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2022年08月07日

【知能進化を紐解く】脳の発達には順番がある。イヤイヤ期こそが知能進化の最初のターニングポイント!?

このブログでは、幼少期のスキンシップ(肌感覚を磨く)こそが、五感を育み、大人になっていく=知能を発達させていく土台になってきたことを紹介してきましたが、今回は心や体が頭=知能とどのように関係して発達していくのか?少し脳科学的な視点で探っていきたいと思います。

まず、子供の脳はどんな順番で発育していくのか・・・その過程に同化してみると、大人達から見れば??の子供たちの行動も、自然なことのように思えてくるはずです。

以前の記事でも触れましたが、人間は触覚(妊娠7週間)→視覚(妊娠18週間)→聴覚(妊娠20週間)の順番で神経が脳と結びついていくようです。では生後はどのように発達していくのか?
【生後~3ヵ月】
中枢神経の発達(延髄・橋)と呼ばれる中枢神経が発達していきます。お母さんに抱っこを求めるような動作やおっぱいを探し出そうとする様な「原始反射」が発達。(脳の重さ300~400g)
【生後4ヵ月】
中脳の発達。まっすぐ座れたり、物を掴む握るといった運動感覚が養われる
【生後6か月】
大脳皮質における神経が発達。体のバランス=平衡感覚が身につき、自他の区別もつきだし意思表示や人見知りなども始まる
【生後8か月】
シナプスの密度が最大となる。(これはまた別の記事で紹介しようと思います)
【1歳】
・この1年で後頭葉が成長し、五感を担う脳の部分や運動機能が発達。(脳の重さ800g)そして3歳までに生きるために必要な動作を司る部分の発達がピークを迎える。
【3~6歳】
前頭葉が育っていく過程で様々な認知や理解、想像ができるようになり現実と空想の違いも理解し始める(脳の重さ1000~1200g≒大人は1300~1400g)7歳ころまでは記憶や運動能力、自己認識や自制心が発達。

 

注目する点は、脳は動作を司る部分=後ろの部分から成長していく点。
見ることを司る「後頭葉」と、聞くことを司る「側頭葉」。次に体の感覚を認識したり複雑な動作などをする「頭頂葉」。最後にコミュニケーションや社会性や理性を司る「前頭葉」と後ろから前へと発達すること。
※因みに「後頭葉」は0~4歳、「頭頂葉」は3~5歳、「前頭葉」は10~思春期までが発達のピーク。

イヤイヤ期と言われる1~2歳ごろに見られる現象は、身体や心では外部世界を捉え始めているけど、前頭葉が未発達ゆえに現象が頭とはうまくつながらない。当然大人からの反応もうまく受け止められない状態とも言えます。今までは母親に全面的に依存し受容していた状態から、自立しはじめ他者との関係を認識し始める時期。体や心は充足や不全感、快や不快は感じているのにどのように対応したらいいのか?頭で整理することや説明するすべがない状態。

でも、見方を変えればこの時期の子供が取る現象は、未知の現象や気持ちに対して、「どうする?」という探索を初めて頭で考え始めるタイミングでもあるのです(前頭葉が発達し始める点でも)。つまり、体や心で捉えた状況とそこに生じる矛盾を、頭=知能で再統合しようと試みている状態。
※胎児はお腹の中で5億年の進化をたどるという説があるが、生後1~2歳までの間こそ人間が観念機能を獲得した過程をたどっているのかもしれない?と考えると興味深い。

誰だって子供の時は同じです。イヤイヤ期でお悩みのお母さんも多いかもしれませんが、脳の発達には順番があり、この現象こそが知能進化の最初のターニングポイント!?と捉えると子供への接し方も変わってくるのではないでしょうか。(大人のペースで急かしたり、脳の発達順序を無視した教育を行ったりすることの方が子供にとって負担)

1~2歳を過ぎても幼少期の間はどんどん脳が発達していく時期。その過程で子供たちはどのように知能を進化させていくのか?次回も追求を進めたいと思います。

投稿者 tana-ken : 2022年08月07日 List   

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