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2019年05月24日
ホームスクールの始め方
義務教育だから小学校には絶対行かなければいけない。
少なくとも、不登校などやむを得ない場合を除き学校には行くものと思っている人がほとんどでしょう。
しかし子供に義務はなく、親には教育を受けさせる義務はあものの、学校の教育に限定されているわけではありません。他の教育手段、自分たちで教えるという方法もありなのです。
今回は親が自ら教育するホームスクールについて、その実践例を紹介します。
以下(https://medium.com/homeschooljp/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%81%AE%E5%A7%8B%E3%82%81%E6%96%B9-%E6%89%8B%E7%B6%9A%E3%81%8D%E7%B7%A8-8c504082770e)より引用します。
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1.【2016年 夏ごろ】ホームスクールに決めた。
家族内で議論が進み、ホームスクールで教育を行うことを決めました。そこで問題となってくるのが、学校の法律上の手続き。教育委員会に電話で問い合わせて見たところ、端的に言えば「正直私達は一般的なことしか言えないので、個別に学校の先生と相談して決めてください」といった対応です。教育委員会の「就学課」が窓口でした。
「10月頃に就学証明が自宅に届き、これと同時に在籍予定校へ名簿が行く。それ以降に校長と連絡を取るように」と指示もありましたので、「まぁ、10月まで待つか」といった感じになりました。その間、私達も知識が足りないと思い、インターネットや本などでなんとなくリサーチをしつつ時を待ちました。
2.【10月】教育委員会に電話で問い合わせ。
10月手前、「そろそろ小学校の就学通知が来るかな?」というタイミングで教育委員会に再度電話してみました。当然ながら違法性があった場合、元も子もありません。
ただここまでに調べた結果、幸か不幸か日本にはホームスクールが制度として「存在しない」ということがわかっていました。今の日本の法律に「ホームスクールはやっていい」とも「いけません」とも書かれていません。つまり、違法ではありませんし、推奨もされていません。
一方で「不登校」という形で「学校に行かずに勉強をすすめる」といったことはケースとしては今もあるわけで、そういった家庭にもちろん違法性はありません。単純に、日本の教育においてホームスクール自体の認知が「ない」のです。つまり、国民は今まで「学校に行くこと」があたりまえのこと他の選択肢には目を向けてこなかったわけですね。
「え、そうなの?」と思うかもしれませんが、実は公立の学校でランドセルの購入も任意です。筆箱もしかくのパカパカするやつでないといけないなんて決まりはありません。どれも「あたりまえ」という思い込みの産物ですね…。
唯一のボーダーラインは「本人がホームスクールを望んでいる(もしくは学校に行きたくないと行っている)」というところで、本人が「行きたくない」なら、別に行かせる必要はなく、全くもって義務教育違反では無いのです。
ちなみに就学義務は日本国籍の子に限ったことで、外国籍を持っている子どもには就学義務が発生しないケースがあるのだとか。そういう子は学校からも特にうるさいことは言われずに、「ホームスクールです」の一言で義務教育の議論は取り除けると聞きました。
さて、前置きが長くなりましたが、そんなことを頭に入れながら教育委員会に再度電話をかけました。
「どうやったら出来ますか?」「届け出とかはいりますか?」結論としては、ホームスクーリングを行う上では所定の届け出などは必要ありませんでした。家庭での指導案も(もちろんあるにこしたことはないが)提出の義務はありません。つまり、やろうと思えばいつでもやれるのです。
