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2021年10月13日

【集団再生のカギを探る】江戸時代の子育てに学ぶ③~江戸時代は、生産単位(職場)が家族~

江戸時代の子育てに学ぶシリーズ③をお届けします。

今回は、「家族」という単位の在り方についてです。本ブログでも追求してきた通り、現代の家族と言えば、核家族がその多くを占めています。これまでの記事では、その核家族における問題事象を明らかにしてきました。
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家族という単位に可能性はないのか。今回は、【江戸時代の家族の在り方】に学び、可能性を見出していきます。
江戸時代では、何が大切にされたのか。そして、どうやって子育てをしていたのでしょうか。

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■血縁関係には執着しない。職場のみんなが大家族。

江戸時代では、田畑の主要な仕事は「村」単位で行われ、家屋の建設や修繕も村単位。また、子育ても教育も村が基本単位で行われていました。「村」としての一体感や帰属意識は高く、子どもは村みんなの子どもという意識です。江戸時代においては、血縁関係ではなく生産単位の関係が重要であったことを、下記の記事から紹介します。

「家族」と「住宅」という考え方の変遷①~江戸時代に見る、自在な生活形態~(るいネット)から引用します。

表店の商人層の町屋に居住していたのは、血縁家族に限らなかった。一方、郊外や他の城下町では奉公人はほとんどいなかった。世帯の概念は、血縁関係のある家族というのとだいぶ違う。ちなみに奉公人の出自は、実は地方ではなくて、同じ町の縁のある商家であることが多かったらしい。~中略~

建築の観点から興味深いのは、奉公人のうち営業使用人のいる「店」と、家事使用人のいる「奥」とは、「互いに通路することを禁ぜり」(鴻池家)と空間的に分離されていた点である。建築類型も、町家では、表通りから格子、土間、店、玄関間、奥座敷、裏庭、と公私とが緩やかに配分を変えながら繋がり、主人や奉公人もそうした場毎の特性を踏まえてうまく住みこなしていた。といまの核家族用の内と外で分離、という住宅とはだいぶ違う。

○江戸・幕末・明治初期の人口構成と大都市の少子化
裏店の長屋には、仲士、日雇、手伝いといった都市生活サービスを担う人びとが暮らし、その世帯構成は、単身者、シングルマザー、夫婦のみ、孤児など多様だった。江戸(1722年)の庶民の人口構成は女性100に対して男性184と、単身男性が相当数含まれる。江戸幕府は社会保障を担うものではないので、相互扶助も自ずから行われた。高齢の母と二人暮らしの娘が、働きにでるときに母の面倒を隣人と家主に依頼したという記録も残っている。

社会扶助において、家請人の役目も大きい。店子に対しては、身元保証のみならず、婚姻の仲立ち、喧嘩の仲裁、仕事の斡旋なども行ったという。勤勉な孤児らには、町方に働きかけて町番などの自治の仕事(夜勤)を回してもらい、生計の足しにしていた。

引用終わり

 

江戸時代の家族の在り方で注目すべき点は2点です。
1点目は、長屋に住まう世帯構成は、生産単位(表店=職場)が基本であり、血縁関係に限らず多様だったこと。これは、血縁関係を基本とする核家族とは随分と異なる構成であり、生産現場と生活空間が緩やかにつながった住まいであったこと。現代は生産と生活の場が分離。

2点目は、相互扶助、婚姻の仲立ち、喧嘩の仲裁、仕事の斡旋等々に見られるように、隣近所・他者に対して家庭が開かれており、多くの人が相互に関わっていたこと。おそらく、子育てに対しても、母親に加え、祖父母、親戚、近所の人々など、多くの人が関わっていたと考えられます。子育ても常に開かれており、子どもたちはみんなに大切にされ、おおらかな充足感が漂っていました。

つい最近、るいネットでも投稿がありました。江戸時代の子育てに学ぶ。父・母・祖父母・親戚・近所の役割は。

江戸時代に学ぶシリーズでは、家庭・子育てどうする?に多くのヒントが得られたと思います。次回からはもっと歴史を遡って、1万年以上続いた縄文時代の集団・子育ての在り様に学んでいきます。

投稿者 oguma : 2021年10月13日 List   

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