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2018年06月15日

子供は群れで育てる~家庭という密室での子育てが幼児虐待の温床になっている

育児放棄や幼児虐待のニュースを聞くたびにいたたまれない気持ちになります。事件のたびに親や社会の問題、児童相談所は何をしていたんだ・・・などの議論が起こりますが一向に解決する気配はありません。

ここまでくると個人や社会といった次元ではない、根本的なところに問題があるのだと考えざるを得ません。

本来、育児や子育てはどうあるべきなのいか?について考えてみます。

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以下(https://ameblo.jp/garyoldman06/entry-12232645163.html)より引用します。
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大都会のマンションの一室で、「23歳の風俗店従業員の母親が3歳と1歳の幼い姉弟を部屋に置き去りにして餓死させた」。
まず当事者である母親が厳しく法的責任を問われることは当然だとして、「2人の泣き声と「ママー、ママー」という叫び声に気づいたマンションの住民が大阪市や大阪府警に何度も通報した」。
つまり、行政側に近隣住民から何度もネグレクトの可能性が大というシグナルが発せられていたにもかかわらず、2つの幼い命を救うことができなかったことは、行政側の怠慢との批判の声があがっても当然だと思います。

産経社説は「まずは親になることの意味、親としての責任や自覚を促す教育が重要」と指摘したうえで、国として「子育て支援のさらなる充実も図るべき」、「問題のある家庭には、行政が強制力を伴って踏み込む必要」の2点を強調していますが、私はやはり私たち社会の構成員一人一人の自覚を強く促す制度改革が必要だと思います。

私たち人類は生物学的には特異な存在であり、その進化の過程で、子どもが成体になるまでに10数年の極めて長期に渡る「子育て」を必要とする「晩成型」を選択した種です。
当然ながら長期に渡る「子育て」は、野生の世界ではその生存競争・サバイバルにおいて不利に働きます。現存する野生動物でも草食動物は、生まれてまもなく目も見えて立つことが可能になります。そうしなければ肉食動物にすぐに補食されてしまうので、草食動物は例外なく「早熟型」です。

人類にとっても長期に渡る「子育て」はサバイバルの点では不利でしたが、我々人類は子育てを母親単体ではなく「群れ」全体で育てることで負荷分散する戦略を採用して、種として生き延びてきました。野生の世界で子どもが成体になるまでに10数年の極めて長期に渡る「子育て」を個体の親だけでその負荷を背負っては、サバイバルできるはずはありません。「群れ」全体で子どもを守り育てる戦略を取ることにより、初めて「晩成型」子育ては実現されたのです。

化石などのDNA研究により、ホモサピエンスに比較しネアンデルタール人などはかなり「早熟型」であったことがわかっています。
化石人類の研究者の中には、この人類の長期に渡る「子育て」戦略の成功が我々ホモ・サピエンスの「文化」の継承を初めて可能にし、ネアンデルタール人など他の化石人類がすべて絶滅する中で、我々を生き残らせた原動力になったのだと指摘する科学者もいます。
生物としてそもそも我々人類は、子育てを母親だけに押しつけることを許されてはいません。この事実は重要です。我々は、子どもを「群れ」で育てる宿命にあるのです。

一方、現在の核家族化と特に都市部における地域共同意識の希薄化は、「群れ」である「社会」において、子育てをする親が経済的あるいは精神的に「孤立化」する傾向が強くなっています。
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核家族は子育てをするのには適していない、というより核家族にはまっとうな子育て機能がないのだいうことです。

母親の子育て不安や育児ノイローゼそして虐待と、その程度は様々ですが、全ては群れでの子育てという根本を失っているところに原因があります。

共同保育や地域に開かれた保育園が注目を集め、学校を地域でつくっていこうという動きも活発です。これらは全て、「群れで子育てをする」という根本原理を私たちも感じ取っていて、そこに向かおうとしていのです。

子育ても、教育も群れで取り組む。すべての問題はこの一点をどう実現していくかにかかっているのだと思います。

投稿者 hoiku : 2018年06月15日 List   

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