1970年代の密室化は、’80年代に加速されていく。
マイホーム主義といった家族単位からさらに個室といった個人単位に分断化されてしまった時代でもあります。
家庭に関する流行語を集めてみるとリンク [1]
1986 家庭内離婚、亭主元気で留守がいい
1988 カイワレ族
1989 濡れ落葉
・“亭主元気で留守がいい”や“濡れ落ち葉”に代表されるように父権(父親の権威)は、ガタ落ち。
母親は子供への収束度を高めていく。
・家族単位の消費は、個人単位の消費へとどんどん加速する。
一家に一台のテレビは、一室に1台へと普及。
ファミコンが登場し、一気に普及しだしたのもこの時期。
・受験戦争の過熱も相まって、
増築するとすれば、父親の書斎より子供部屋が優先される。
個室という全く圧力のかからない空間を生み出した。
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“カイワレ族”今となっては、あまり聞かない言葉であるが、
『完全な管理のもとに育てられるカイワレ野菜は、中学生、高校生の姿そのものという指摘は社会に大きな反響を巻き起こした。』
家庭や個室と言った無圧力空間の中で育てられていたことも起因するのではないかと思う。
そして、この時代の象徴!?
そう、“オタク”の登場。
(オタク:以前の投稿リンク [2]を参照して下さい。)
特徴としては、自分の好きなことに没頭(時間とお金を費やすことが)出来る。
社会背景として、
1970年貧困の消滅からわずか十数年。
1987年の調査では国民の約9割が中流意識を感じるまでになったリンク [3]。
それだけ、“みんな”が豊かさを感じていた。
そして、周りを遮断し逃げ込める空間=個室=が子供に与えられるようにもなった。
そこでは、圧力に晒されることなく過ごす事が出来る。
豊かさ追求は、みんなの課題でもあった。それが、実現されると次なる課題・目標を見失い、
無圧力空間の中で、自我(自分観念)や妄想(空想)を肥大化させていく。
次の時代のフリーター、ニートそして引きこもりを生み出す要因(下地)になっていたのかもしれない。