| メイン |

2022年11月23日

【子ども達の意識】関係世界がせまいのはなんで?

グループで話をしていくと、「子ども達の関係世界がせまい」という意見が多くでてきました。学校の友達関係が対象の全てになると、途端に息苦しくなりストレスを感じる。そもそも、昔のような農業中心の共同生活が崩壊しているので各家庭でバラバラの環境で育った子どもたちが、ただ集まってもうまく関係がつくれるわけがなく、出来たとしても上辺だけの関係でしょう。学校でも授業を一緒に受けるだけで、共通の課題をチームで実践するような体験は稀。さらにコロナ禍が追い打ちを掛け、個人個人に分断しています。

 

文部科学省の分科会では、「子どもの育ちの現状」について、以下のように記載されています。地域社会の教育力の低下、家庭の教育力の低下が主な原因と分析されており、確かにと頷くことばかりです。

■子どもの育ちの現状 (リンク:文部科学省分科会より)

・近年の幼児の育ちについては,基本的な生活習慣や態度が身についていない他者とのかかわりが苦手自制心や耐性規範意識が十分に育っていない運動能力が低下しているなどの課題が指摘されている。

 また,小学校1年生などのクラスにおいて,学習に集中できない教員の話が聞けずに授業が成立しないなど学級がうまく機能しない状況が見られる。

 加えて,近年の子どもたちは,多くの情報に囲まれた環境にいるため,世の中についての知識は増えているものの,その知識は断片的で受け身的なものが多く,学びに対する意欲や関心が低いとの指摘がある。

 

そもそも、地域、家庭の教育力が低下したのはなんで?と考えると、「共同体の解体」が大きな転換点であることが分かります。

 にほんブログ村 子育てブログへ

集団のなかで育つことや、他者との関わりのなかで規範や自制心、充足を育むことが、人類にとって不可欠であることを認識すべき時期ではないでしょうか。

類人猿のなかでもっとも授乳期間の長いオラウータンは7年。その間に、母子密着による密着充足を高め快の感覚を高めています。人類は、足が先祖返りしたオラウータンであり、生存確率がほぼゼロにも関わらず奇跡的に生き延びた種。想像を絶する過酷な環境において生き延びるための危機多産の本能との両立を成し遂げる必要がありました。

授乳期間を短縮してもなお、密着充足や快の感覚、知能進化を成し遂げたのは、母親のみの保育から、集団で保育する「共同保育」にしたからです。

参考)縄文時代の「共同養育」に学ぶ。人類は共同で保育するようにできている

自分の子どもを仲間に預けられるまでに集団が強固に一体化しており、自分=みんな、という集団意識こそが類人猿から人類への飛躍を可能にしたと考えられるのです。自分だけの充足から、みんなの対象が広がるほど充足対象は無限に増えていく、それだけ一体化や充足に貪欲であることが本来の人類です。

今は、自分へのベクトルが強固に働いており人類本来の能力を活かせていません。関係世界がせまく、無表情で活力のない子どもたちを解き放ちたい、もっと元気で活力あふれる子どもを増やしたい。

地域コミュニティーを再生する動きが各地でみられるようになりましたが、まずは自分達が「共同体の再生」に向けて何ができるかを考えていく必要があると感じています。

引き続き追求していきます。お楽しみに。

投稿者 sai-nao : 2022年11月23日 List   

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://web.kansya.jp.net/blog/2022/11/9568.html/trackback

コメントしてください