんぐん、すくすくと外に向かっていく6~12歳の児童期に注目していきたいと思います。
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posted by toyosima at : 2022.09.02 | コメント (0件) | トラックバック (0) TweetList
2022.08.30
What Did We Learn from Our Study on Sober Living Houses and Where Do We Go from Here? PMC
Content
Without these guidelines in place, there wouldn’t be much support or structure, which is the whole point of living in a substance abuse halfway house or sober living home instead of on your own. We’ll go over the different types of people who typically benefit from a sober living situation or substance abuse halfway house in a later section. For right now, just know that if any of this sounds appealing, look into it. If you’re interested in a substance abuse halfway house, you should ask the professionals working with you about them.
Sober living homes are run privately or as a part of a continuum of care from an addiction treatment provider. A sober living home allows a person to apply skills learned in treatment to real life in a less triggering environment. Sober living homes offer more privacy and professional support than halfway houses. Halfway houses serve as a transitional housing facility for persons recovering from alcohol or drug abuse. Most persons in a halfway home have completed a drug treatment program during incarceration or are mandated to live there by court order. Generally, halfway houses put policies in place to keep their occupants sober.
How to Promote and Market Your Sober Living Home
These activities prepare residents for a substance-free and independent future. Many individuals attempting to abstain from alcohol and drugs do not have access to appropriate housing that supports sustained recovery. Our study found positive longitudinal outcomes for 300 individuals living in two different types of SLHs, which suggests they might be an effective option for those in need of alcohol- and drug-free housing.
Are you still an alcoholic if you are sober?
Even if we stop drinking, even if we are sober for years and do more work on ourselves and spend more money on self-improvement than the entire GDP of some small nations, we can't get out from under our alcoholism. Not only do we still have it, but it extends to every area of our life.
They understand the struggles you’re facing and the stress you feel trying not to let family and friends down on your sobriety journey. Instead of being alone and dealing with these things, you have others around https://goodmenproject.com/everyday-life-2/top-5-tips-to-consider-when-choosing-a-sober-house-for-living/ you to help remedy these feelings of loneliness. You’ll meet and interact with different kinds people in Recovery Housing, and they will have their own perspective on sobriety that you can apply to your life.
How Does Sober Living Work?
Over 24 agencies affiliated with CAARR offer clean and sober living services. Sober living homes and halfway houses are frequently confused and for good reason. There is a lot of overlap in the function of these homes, as the main goal of both is to keep residents abstinent from drugs and alcohol. While these facilities maintain much in common, there are key differences in the formation, funding, regulations and logistical aspects of sober living vs. halfway houses.
Comparatively, sober living residents can stay as long as needed, provided that they adhere to the household rules and expectations, pay rent, and cover their personal expenses. Sober living homes provide a smooth transition for recovering individuals that have completed a treatment program at a recovery center. These homes offer a safe and stable environment to minimize the chances of relapse from occurring. The Federal Government usually funds halfway, eliminating all costs or maintaining it at a low cost to the patients.
Are You Looking at Sober-Living Houses? Here Are a Few Things You Should Know
Prison and jail overcrowding in the U.S. has reached a crisis point. Each year more than 7 million individuals are released from local jails into communities and over 600,000 are released on parole from prison (Freudenberg, Daniels, Crum, Perkins & Richie, 2005). Although the need for alcohol and drug treatment among this population is high, very few receive services during or after their incarceration. Housing instability has contributed to high reincarceration rates in California, with up to two-thirds of parolees are reincarcerated within three years. In a study of women offenders released from jails in New York City 71% indicated that lack of adequate housing was their primary concern.
Freestanding SLH’s offer a limited amount of structure and no formal treatment services. Thus, they are optimal for residents who are capable of handling a fair amount of autonomy sober house and who can take personal responsibility for their recovery. Expansion of freestanding SLHs in communities might therefore ease the burden on overwhelmed treatment systems.