前回同様「学籍を置く学校の校長先生と面会してホームスクーリングを希望している旨を伝えてください」とのことでした。ということで、すぐに学校に電話させていただきまして、「来年度学校に入る学齢の親ですが、ホームスクールを考えておりまして」とお伝えしました。
幸いとても理解のある副校長先生が対応してくれて、名前と連絡先を教えてくださいと言われました。まだ手元に就学通知がなかったので、先方も名簿は持っていないようで、通知が届いた時点でこちらから連絡、校長先生と面会の流れになりました。
3.【11月】校長面談①(ホームスクールって何?なんで?といったことについて色々聞かれる。)
前回問い合わせた際に、「とりあえず面談しましょう」というお話になっていましたので妻と休みを合わせて小学校に行ってきました。
ここから何回か校長先生との面談が続きますが、「今後うまく学校とやり取りをしていく上で校長先生との面談は絶対必要」ということは実感しています。教育委員会からも、「地域にすんでいる子どもの教育面での管理は校長が担う」と言われましたので、校長先生といかにコミュニケーションを上手く取るかがホームスクールを円滑に進めていく上で本当に重要になります。
初回のスタンスとしては「家庭の話を聞く」でした。
学校について、インターホンを鳴らしました。「校長先生とホームスクーリングの件についてお話しする約束がある」と伝えましたら、若手の丁寧な先生が校長室まで案内してくれました。
部屋では校長先生と改めてご挨拶。電話ではありがとうございました~、とかそういった感じです。先生とは対面ではなく直角?斜め?に座るような形で、なんでも「正面よりもこちらの方が話やすいと思いまして」ととてもお気遣いいただいている様子でした。
そこで早速「まず、今日の目的はお父さん、お母さんの意気込みというかホームスクーリングをやろうと思ったきっかけを教えていただくことなので、よければ教えていただけますか?」といわれました。そこでお伝えしたこと。
長男は何かを強制的にやらされることに極端にアレルギーを示すこと。それが時に身体的な反応に出ること。(運動会が嫌すぎて連日夜中に吐く。学芸会でいわゆる子どもらしいかわいい演劇をやることを拒み、強制されると鬱々としてしまう。「みんな一緒に、いっせーの…」が苦手。マイペース。etc…)
本への興味が強く暇さえあれば本を読んでいること。(すでに2年生くらいのレベルの語彙力・読解力と簡単な漢字の認識ができます。)そういった時間をできるだけ多く確保すること(1日中、本を読み漁るなど)が、彼にとっての当面のメリットになると思っていること。就学の話を自宅でするときに、あくまでもニュートラルに「小学校以外の選択肢もあること」を伝え、本人が賛同しているということ。
特段、友達が作れない、引きこもりがち、とかそういったことではなく大人数の中で自分の意見を主張することが拒まれる(空気を読まされる)環境でストレスを感じること。
校長先生は終始傾聴の姿勢で、熱心に話を聞いてくれました。おそらく、今後の流れをスムーズにする大事なポイントとして話をしているうえで感じたポイントがあるのでこちらもお伝えしておきます。
当然ですが、ホームスクールを始めるのであればきちんとした理由(子ども本人が学校ではない場所に教育の場を求めている)はもちろん、親の教育観とホームスクールの実現性を説明できることは必須です。
アンチ学校でないことは伝えるべきです。「学校がNG」なのではなく「ホームスクーリングが子どもにとってよりよい選択である」と思うからやるんです。というスタンス。あくまでも学校とは否が応でも連携していくことになりますので敵対視?する必要は全くありません。
子どもの自発的な意思を尊重しているということ。うちは長男の口から出た言葉「僕は好きな時に自分の好きなことをしたい。好きな時に本を読みたい。」を尊重しています。また、仮にホームスクーリングを行っているうえで、「学校に行ってみたい」という意思が生まれればその時は学校に行かせるつもりですので、そこもきちんと伝えました。
