| メイン |

2009年08月10日

役に立つ勉強法って?15 池谷裕二~企画力を高めるには?~

前回に引き続き、脳の研究をしている池谷 裕二 氏のインタビュー記事の続きを紹介します。テーマは「企画力を高めるには?」です。脳の機能から、アイデアを思いつく仕組みを分析し、その状況を意図的に作り出す手法についての話で、とても役に立つと思うので紹介したいと思います。ただ、下記の文章は池谷氏の文章を参考にさせて頂きながら、なんでや的な所見を交えていますので、原文は上記のリンクよりお読み下さい。

では、本編に進む前に応援クリックをお願いします。

 

 にほんブログ村 子育てブログへ

(1)「思いつき」は脳に任せる

面白いのは、「思いつき」というのは、自分の意思ではなく、脳が勝手にやってくれるということ。だからアイデアを出すには“待つことしかない”ということ。

確かに自分の頭の中にあること以上の内容は思いつきようがないので、そこから出てくるアイデアを待つしかないですよね。よく、アイデアが思いつかないことに悩んでしまうと、頭の中は「良いアイデアはないか?」という事ではなく、「何も思いつかない、どうしよう・・・?」ということで一杯になってしまう人がいると思います。(ちなみに私もそうです。)これでは、自分の悩みに頭を使ってしまっているので、アイデアなんて出てこないですよね。これでは、脳が自然とアイデアを出してくれるのを妨げてしまっています。重要なのは「待つ」ことなのですね。

また、そのためには、「その前提となる知識をいかに蓄えているか」がもちろん重要となります。だから、企画の際は、

1.企画の背景となる周辺情報をとことん収集する。

2.その状況にとことん同化する。

3.思いつくのを待つ。

という事が重要です。

(2)思いついたアイデアを肯定視し、可能性を探る

実際、待っている中で、いくつものアイデアが思いつくと思います。ここで重要なのが、どれだけ多くの候補を出せるかです。ここで多くのアイデアが出せれば、そこから一番可能性のありそうなアイデアを選ぶことで、良い企画を作ることができます。

しかし、中には、いくつアイデアを思いついても、全てボツにして、いくら考えてもいいアイデアに落着しない人がいると思います。(ちなみに私もそうです。)ここで重要なのは、出てきたアイデアは、全て一旦肯定視することです。ダメなアイデアは否定してしまえばそれまでですが肯定することでそれは、新しいアイデアを考えるための材料になります。「このアイデアはだめだから、逆の方向に可能性があるのではないか?」という感じです。このとき、このダメだったアイデアは、(1)の「前提となる知識」の一つになり、「思いつき」の幅が広がります。あとは、そうやって次々とアイデアを貯めて、その中から最も可能性のあるアイデアを選択すれば良いのです。ダメなアイデアは、最終的には捨てることになりますが、アイデアは否定するのではなく肯定してさらなる思考の材料にすること、そして選択することが重要です。

(3)たくさんのアイデアを出すには

脳波の一つにθ波という脳波があります。学習などで難解な問題を解いたりする際に発せられる脳波です。θ波が出ると「情報の吸収力」が高まるため、思いつきも高まります。そして、どんなときにθ波が出るかというと、例えば歩いているときです。他にも自転車に乗ったり、電車に乗ったりと、場所などの環境の変化が発生する場合です。

図はこちらより拝借。

これは私たち人間の祖先が野生のとき、生きるために獲物や食料がどこで獲れたかを確実に覚える必要があったことに関係すると考えられているようです。ちなみに、何も考えずに歩いても思いつきません。重要なのは「考え続けていること」です。とすると、「思いつき」というのは、もともと人類が「外圧」に適応するために必要だった機能だったと言えるので、これを利用すれば、「思いつき」を促す構造が見えてきそうです。

・企画の外圧を捉え、その外圧に答えを出すために考え続ける。
・脳に擬似的な外圧(環境)の変化を与え、活性化させる。

(4)まとめ
脳の構造を理解して、それをとことん利用することで企画力を高めることが可能です。

1.企画の背景となる周辺情報をとことん収集する(外圧を捉える)。

2.その状況にとことん同化して考え続ける。

3.脳に擬似的な外圧変化を与え、「思いつき」を促す(歩いたりして環境を変化させてθ波を出す)。

4.思いついたアイデアを肯定視し、どんどんアイデアを出す。

5.出てきたアイデアから可能性のありそうなアイデアを選択する。

ちなみに、るいネットにこんな投稿もありますので、参考に紹介しておきます。
「わかる」という構造

投稿者 mkkzms : 2009年08月10日 List   

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://web.kansya.jp.net/blog/2009/08/881.html/trackback

コメント

出てきたアイデアは一旦、全て肯定視する。
その状況にとことん同化して考え続ける。

なるほどです☆

企画力に限らず、いろんなところに使えそうな認識ですね☆

投稿者 オレンジ : 2009年8月11日 02:13

>オレンジさん

ありがとうございます。私も最近試してみて、けっこううまくいっています。ぜひいろんなところで使ってみて下さい。

投稿者 mkkzms : 2009年8月11日 19:56

結構実感とも合いますよね。

私もしょっちゅう行き詰っています。でも、ちょっと横になったときとか、電車の中とかでフッと浮かんだり。

結局は、時が解決してくれます。

でも、その前にいろんな情報に貪欲になること。これが必要なんですね。

投稿者 hajime : 2009年8月11日 20:02

コメントしてください