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posted by ythayn2014 at : 2022.08.30 | コメント (0件) | トラックバック (0) TweetList
2022.08.27
【知能進化を紐解く】身心の変化が知能進化を生み出す
子供は、お腹の中に居る時から、生後数年の間にものすごいスピードで、人見知り、イヤイヤ期、なんで期などを経て成長していきますが、それらの現象の背後には、身心や脳の発達と、子供達が捉える対象世界の変化が大きく関わっています。
そして、この幼少期に誰もが通過する発達過程こそが、後に社会に出ていった時の必要な力の重要な土台になっていることも分かってきました。
もっと早く知っていれば、子育てに対するアプローチがいろいろと広がった?ような気もしますが・・・
今からでも遅くありません、その後の思春期を迎える段階や、社会に出ていく段階においても、私たちはどのように発達していくのか?を、自然の摂理や、社会性の点から理解し接することができれば、日々の人間関係においてももっと相手のことが分かってきそうです。
今回は、この発達段階について追求してきた方々の研究成果を紹介し、学んでいきたいと思います。
①ジャン・ピアジェの「認知発達理論」
②モンテッソーリの「子どもの発達の四段階」
③エリクソンの「心理社会的発達理論」
いかがでしょうか?発達段階にもいろんな視点や切り口があるのですね。
幼少期から思春期まであたりの発達段階に着目しているものから、成人後も対象世界の変化に対して段階的に発達を繰り返している説もあり興味深いですね。
共通して感じるのが、ある一定の間隔で変容と安定を繰り返しながら発達していく点。そしてその転換期は知能進化だけでなく、身心の変化や対象世界の変化と連動していそうな点。
※例えばイヤイヤ期(前頭葉の発達期)や思春期(生殖可能身体)は、身心の変化と頭の統合が上手くいかないことから起きる?
■身心の変化が知能の進化を生み出している!?
人間は観念動物と言われていますが、知能だけが単独で発達してきたわけではありません。
知能の進化の起点には常に身心の変化があり、逆に知能が進化するからこそ環境が変わったり身心に変化が起こっても適応できている。つまり、体や心で感じたことを頭で統合することで適応(=知能進化)してきたのが人間なのではないか。
(知能は身心と一体で繋がっているからこそ進化を続けられる)
そう考えると、人はどのような段階を経て成長していくのか?を追求することは、子育てのみならず、学校や企業などで人材育成を考えていく上でも大切な視点になりそうです。
次回も追求を深めていきます。
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posted by tana-ken at : 2022.08.27 | コメント (0件) | トラックバック (0) TweetList
2022.08.27
【知能進化を紐解く】集団→仲間→社会へ対象世界を広げていく成長の4段階
これまで乳児期から幼児期の成長を段階的に深めてきました。
人見知り期、イヤイヤ期、なんで期と幼児はめまぐるしく成長していきます。
愛着の発達の4段階~人見知りとは?人間関係の基盤を作る乳幼時期の4段階(1~3)
みなさん、「あるある~」という感じではないでしょうか。
でも小学校に上がるくらいの年になると落ち着いてきて、「〇〇期」という変化があまり見られなくなります。
実は6才から12才はこどもの成長の安定期にはいるからなんです。
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posted by suzu-kun at : 2022.08.27 | コメント (0件) | トラックバック (0) TweetList
2022.08.21
【知能進化を紐解く】子どもの“なんで?”が出てくるもの、自然の原理原則を掴んでいるから
シナプスの刈り込み。刈り取りではなくて、『刈り込み』であることが注目ポイントでした。もっと知りたい人はこちら
植物で想像してもらうとよりイメージがつきやすいかもしれません。
観葉植物などの植物はそのまま育てるよりも、いらない枝を切り、一度枝を刈り込むことで、そこから新しい芽がどんどん開花していきます。それと同じようにたくさんあったシナプスの中から、必要なシナプスだけを残し、そのシナプスを強化しながら人は成長していきます。
前回の記事では『なぜなぜ期』は、対象とそれ以外を明確に分けることができる二元化が磨かれる時ではないかと言う仮説が見えてきました。
それまで一体だった世界から、注目できる対象が浮かび上がると言うことは、見るもの全てが発見の連続で=知りたい欲が盛んに!想像するだけで脳が外からの刺激を受けることがイメージできますね。
(正確にいうと、人間と動物で違いますが)二元化までは本能にセットされており、動物でもしています。
人はここからさらに進化します。
動物にはなく、人間だけの特徴と言えばなにでしょう。その特徴の一つに言葉を喋れることがあります。
もともと言葉は仲間とより本質を掴むために、どうする?を話すために生まれてきたと言われています。
私たちは当たり前に話していますが、実は話をするというのはとても高度なこと。
たくさん感じている情報の中から、話したい部分を抽出して発さなければ、話せません!