※ここはとても重要です。「本人のおっしゃった言葉のまま教えていただけますか?」と聞かれ、先生もそれをメモに取られていました。義務教育では子どもの意思を尊重した上で教育を行えば違反にはなりませんので、こういった「子どもの言葉」はとても重要になるのだと思います。
他の選択肢もきちんと検討しており、オルタナティブ教育に関する知識、義務教育に関する知識をきちんと持っていることを伝える。うちの近隣には、モンテッソーリ、シュタイナーがあります。いずれも特定の教育スタイルを貫き、「学校」として認可されていない校舎となりますが、こういった機関のリサーチもし、また少人数制を実施している近隣の公立学校も検討したことを伝えました。
集団活動でのコミュニケーション力の育成についてもきちんと考えていること。現在長男は習い事で空手に通っています。就学したらボーイスカウトに入れようと考えていることをお伝えしました。
先生が柔和な方だったということが何より大きいのですが、基本的にはホームスクールと扱いが同じであろうモンテッソーリ小学校に就学している子どもの受け入れの実績があったことには少し背中を押されました。
意外だったのは「教育現場にいる方でもオルタナティブ教育に関しての認知度は現場でもそこまで高くない」ということ。これは否定的な意味ではなく教育の一線にいる方も知らない、というのが「ホームスクール」なのだと受け止めました。先生も「ホームスクールについてはまだ知識が浅く、どういったものか勉強しつつ今後進めていきたい」とおっしゃっており、この新しい選択肢について今後の共有が大切になってくると思いました。
ホームスクールを知らないから「日本の教育は悪い」のではなく、今後日本各地でホームスクーリングの選択をする人が増えてくることで徐々に浸透させていくべきものだと思います。頑張りたいですね!
日本でのホームスクール、当面は親と先生のタッグで成り立っていくものだと思います。この場を借りて「よろしくお願いします!」と伝えたいです。
4.【11月】授業参観の見学に招待されたので行ってみた。
1回目の面談の際、「ぜひよかったら」とのことで授業参観に招待されました。
特に断る理由もなく、「ちゃんと学校も見た上での判断」というところを示したかったので行ってみました。
通常の授業参観にふらっと参加。各クラスの授業を見たり、構内を回ったりと色々しました。また、「本が好き」ということを伝えてあったので、閉鎖している図書館もわざわざ開けていただいて、校長先生と長男も少しお話しました。先生は長男の様子を見つていましたが、とくに問題もなく終了しました。
帰り道、長男に「どうだった?」と聞いたら「つまんなかった」と一蹴。(笑)そんな感じの2時間でした。
5.【11月】集団の健康診断に行ってきた。
就学通知が来ますと、一緒に集団の健康診断の案内が来ます。同じ学年の子と親が一度に集い、簡単な健康診断(視力チェックやコミュニケーション力も見る)を行います。
通常の入学をする家庭は、これが初めての学校に入る機会となるはずなのですが我が家はすでに3回目の入校。
体育館に案内され、子どもたちだけ連れて行かれます。親は1時間パイプ椅子で待機です。特にイベントなどはありませんでした。(すごく寒かった。)
順当に検査を受けて、子どもが戻ってきて帰りました。
あの検査にどんな意味があったのかは正直わかりませんが(身長体重、視力などは各々報告でも良いはず…)とりあえず「つまらなかった」ようです。(笑)
私も寒かった…。
6. 【12月】校長面談②(学校に来たほうがいい理由を沢山伝えてくれた。)
11月初旬の一回目の面談に続き、健康診断、授業参観見学からの面談です。2か月で4回。結構頑張っています。
毎回新たな発見や気づきがあります。足を運び、現場を見るということはいいことですよ!
