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2016年12月12日

子育て支援に高齢者活躍2~江戸川区すくすくスクール1

次は江戸川区の取り組みです。

こちらも地域のお年寄りが活躍しています。

脱常識!江戸川区のすごい「学童保育」

「つまらない」「入れない」の常識を覆す

今、首都圏で待機児童問題と並んで深刻化しているのが「小学生の放課後」問題だ。共働き家庭は、学童保育施設に子どもを預かってもらうことが多いが、職員が少ない、内容が単調でつまらない、夏休み期間の対応が不十分――。さらに、希望者増で入れないという自治体も増え、親たちの悩みの種となっている。

それらの「解決のヒントになる」と、全国から注目を集めているのが江戸川区だ。同区の「すくすくスクール」は、子どもが放課後の時間を過ごす先進的なモデルとして、全国から視察が殺到している。

江戸川区方式は、ほかの自治体の学童クラブとどう違うのか? 多田正見区長に聞いた。

江戸川区1

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全国初!希望者「全入」の学童

――江戸川区は「子どもが多い街」として知られます。若い夫婦や1人の女性が産む子どもの数が多く、小学校の数も東京23区でトップです。そのため、子育て支援において、ほかの区にはない、独特の取り組みが多数あると聞きました。

よくほかの自治体などから視察に来ていただくのは、「すくすくスクール」ですね。現在、江戸川区には3万6000人の小学生がいますが、そのうちの7割弱、2万4000人がスクールに登録しています。

いわゆる(共働き家庭の子どもを放課後に預かる)学童保育では、小学校3年生までが対象でしたが、「すくすくスクール」には年齢や人数の制限がありません。希望すれば、誰でも入ることができます。この方式は全国で初めてですね。

――「全入」とは画期的です。多くの自治体には、共働き家庭の子どもを学童クラブで預かる仕組みがありますが、近年は激戦化し、入れない子どもも出ています。入れたとしても、狭い部屋に「すし詰め」になっていることも多いと聞きます。なぜ、それが可能なのですか?

希望者全員を受け入れますから、確かにものすごい人数を預かっています。でも、学校の施設全体を丸ごと使えるので大丈夫なんですよ。図書館でも体育館でも、運動場でもすべて使っていいのです。

ほかの地域では、学童クラブという施設に「隔離」するようなイメージでしょう。でも、それでは、子どもは自由に遊べない。(学童に入っていない)友達とも遊ぶことができません。

すくすくスクールは、学校の延長のようなイメージです。仲の良いクラスの友達と一緒に過ごすこともできるし、1年生から6年生までいるので、縦の人間関係を構築することもできます。

江戸川区では、これまで学童クラブを利用していた子どもも、すくすくスクールに合流してもらって、同じ過ごし方をしてもらっています。「学童クラブ登録」をしている子どもは、保護者のお迎えが来る夕方6時までお預かりしています。

講師役を地域住民にお願いしたところ、希望者がたくさん出てくださった。それぞれの得意な分野、たとえば英語などの勉強から、お茶やお花、囲碁、将棋などの趣味に関することまで、幅広く教えてもらっています。スポーツを指導してもらうこともありますよ。子どもは学校での学習とはひと味違う、さまざまな体験ができます。

たくさんの講師のまとめ役として、各校にスクールマネージャー(すくすくスクールの校長先生のような役割)を置いています。彼らが講師を差配してくれるのです。ボランティアによるサポートの方や、学童クラブの先生をご経験された方など、講師は学校ごとに数十人います。150人ぐらいが講師として活動している学校もあります。

――それは手厚いですね。大人たった数人で、子ども数十人を任されているということもよく聞きますので。

講師には若い方もいますが、会社を退職された方や、子育てを終えた方など、比較的高齢者が多いのが特徴です。特に、お年寄りの講師の方は熱心です。「これがなければ、私の生きがいがない」「年齢を忘れるほど、自分も元気になる」と話す方もいるぐらいです。江戸川区2

全国から380件を超える視察

――すくすくスクールは元気な高齢者と、将来を担う子どもが「世代を超えて、つながる仕組み」、とも言えるわけですね。やはり、学童保育対策ということで、この仕組みをつくられたのですか。

いいえ、その対策で始めたのではありません。「人間関係を豊かにしていきたい」という狙いからスタートしたものなんです。

きっかけは、ある大学の先生の言葉でした。「今の子どもに欠けているのは人間関係だ」と。学校と家庭の往復だけで人間関係を形成していて、しかも兄弟やいとこが少ない。お年寄りとのかかわり合いも少ない。これが「子どもにとって根本的な問題」と、その先生は説かれました。

「なるほど。それならば、放課後に人間関係を形成する場を設けよう」と、2005年からすくすくスクールを始めたわけです。

ただ、当初は学校教員側の抵抗がありました。校舎を開放することになるので、管理上の問題を懸念されたのでしょう。そこで、「学校の先生に責任を負ってもらう必要はありません。私どもがすべての責任を負います」と説得して、納得してもらいました。

そのかいあって、すくすくスクールは今や「江戸川方式」とも呼ばれ、子どもの放課後の過ごし方として、モデルとされることも多くなりました。文部科学省や厚生労働省の関係者も評価してくださっていますね。2010年に「地域づくり総務大臣表彰」を受賞したこともあり、さまざまな団体が視察に訪れています。 これまで全国から380件ほどの視察がありました。

ただ、人材面や学校側の協力態勢などがハードルとなり、同じような仕組みを導入できずに苦労しておられる自治体もあるようです。

そもそも、街づくりの中心は「子育て」にある、というのが江戸川区の根本的な考えです。基本となる理念は「共育」「協働」で、これは「大人も子どもも関係なく、みんなでお互いに勉強し合って、共同の力で地域を支えましょう」という考え方です。

つづく

投稿者 hoiku : 2016年12月12日 List   

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