新しい学校3 軽井沢風越学園~大人も一緒に成長する |
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2020年06月25日
子どもの遅刻は家庭の責任? 〜毎日遅刻する子が、きちんと登校できるようになる話〜
こんな先生に当たると子供も親もラッキーだなあ~、と思います・・・
https://teachers-job.com/chikoku/
より引用します。
学校の言い分
「子どもの遅刻は学校では面倒を見れない!家庭の責任です!」
と言う先生は多いです。
確かに、先生は子どもを起こすことはできません。
(「朝迎えに行くのは、他の子を見る時間が減るから禁止」という地域もあります。)
毎日遅刻するAくん
このことを考えるために、数年前に担任した「Aくん」の話をしたいと思います。
Aくんは夜になっても遊んだり、布団に入っても寝ないため、朝が起きれない子でした。
おしゃべりも多く、衝動的な行動が多い面がありました。
それまでの担任は、毎日遅刻するので、担任から母親に「朝ちゃんと起こしてください!」と毎年連絡をしていたそうです。
私も「遅刻があったら、しっかり母親に電話して」と引き継ぎを受けました。
4月にAくんを見ると確かに眠そうでした。頭にしっかり寝癖もついてます。
外遊びの時は元気だが、授業中は常に眠そうな目で、ダルそうです。
なのでAくんとお話をしました。
私「昨日は何時に寝たの?」
Aくん「わかんない、たぶん1時ぐらい」
私「早く寝たい?」
Aくん「なんか眠れない」
その後、授業参観の後に、Aくんのお母さんに話しかけられました。
(当時の学校は、4月すぐに授業参観がありました。)
Aくん母「うちの子大丈夫ですか?ご迷惑かけてませんか?」
私「毎日頑張ってますよ(^^)」
Aくん母「うちの子は、ほんとできなくて・・・何度言っても全然ダメで・・・」
私は、この時点でAくんへの対応を決めました。
みなさんなら、Aくんにどう対応しますか?(^ ^)
◆私の対応
私が決めたのは、
Aくん母に遅刻の話をしない
という対応です。
この時点で、Aくん母はとても苦しんでいると感じました。
我が子は注意しても眠らない
日々学校からも電話がくる
他のお母さんの目もある
など、「どうにかしたいけど、どうすることもできない」という状況に陥っていました。
だから、私に先に声をかけて、予防線をはったのだと思います。
そしてAくんは、学校で叱られ、家でもお母さんから叱られ、ストレスだらけの環境でした。また、衝動性が強い子の特徴で、ネガティブな記憶が強く残りやすい、という面もありました。
その結果、布団に入っても、ネガティブな記憶のせいで寝付けなかった、と想定しました。
(何事もやりすぎはよくないですね)
だから、Aくんとお母さんには、余計なストレスを与えず、穏やかに過ごすことで睡眠環境を整えることにしました。
お母さんと話す時は、Aくんの頑張っているところだけを伝えました(^ ^)
遅刻も授業中の態度も、言いません。
放課後に電話もしません。
前年の担任に「電話した?」と聞かれたら、
「しましたけど、変わらないですね〜」
と嘘をつきました(笑)
◆徐々に変化が・・・
そんな様子で1ヶ月ぐらいすると、Aくんがいつもより5分早く来ました。
(それでも10分遅刻でしたが笑)
私は
「早く来れたね!頑張ったね(^ ^)」
と褒め、
「明日は何時にこれるかな?」
と聞くと、
Aくん「明日は、多分間に合う!」
と言いました。
(次の日も遅刻でしたが、10分遅刻で済みました。)
その後も遅刻は続きましたが、少しずつ来るのは早くなっていきました。
夏休みに入る前は、5分遅刻
秋の運動会の前後はギリギリ門を通れるようになりました。
その度、Aくんを褒め、Aくん母に会うたび成長を報告しました。
12月になる頃には、遅刻はなくなり、その後、朝早く登校することも増えました。
そして、無事進級していきました。
◆私の思い
私のこの対応については、色々ご意見はあることかと思います。
それでも「遅刻する子が遅刻をしなくなった」という事実は残せたと思っています。
「12月までかかってるじゃん!」と思う人もいるかもしれません(^ ^)
でも「何年も続いた遅刻癖が、8ヶ月で治った」と考えたらどうでしょう?
子どもは、成長途中の未熟な存在で、変わるには、数ヶ月〜数年かかります。
困難を抱えた子ならなおさらです。
「すぐ変わるもの」と思うと、イライラして子供に怒ってしまうことになります。
「怒る」のは、即効性はありますが、持続性と副作用もあります。
なので、褒めて変わるなら、時間がかかっても良いと思います。
「急がば回れ」の精神が大事です(^ ^)
子どもの遅刻は家庭の責任?
さて、話はタイトルに戻りますが、子どもの遅刻は家庭の責任でしょうか?
家庭?
教師?
子ども?
私は誰の責任でもないと思います。
人は自分のできる最善を尽くそうとするだけです。
それでも悪い人がいるならば、誰かに責任を求め、解決を諦めた人だと思います。
人にはできること、できないことがあります。
しかし、教師の仕事は「子どもを成長させる」ことです。
責任者を探すのではなく、子どもを成長させる方法を考え続けましょう!
以上です!
投稿者 hoiku : 2020年06月25日 TweetList
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