くどいですが、我が家の基本方針は学校と「協力体制」を築いていくこと。正直、ホームスクーリングって「学校と絶対かかわらないぜ」っていうものじゃないと思います。
ということで今回も子ども中心を心に、面談に臨みました。
「どのようにしたら長男にとってベストな選択になるか」
幸い、長男が籍を置く予定の学校の校長先生は大変理解がある方です。
1回目の面談やこちらの意向を受け、教育委員会や指導主事と相談をしていただいたようでした。
そういった方々の意見を踏まえ、さらに長男とも面会したうえで「何がベストか」という意見を校長先生から聞く、というのが2回目の流れでした。
結論からいうと、校長先生的には「学校には来た方がよい。」という話になりました。(そりゃそうですね。)
学校の言う「学校に来た方がいい理由」
これから面談!という方のために学校のいう「学校に来たほうが良い理由」と面談内容をそのまま列記します。
①ホームスクーリングではやはり集団活動がしにくいというデメリットがある。
→その通りです。ですので外の活動(我が家は空手とボーイスカウト)や日々の地域活動への積極的な参加を親も含めて行っていきます。
②先日図書室を案内したとき、(初回に本が好きだということを伝えていたので、授業見学をさせていただいた際に図書室を案内していただいた。)興味のある話のときは入ってきて、自分の話をし終えたらまた読書に戻った。今は未習なのでそういったマナーの点は仕方ないが、「興味があることだけに取り組ませる」という姿勢は場合によっては子どもにとってマイナスに働く恐れがある。
→興味があることだけに取り組ませようとはしておらず、その時々の本人のペースに合わせて学習をしたいと思っています。読書のくだりも、たぶん6歳児としては自然なことだと思います。
③校長室に来た時も、真っ先にソファーに座った。これも未習なので徐々についていく力で、今問題視する必要はないが、社会での立場や礼儀は集団生活で身につくものである。
→おっしゃるように今は6歳で部屋に入るときや座るときの許可や「失礼します」の一言など未習なので、今後学んでいくと思います。集団生活で身につくというよりは、礼儀に関しては家庭教育が重要だと思います。(学校という機関で必ずしも礼儀が備わるとは限らず、理由としては弱いです。)
④他者とのコミュニケーション、信頼できる仲間は学校のほうが作りやすい
→コミュニケーションの幅でいえば学校の外の方が大いにあります。ただ、仲間が作りやすい、といった点では学校は優位な環境にあると思います。
⑤学校は縦割り活動に力を入れており、そういった異年齢のつながりなどの社会性に自信があるのでぜひこういった活動には参加したほうがプラスである。
→ホームスクールでもコープシステムなど、ホームスクーラー同士の集まりをはじめ、いろいろな地域活動にも積極的に参加していくので異年齢との交流はむしろ増えます。
⑥地域活動に力を入れていて、近くの私設の大きな公園や「なし園」などがあり課外活動を積極的に行っている。これはホームスクーリングでは難しい。
→確かにそうですが、単発でそういった施設に行っても個人の興味の有無や知識体験の定着といった意味ではあまり意味がないと思います。」
読まれて感じることだと思いますが、学校としても絶大なメリットは提示していません。(そして心なしか、それをおっしゃっていた校長先生も、理想通りできるのならホームスクールの方が自由度が高く、学校教育には制限がある、と考えているように私には思えました。)
学校でできることは(親の努力によりますが)ほとんどホームスクーリングでもできますし、やはり大人数教育と個別教育では1つ1つの活動の質が違いすぎます。
私たち夫婦が「どうしても公教育には限界があります。」ということを言うと、校長先生自身もうなずいて「学校の価値とは何だろう?と改めて考えました。いい機会になりました。」と笑顔でおっしゃっていました。
誤解していただきたくないのが、この先生と私たちの議論には勝ったも負けたもないこと。事実として、学校教育のメリットはホームスクールのメリットの前ではかすんでしまうということがわかるだけです。
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実際の学校とのやり取りを見ると、小学校に行くことは絶対ではないこと、「みんな行くもの」と思い込んでいて、それ以外の教育の方法を誰もなにも考えていなかっただけなのが分かります。
見方を変えれば、私たちが子供の教育について真剣に考え、どうする?を追求していけば、学校以外の可能性が大きく開けているのだといえるでしょう。
ホームスクール、オルタナティブ教育、塾・・・教育を変えていくチャンスは私たちの手に委ねられているのです。
投稿者 hoiku : 2019年05月24日 TweetList
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