人は誰から教えられるわけでもなく、周りの人の言葉を聞いて、真似して、声に出してを繰り返すなかで言葉を獲得していきますが、なんで期ぐらいになると“自分の頭で整理する”ことができるようになっていきます。たくさんの情報の中から本質を掴み言葉にする、原理原則を掴んでいく、それこそが子供の成長の中では『なんで期』なのです。
例えば、朝日や夕日が赤いのはなんで?というなんで?
これは太陽が昇ると空は明るく青くなる。太陽が沈むと暗くなる。と言う原則を掴んでいるからこそ、なんで間はオレンジ色になるんだろう。が気になる。
これまでつかんできた原理原則に当てはまらない、未知なる部分をもっと知りたくて、本質を掴みたくて質問しているのではないでしょうか?
そう捉え直してから、以前紹介した子供たちからのなんで?を見て見ると、
・(冬に)なんで裸の木と葉っぱがある木があるの?
・(ニュースを見てて)地震ってなんで起こるん?
・地震の時はどうしたらいいの?
・雨や台風は予測できるのに、なんで地震は予測できないの?
・虫は何で子供を産むと死んじゃうの?
・消防車と救急車は一緒のところにあるのに、パトカーは何で別のところにあるの?
その奥に彼らが掴んでいる原理原則が見えてきます。
質問の切り口の鋭さに、すごいなと思っていましたが、その前に自然の営みや本質や原理原則を掴んでいるからこそ、その原理原則に乗らない、未知なる不整合化を感じ、気になっているのです。
たくさんある情報の中から、本質を掴み、物事を構造化。原理原則をつかんでいく中で、言語能力も知能も磨かいてきた人類の歴史から見てもこの時期に、対象を掴むため、知るためにたくさんおしゃべりすることが、子供の知能進化には欠かかせません!
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posted by mineyama at : 2022.08.21 | コメント (0件) | トラックバック (0) TweetList
2022.08.20
【知能進化を紐解く】思考の二元化と感情形成の関係
前回の記事では、8か月~4歳から始まる「シナプス」の刈リ込みにより、生きていくために必要なところを太く、不要なところは薄く細くすることで、環境に適応していくことを扱いました。
色んな経験を与えることで刈り込みの際の可能性を広げることへ繋がっていることがわかるとこどもたちに色んなことを教えてあげたくなりますね!
8ヶ月~4歳から始まる「シナプスの刈り込み」。
こどもたちは刈り込みが行われる前にどうやってシナプスを増やしていくのでしょうか?
今回はこどもたちが2歳前後になると対象に対して興味をもって「あれはなに?これはなぜ?」と親たちを質問攻めにする「なぜなぜ期」と脳の成長との関係について深めていきたいと思います。
■「なぜなぜ期」は感情を作り出すための大事な一歩
お母さんからの愛情を受け取ったこどもたちはお母さんとのスキンシップによる一体化充足をベースにして、安心存在以外の対象(外の世界)へ一体化の充足対象を広げていきます。相手と一体化したいという純粋な思いがあらゆるものに対して興味を持ち、「これはなに??」という言葉を聞くことが増えていきます。
このときこどもたちの脳内は初めて見るもの、触るものに対しての二元化が行われ、理解できる。理解できないもので分類されていきます。
こどもたちが「これはなに??」と聞くことによって周囲の情報をキャッチしシナプスの数を増やすことで、刈り込みのベースを作っていくのがこの時期となります。
実は刈り込みはすべての動物が行っているのですが、同じように刈り込みを行うのになぜ動物と人間には差があるのでしょうか?
動物は生存のために危険かどうかの判断を自分自身で行い、刈り込みを行っています。
もちろん人間のこどもも同様に理解できないものに対して危険かどうかを判断しますが、動物と違う点は、人間はモノだけでなく身近な相手がどう感じているかも見ていて、相手の反応や表情から社会環境の中においての肉体的な反応を学んでいくのです。
これができるのは生まれた時からお母さんとスキンシップを続けてきた人間だけの特徴です。人間にとっての感情とは内面的なものではなく、表情や体の動悸など、肉体表現と精神が繋がり感情を生み出しています。
実はこどもたちが笑ったり、泣いたりした後固まったように動かなくなるのは自分の感情が周りの環境の中で一致しているかを考えているそうです。
「なぜなぜ期」のあと、こども達には次第に感情が生まれていきます、これは「なぜなぜ期」を通して脳に多くの情報と、周囲の反応をセットで感じることで、脳の成長に繋がり、自意識が形成されていくからです。
「なぜなぜ期」はこどもたちの脳の成長にとって大事な時です。お母さんたちは「なぜなぜ期」のこどもたちの「なにこれ?」と言ってきたら顔を見せて何なのか教えてあげましょう。
突然固まってしまったりしたときは無理にゆすったり、声をかけずに、何を考えているのかな?と一緒に考えてあげればこどもたちの脳は社会の中に適応するように自然と進化していくのです。
次回は「なぜなぜ期」の次の段階。
3~4歳のこどもたちに感情が生まれ始め、物の本質やその背景までを考えられるようになる「なんで期」について紹介していきます!
