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2017年07月25日
共同保育所の歴史と現在6~ごたごた園1~認可園だけがいい保育所保育所じゃない
現在の、共同保育らしさを保った場がどんなものか見ていきましょう。ごたごた園という練馬区にある保育所です。まずは共同保育の説明から。
「認可園=質が高い」「認可外園=イマイチ」、そんなイメージがあるかもしれません。でも、認可外でも、魅力的な保育を行っている園はあるのです。
執筆者:吉森 福子保育園には、「認可」と呼ばれるものと、「認可外」とされるものとがあります。一般に、「認可園=質がよい」「認可外園=質がよくない」と思われがちですが、本当にそうでしょうか?
「認可外園」の中には、人手が足りずに充分な質の保育が行えないところもありますが、「認可外」ならではの柔軟性で、個性的な保育を行っているところもあります。
その中のひとつ、「共同保育所」の魅力について、3回シリーズでお届けします。
「保育園探しをするときは、まずは認可園から当たってみる」
これは、保育園選びの「常識」です。
通える範囲の保育園をひとつひとつ、きちんと見学して判断していくのはかなり大変。その中で、「認可=国が定めた基準を満たしている」という事実は、ひとつの判断材料にではあります。
が、この「基準」というのは、保育室の広さや園庭の有無、保育時間、保育士の数などについてが主なもの。
「認可/認可外」という区分は、「保育の質の高い/低い」とイコールではないのです。
個性的な認可外園
「認可外園」の中には、認可園と遜色のない、または認可外園ならではの柔軟な保育サービスを行っているところがあります。
園庭がなかったり、施設が多少見劣りする場合もありますが、家庭的な雰囲気が、小さい子どもには馴染みやすいということも。
保育時間も、保護者の要望に応えられるよう、長めになっているところも多いようです。
そのような、長い保育実績のある認可外園の多くは、自治体の助成を受けています(各自治体に問い合わせれば、そのような認可外園の情報も教えてもらえます)。
そうした「自治体の助成を受けている、個性的な認可外園」のうちのひとつに、「共同保育所」と呼ばれるものがあります。「共同保育所」ってなに?
共同保育所の多くは、1970~80年代の「ポストの数ほど保育所を!」という保育所拡充の動きが全国的に広まった時期に、スタートしています。
高度成長期の中、それ以前の農家や商店などではなく、自宅外に「お勤め」する母親が増えていったことで、保育所の数が足りなくなってきました。
そんな中で、「保護者と保育者が協力し合って、自分たちで納得のいく保育園を作ろう」と始められた試みが「共同保育所」なのです。
かつてはそのほとんどが「認可外園」でしたが、その後「認可園」や「認証(東京都独自の基準を満たしたもの)園」となったところもあります具体的には、どんなところ?
◎小規模・異年齢共同保育所の場合、定員は10数人、多くても50人以下というところが多いようです。
そのため、「年齢できっちりとクラス分けする」というよりは、大きい子と小さい子、異年齢で一緒に遊ぶことが多いのです。
また、異年齢で遊ぶことは単なる規模の問題ではなく、それが自体が保育方針でもあります。
「大きい子は小さい子の面倒を見る、小さい子は大きい子に学ぶ」という、子どもどうしの関係を大事にしているのです。◎保育者と父母との共同運営
多くの共同保育所では、保育者と保護者による「運営会議」が定期的に行われます。
「保育園が与えてくれる保育サービスを受ける」のではなく、保護者も運営に関わっていくのです。ここが通常の保育園との大きな違いです。
また、バザーやカンパなどで、できる範囲で資金面でも協力を、という場合もあります。現在の「子育て」にこそ、必要なもの
「保護者の出番が多いなんて、面倒くさい。そんな保育園の、どこがいいの?」
そう思う方は多いかもしれません。しかし、「子どもの居場所を作っていく」ということは、本来手間がかかるもの。
「地域」の存在が希薄になりつつある今こそ、「子どもの居場所作りに手間をかける」ということが、保護者にとって重要な役割になってきているのではないでしょうか。そんな試みのひとつである「共同保育所」のうちのひとつ・「ごたごた荘」を、ガイドがたずねました。
次に様子を見ていきましょう。
投稿者 hoiku : 2017年07月25日 TweetList
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