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2007年05月19日

密室家庭の変遷④ 1980年代 「個的生活」

1970年代の密室化は、’80年代に加速されていく。

マイホーム主義といった家族単位からさらに個室といった個人単位に分断化されてしまった時代でもあります。

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家庭に関する流行語を集めてみるとリンク

1986 家庭内離婚、亭主元気で留守がいい
1988 カイワレ族
1989 濡れ落葉

・“亭主元気で留守がいい”や“濡れ落ち葉”に代表されるように父権(父親の権威)は、ガタ落ち
母親は子供への収束度を高めていく

・家族単位の消費は、個人単位の消費へとどんどん加速する。
一家に一台のテレビは、一室に1台へと普及。
ファミコンが登場し、一気に普及しだしたのもこの時期。

・受験戦争の過熱も相まって、
増築するとすれば、父親の書斎より子供部屋が優先される。

個室という全く圧力のかからない空間を生み出した。

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“カイワレ族”今となっては、あまり聞かない言葉であるが、
『完全な管理のもとに育てられるカイワレ野菜は、中学生、高校生の姿そのものという指摘は社会に大きな反響を巻き起こした。』
家庭や個室と言った無圧力空間の中で育てられていたことも起因するのではないかと思う。

そして、この時代の象徴!?

そう、“オタク”の登場。
(オタク:以前の投稿リンクを参照して下さい。)

特徴としては、自分の好きなことに没頭(時間とお金を費やすことが)出来る。

社会背景として、
1970年貧困の消滅からわずか十数年。
1987年の調査では国民の約9割が中流意識を感じるまでになったリンク
それだけ、“みんな”が豊かさを感じていた。

そして、周りを遮断し逃げ込める空間=個室=が子供に与えられるようにもなった。
そこでは、圧力に晒されることなく過ごす事が出来る。

豊かさ追求は、みんなの課題でもあった。それが、実現されると次なる課題・目標を見失い、
無圧力空間の中で、自我(自分観念)や妄想(空想)を肥大化させていく。

次の時代のフリーター、ニートそして引きこもりを生み出す要因(下地)になっていたのかもしれない。

投稿者 sodan : 2007年05月19日 List   

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コメント

個室化といえば、最近の住宅には「お父さんの書斎付き」がそこそこ注目を集めてます。

これって、父親世代の個室収束がさらに強まって、ついに親まで引きこもり、なんて傾向を示唆してるんでしょうか??

家庭に役割(居場所)を求める父親が増えている感じ、しないでもないですよね。

これって、どーなの?

投稿者 かわい : 2007年5月21日 13:00

コメント、ありがとうございます。

確かに、個室収束世代が親になって・・と時代的には合いますね。

私も、この時代の父権の喪失(さすがに流行語にはならなかったけれど、家庭でお父さんのことを“粗大ゴミ”とまで呼ばれていたりしていた。)・・を書きながら、
「あれ、今って“子育てパパ”が話題にもなり、父親が家庭でかかせない存在になっていない!?この当時と扱われ方が全く違う!」
などと思いつつ

『お父さんの変遷』で一記事書けるのではないかと考えたりしていました。

投稿者 sodan : 2007年5月22日 23:46

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