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posted by ito-k at : 2022.08.20 | コメント (0件) | トラックバック (0) TweetList
2022.08.10
【知能進化を紐解く】シナプスの刈り込みによる知能進化
前回の記事では、3歳くらいに起こる「なんで期」について扱いました。目の前のモノゴトに「なんで?」とオンパレードの子どもたち。母親としては対応に困ってしまう行動ですが、好奇心旺盛なこども達にとって重要な知能進化の一部だったのです。人類としての必然的な進化を知れば、子育て自体をもっと楽しめるようになりそうですね。
さて、今回の記事では、歳を追うごとに半年~1年で、目まぐるしく行動が変化するこども達の脳について。彼ら・彼女らの脳内では、どんな変化が起こっているのでしょうか。少し深めていきたいと思います。
■脳の健全な発達は、「シナプス」の「刈り込み」にあり!?
「えっ?シナプス?何それ?」という声にまずは、お答えします。
シナプスは、脳内の神経細胞(放射状に伸びるニューロン)同士をつなぐ接合部を指します。神経細胞を繋ぐ役割なので、接合部が多いほど神経細胞が活発に作動するイメージです。
(もっと、詳しく知りたい方は、こちら「脳」の真実をどれだけ知っていますか | 蘊蓄の箪笥 100章 | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース (toyokeizai.net)。)
【知能進化を紐解く】脳の発達には順番がある。イヤイヤ期こそが知能進化の最初のターニングポイント!?の記事でも紹介したように、生後8か月でシナプスの密度は最大になり、ほとんど全ての神経細胞が接続されている状態となります。この「シナプス」の状態・繋ぎ方が、脳の進化、即ち、知能進化に深く関係しているようです。ただし、シナプスの量が最大になれば良いということではなさそうです。
早期教育が注目されるにつれ、脳科学の専門的知識のない一般の人々でさえも、シナプスや臨界期などの用語を知るようになっているようだが、脳の健全な発達はゼロの状態からシナプスを増やし、シナプスの結合を強めていくことであると誤解されているようである。つまり、乳幼児の能力をゼロとすると、歳を重ねるごとに、能力が10になり100になり、1000になるように増加すること」がすなわち「発達」であると誤解しているようである。しかし、事実は逆で、脳の健全な発達の鍵は、シナプスの「増加」ではなく、実は「減少」にある。乳幼児は、いろいろな才能を生得的に備えており(つまり、乳幼児の能力はゼロではない)、それらをむしろ「不要」として捨てることにより発達している。
早期教育の落とし穴~認知神経科学的見地より~(信州大学 有路憲一)より引用しました。
どうやら、知能進化には、シナプスの「刈り込み」という過程が重要そうです。
>人類の赤ちゃんは、まわりに全てを委ね、まわりを全て受け入れる状態で、生まれてきます。こんな生物、他にはいません。【知能進化を紐解く】~まずは、子どもが大好きなスキンシップから~
全を受容する状態のこの時の赤ちゃんには、捉える対象の優劣や差はありません。万物が発するエネルギーを等しく受容するため、何か・誰かの対象物を特定することはできません。
3~4歳から始まるシナプスの「刈り込み」の過程で、脳内に最大限に充満したシナプスに変化が起こります。こどもが置かれた外圧(自然環境や生活環境、家庭環境)に合わせて、必要性が高いところには、シナプスが太くなり、不要なところのシナプスは、薄く・細くなっていくという仕組みだと考えられます。
全面受容の状態(シナプス密度最大)の0歳の時から、4歳くらいまでの過程において、あらゆる対象物に対して「何?」「何で?」を発するこども達。たくさんの「何?」「何で?」を経て、自然対象物から摂理を見出したり、母親以外の人にも備わる温かみ・肯定感(共認充足)を見出したりしていきます。そして、それは、対象の本質に迫っていく過程です。
脳内のシナプスの刈り込みは、体全体から感じる情報を全て吸収し、その中から本質を抽出する過程なのかもしれません。
(これは、人類が獲得してきた観念機能の形成過程にも繋がってきそうです。)
まだまだ、未明な領域ですが、ここから、さらに脳進化の仕組みに迫っていきます。次回の記事もお楽しみに!
