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2016年12月16日

日本人の精神性~遊んでいる時よりも働いているときに喜びを感じる

最近は中学校でも職業体験の授業があるようで、「早く働きたい」と考える子供たちも増えているようです。

昔は中学生の年頃から働くことは多く、ちょっと前まで小学生が新聞配達をしている姿を見ることもありました。でも今は労働基準法で中学生を働かせてはいけないことなっています。(ただし軽易な仕事については、労働基準監督署の許可を得て修学時間外なら認めるという条文があります)

基本的に子供を働かせてはいけない社会になっていて、でも子供たちは早く働いてみたいと思っている。制度と実態のズレが出てきているように思います。

そこで今回は働くこと、私たちの仕事観について考えてみました。

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以下(http://www.ikeda-column.jp/article/15083564.html)より引用します。
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日本理化学工業株式会社という、チョークを製造する会社が話題になったことがあります。その会社の会長大山泰弘さんを取材した記事が、かつて、読売新聞に出たことがあります。

それは、次のような記事でした。

「知的障がい者を雇い始めたのは、1960年のことです。特別支援学校の先生から、『せめて働く経験だけでもさせてほしい』とお願いされたことがきっかけで、15歳の少女2人を採用しました。彼女たちは雨の日も、風の日も、満員電車に乗って通勤し、懸命に働いてくれました。でも、私はそんな姿が不思議でなりませんでした。『施設にいれば楽に過ごすことができるのに、どうしてつらい思いをしてまで働こうとするのだろう』と思ったからです。

そんな思いを持ちながら、所用で、ある禅寺を訪れた時、住職に『どうして彼女たちは施設より工場に来たがるのでしょう』と聞いてみたのです。すると、住職はこう答えました。「人間の幸せは、物やお金ではありません。人間の究極の幸せは『人に愛されること』『人にほめられること』『人の役に立つこと』『人から必要とされること』の四つ。

働きたいと思うことは、本当の幸せを求める証なのです。」

胸のつかえが下りた気がしました。人は働くことで、人の役に立ち、ほめられ、人から必要とされるからこそ、生きる喜びを感じることができる。家や施設で保護されているだけでは、この喜びを感じることはできない。だからこそ、彼女たちは、つらくても必死になって働こうとするのだと思いました。『彼女たちの働く幸せ』を守ってあげなければいけないという思いがわきあがってきました。

知的障がい者を主力とする会社を作ろうと考え、それ以降毎年少しずつ支援学校の生徒を迎え入れるようになりました。」   
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15歳の少女たちの想いには考えさせられます。学校という社会と隔絶された空間にいる現代の子供たちにも当てはまるのではないでしょうか。
職業体験はあくまで授業でしかなく、実際に働くところから「働く幸せ」が実感でき、本来の仕事間が育まれるのだと思います。

引き続き引用します。
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京セラ創業者の稲盛和夫さんは、『生き方』という本の中で「勤労は美徳」と次のように言っています。

「戦後日本を統治したマッカーサーは、極東政策をめぐる議会証言で、日本人の労働観について述べたことがあります。それは、日本の擁する労働力は量的にも質的にも、いずれの国にも劣らぬ優秀なものであるばかりか、日本の労働者は、働いて人の役に立っていることに幸福を見出しているというものです。

かつて、私たち日本人はそのように、働くことに、深い意味と価値を見出していました。

勤勉に務める姿勢が誇りや生きがいに通じ、心の豊かさを生んでいくことをよく理解して、そこに人生の意義さえ感じていたのです。

遊んでいる時よりも働いているときに喜びを感じる精神性。単純労働であっても、そこに創意工夫を働かせて仕事をする術。他人から強制されて働かされるのでなく、自分が労働という行為の主体となって働く知恵。そういうものを、私たちは有していました。

かつては持っていたが、それはどこへ行ってしまったのでしょう。日本人の労働観の意味するところを、あらためて考えてみるべきではないでしょうか。」
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一時期、欧米流の仕事スタイルがもてはやされたときもありましたが、私たち日本人の仕事観はその底流で現在にもつながっているのだと思います。

子供たちを保護することばかり考えて、社会とつながる機会を奪い、本当の働く喜びを知らないまま大人になってしまう。これはとても不幸なことです。

子供たちが社会の一員として、活力をもって生きていけるようにするためにも、学校のあり方や仕事についてもっと考えてiきたいと思います。

投稿者 hoiku : 2016年12月16日 List   

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