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2009年08月11日

役に立つ勉強法って?16 池谷裕二~脳が始動(スイッチ)?!~

 引き続き、脳の研究をしている池谷 裕二 氏のインタビュー記事に、「脳が始動(スイッチ) 」があります。

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 脳はどのような状態で良く働くのか?引き続き、紹介します。
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■脳がよく働く時間帯というのは? 

場所の話もそうですが、脳が働く状況を考えるときは、「自分が野生動物だったら」と考えるとわかりやすいのではないでしょうか。たとえばライオンはお腹がすいたら狩りに出ますが、それは決まって朝と夕方。魚が釣れるのも同じ時間帯です。これは動物の行動の真理で、1日の中で集中力や記憶力が最も高まる時間帯なのです。
 また、狩りに出ているということは場所が変わるのでθ波が発生し、さらに集中力、記憶力が高まる状態になります。体を動かす、場所を変えることによって、「集中力や記憶力が高まるモード」になるのです。動物である人間もまったく同じで、仕事に適した時間というのは朝と夕方です。昼食をとったあとは眠くなりますが、動物である以上、これはしかたがないのです。仕事、特に書類を書くなど単調な仕事をはかどらせるためには午前中、あるいは夕方に行うといいと思います。

■最近は会って打ち合わせをする代わりに、メールで済ますことも多くなりました。 

 人間が脳をここまで発達させてきたのは社会性、つまり人と直接コミュニケーションをとるためです。その脳をメールという新しいコミュニケーションに使い回せるのなら、進化といえるのでしょうが、現時点では人と会ってコミュニケーションをとる以外に手段はありません。
 アイデアが生まれるのは、人と話をしているときであり、メールをしているときではありません。一見くだらない話をしているようでも、そういうときにアイデアが生まれるものです。会話も含めて、体を使うことがいかに大事かということです。私が最も強調したいのは、「多くの人が脳のことばかりを気にして、身体性というものをあまりにも忘れている」ということです。机にしがみついてパソコンを操作しているだけでは、脳は活性化しないのです。体が動くことによって、場所が変わることによってθ波は出るのです。脳に刺激を与えるために、鍛えるために、ぜひ歩いたり体を動かす機会を増やしてください。

■まず体を動かすことが、脳にとっても大切なのですね。 

 「自己知覚」という面白い実験があります。(1)マッチ棒を眉間に挟む。(2)ペンをヨコにして歯でくわえる。(3)ペンをタテにして唇だけでくわえる。強制的にこの3つの表情をさせて、同じマンガを読むという実験なのですが、分析すると、(2)のときが一番面白くマンガが読めるという結果が出るのです。それはなぜかというと、(2)は笑ったときの顔になるので、顔が笑っているから楽しいのだと脳が勘違いするのです。そうすると、同じマンガを読んでも面白く感じるというわけです。(1)は、しかめっ面。(3)は沈んだような憂鬱な気分の表情。この2つの状態だと読んだこと、聞いたこと、やっていることも面白く感じないのです。
 つまり「体によって脳は変わる」のです。生物の進化上、脳よりも体の方が先にできています。脳がない生き物はいますが、体のない生き物は存在しませんよね。大切なのは体が先ということです。たとえば、テレビで見るお笑い芸人さんの芸を見てあまり面白くないと思ったことはありませんか?しかし、同じ芸でも寄席やスタジオなどライブで見ている人は大笑いしていたりするじゃないですか。これはなぜかというと、臨場感などいろいろな違いが説明できますが、いちばんの違いは「ライブだと面白くなくてもとりあえず礼儀として笑わなくてはならない」ということ。義理で笑うことにより何が起こるかというと、“芸が本当に面白く感じる”のです。ようするに「顔が笑っている、だから楽しいにちがいない」と脳は判断するのです。笑っていると、それだけでポジティブな気分になるということですね。こんないいことはありませんよね。だから体を“始動(スイッチ)”にするのです。やる気がないときは、やり始めるのが一番というのと同じで、まずは体を動かすことが大切なんです。

★脳を活性化する、刺激を与える、鍛えるために、体を動かしたり、人とコミュニケーションを取ることが有効であると書かれています。

★他の脳科学者は、どのような事を言っているのか?
東北大学教授で脳科学者の川島隆太氏に関する記事を引用させて頂きます。るいネット(長谷川さん)

東北大学教授で脳科学者の川島隆太氏によれば、
>一桁の足し算などの簡単な計算問題を解いているとき、そして本を音読しているときに、左右の前頭前野を含めた脳全体が活性化していることが分かりました。一方、一生懸命に何かを考えているときや、テレビゲームをしているときには、一般的に想像されるほど脳前頭前野は活性化していませんでした。さらに、その後の研究から、すらすらと速く計算したり、速く音読したりするほど、脳がより活性化することも分かっています。

(前頭前野は、「脳の司令塔」とも言われ、人間の感情、行動を制御すると考えられている)

更に調べると、黙読より音読、複雑計算よりも単純計算、皮むき器を使った時より包丁を使った時、メールより手紙の方がより活性化しているようだ。また、特に子供は、母子会話において、脳全体が非常に活性化するということもわかった。
川島氏によれば、様々な調査の結果、脳全体が活性化する3原則は、
1.読み書き計算
2.指で何かをつくる
3.コミュニケーション
である。

★脳が、五感、本能、心(共認)、言葉(観念)を通じて得た情報をコントロールしていると考えれば、脳回路に刺激を与えるているのは、五感、本能、心、言葉では無いでしょうか。それが、上記で書かれているような、ことだと思います。
・本能や共認を充足させる必要がある。体を動かす、場所を変えることによって、「集中力や記憶力が高まるモード」になる。
・人とのコミュニケーションによって脳が活性化する。
・会話、体を使う、体によって脳は変る。体を始動(スイッチ)にする、やる気が出ない時はやりはじめ

 考えてにれば、人と人との直接的なコミュニケーションには、相手の表情や感情を読み、反応を探りつつ会話を進めるなど、さまざまな情報を処理するために、意識しなくても自然に脳を活発に働かせる要素があったと思います。しかし、そうしたことが面倒だからと、メールだけに頼ってしまうと、脳を使う機会が減り機能が衰えていくのだと思います。

投稿者 hoop200 : 2009年08月11日 List   

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コメント

最近の子供たちを見ていると、
>1.読み書き計算
>2.指で何かをつくる
>3.コミュニケーション
この、1,2,3が極端に少なくなっているように感じます。

1は、電卓。2は、出来合いのもの。3は、ゲーム。脳を活性化するどころか、不活性極まりない状況かと思います。

ここは、大人の力で子供たちを導いてあげないと、将来大変なことになりそうですね。

投稿者 hajime : 2009年8月11日 20:18

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