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posted by oguma at : 2022.08.10 | コメント (0件) | トラックバック (0) TweetList
2022.08.09
【知能進化を紐解く】なんで期は万物と一体になりたい期?!
子育てで親が困るタイミング。
生後半年で起こる「人見知り」は、安全地帯とそれ以外を分けるため。その安全地帯の安心感があるから、離れても挑戦できる心が育つことがわかりました。(もっと知りたい方はこちら)
次に2歳ぐらいで起こる「イヤイヤ期」。
イヤイヤ期はプラプラ期とも呼ばれ、自分でやってみたい思いが育つ時。仲間や周りへの好奇心が育ったある証拠であることが見えてきました。(もっと知りたい方はこちら)
そして今日は3歳ぐらいで起こる「なんで期」について。
起きて一番に空を見て
「ママー、お空破れそう。 なんでー?」と当時3歳の息子。
空見て破れそう〜!なんて考えたこともないないと思いながら、見上げると『うろこ雲』でした。
うろこ雲って、どんなときになるんだっけ⁈
といそいそと調べ「寒暖差で起こる、秋の気配を感じる雲」と学び、共有。
「昨日の夜も寒かったもんね。これからは太陽さんがいる時も寒くなるのかなぁ」と季節を感じ。
朝出かける頃に崩れてきたうろこ雲を見ながら、今日はあったかくなるんかなぁなんて予測を立てたり、子どものなんで期は親にとっても学びの宝庫でした。
他にも、
・(冬に)なんで裸の木と葉っぱがある木があるの?
・(ニュースを見てて)地震ってなんで起こるん?
・地震の時はどうしたらいいの?
・雨や台風は予測できるのに、なんで地震は予測できないの?
・虫は何で子供を産むと死んじゃうの?
・消防車と救急車は一緒のところにあるのに、パトカーは何で別のところにあるの?
などなどなんで祭り。
お友達のお母さんも
「なんで、動物園の動物の赤ちゃんは、人間がお世話してるの?」(自然界なら、お母さんが赤ちゃんのお世話をしてるのに、動物園ではお母さんがお世話せず、人がお世話しているのが気になったようです。)
と突如質問され親御さんがたじたじになったと教えてくださったことがあったので、この世代特有の世界観のようです。
最初は、よくそんな難しいことを!と思っていたのですが、子供にとってはすべて目の前で起こったこと。
友達の話、仮面ライダーの話と同じように、自然のことも、地震の仕組みも、ニュースで話している話も、身近な出来事で同じように気になる。
目に映る万物のことをもっと知りたくて、なんでなんでと聞くなんで期の子どもたち。
このなんで?もっとしりたい!という好奇心や探究心は、知能進化には不可欠なのです!
(むしろ、不整合や知らないとこがたくさんあるのに、なんも疑問に思わなくなってしまった私たちの方が何かを封鎖してしまっているのかもしれません。)
0~3才は最も脳神経の成長や知能発達が著しい時期
(保育士クラブより)
前回の記事でも、脳の発達には順番があることをお伝えしましたが、人間の脳神経は3歳頃には成人の8割程度まで成長し、脳内の神経回路(ネットワーク)が急速に形成され発達する時期=なんで期なのではないかと言われています。
見るものすべてが新鮮で、もっと知りたくてもっと一体になりたいなんで?期。
4~5才になると仮説を立てれるようになったり、自分で解決できるようになったり、その在り方は変わってきますが、この時のなんで?との向き合い方で、問題解決能力に影響が出るとも言われています。
子育ての場面で必要なのは、子どものなんで?を否定しないこと。
子どもは完璧は答えを求めているのではないので、「確かに言われてみたらなんでだろうね?」って受け止めて仮説を立ててみたり、誰かに聞いてみたり。一緒に図鑑を調べてみたり。
どう問題解決していくのか、いろんな手法で楽しむことで、知らないことへの好奇心が育っていきます。
子どもの困った行動は実は進化の一部だった!
これからも知るだけで子育てが楽しくなる、そんな情報をお届けしていきます。
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posted by mineyama at : 2022.08.09 | コメント (0件) | トラックバック (0) TweetList