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2016年08月12日
自主保育も保育所もNPOも巻き込んだ、「子育てネットワーク」の可能性
これまでさまざまな子育ての取組みを見てきました。その流れをざっとたどると次のような感じでしょうか。
1)立ち上がった母親たち
早くは1970年代から、お母さんたちが自ら自主保育、共同保育の取組みが始まっていました。。「自主保育・野毛風の子」「たつのこ共同保育所」(http://web.kansya.jp.net/blog/2016/07/5041.html)など、主体的な子育て活動は現在も続いています。
2)保育所が始めた子育て支援
「まちの保育園」(http://web.kansya.jp.net/blog/2016/04/4936.html)
保育所が主体となって、地域を巻き込んだ子育て環境の実現に取り組みが始まります。この成功例から、同様の試みが各地で始まっています。
3)行政、保育所だけでは足りない子育て支援。
2000年以降、NPO法人による拠点型支援組織が登場。「みなくるハウス」、「ハートフレンド」などNPO法人による拠点型の子育て支援組織が運営されており、母親・子供たちの交流・情報交換、イベントなどで地域のつながりを活かしていこうとする取組みが増えています。
そして現在、親の主体性を尊重しつつ、自主保育活動や保育所、拠点型支援団体のネットワーク化が進んでいます。今回はその例として「にしよどにこネット」の活動を紹介します。
「にしよどにこネット」は大阪市西淀川区を拠点にした子育てネットワークを展開しており、現在10のプロジェクト、6サークル、ネットワーク部門、委託部門、理事会で組織を構成し活動しています。
以下、にしよどにこネットHPから引用します。(http://niko-net.sakura.ne.jp/about/philosophy/)
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「孤立・不安・競争の子育て」から「共同・安心・信頼の子育てへ」
にしよどにこネットでは、地域で生活する親子や子育てサークルおよび子育て支援に関わる人に対し、現代子育ての問題解決を図るためのネットワークを構築し、親子の主体性を育む子育て支援に関わる事業を行っています。「安心して生み育てるまちづくり」「生きがいのあるまちづくり」など、コミュニティの活性化と、男女共同参画社会の形成を推進し、子育ての社会化に寄与することを目的に活動しています。
●大阪市つどいの広場委託事業
「にっこりRoom」「にっこりRoomふくまち」の2か所があり、主に0歳~3歳の子どもと保護者がゆったり過ごせる無料のあそび場です。子育て経験のあるスタッフとお喋りを楽しみながら和やかに過ごせる場所の提供を行っています。
●に~よんステーション
地域全体で世代を超えて子育て支援に取り組むまち西淀川を目指しています。みなさまが「安心して人とふれあい」「子育て時期を楽しく過ごせる」場所の提供を行っています。
●CSP(しつけのお話)
アメリカで100年にわたって子どもたちを援助してきたCSP(コモンセンスプログラム)をもとにした子育てプログラムを用いて、「どのように子どもたちとの信頼関係を深めていけばいいのか?」といった疑問に答える講座を開催し、「子育てから変わる街づくり」を目指します。
●冒険あそび場
子どもたちは、遊びを通して心や体を育て、様々なことを学んでいきます。
冒険あそび場は、西淀川区内の公園で、「自分の責任で自由に遊ぶ」をモットーに、本来の「あそび」を子どもたちに提供する場です。
●いのちのふれ合い授業
「いのちの尊さ」「人と人のつながりの大切さ」「家族のつながりの大切さ」を伝えることを目的として、区内の小、中、高校に、妊婦さんや赤ちゃん親子と一緒に出向き授業を開催しています。
●西淀川区子育てまるごと情報「Coo」
区内の子育て情報がひと目でわかる、西淀川区子育てまるごと情報「クー」Coo。イベントカレンダーや離乳食レシピ、絵本紹介、子育て真っ最中のママの声をもとにした特集記事などを、隔月で発行しています。
●保育プロジェクト
子育て支援に関する講座や交流会のための一時保育や、子育てグループ活動中の見守り保育を行っています。
●編集プロジェクト
「ママからママへ子育て情報の発信」をコンセプトに、年1回「西淀川すくすく子育てマップ」および年2回「子育てナビニュースWAO!」を発行し、その時々のママ達が知りたい情報を記事にしています。
●サークルサポートプロジェクト
町単位に活動する自主サークルを応援しています。サポーターはサークルリーダーOBを中心に、毎月のサークル交流会の企画運営をしています。
●みんな集まれ!ファミリーひろば
乳幼児家族を対象として、地域のサークルや子育て支援情報を提供し、世代間交流を図るイベントです。地域の高校生も授業として参加しています。
●乳幼児ひろば
地域の子育て支援として、0才児「ぶんぶんひろば」・1才児「のびのびひろば」を開催しています。(各6回/年)親子遊び、ベビーマッサージ、工作、座談会など、地域の先輩ママが運営サポートをしています。
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公園での遊び、見守り保育、イベント、子育て情報の発信・・・と、考えられうるさまざまな取組みがされています。
「自主保育」「共同保育」は最も主体的で子育ての原点に近い活動ですが、地域的な広がりには限界がある。保育所発の子育て環境再生は地域への広がりはありますが、やはり保育事業が中心。NPOの諸活動は交流型・イベント型が多く、子育て問題の本質にどう切り込むかが課題。
それぞれ可能性に向かっている活動を統合し、より深めていくことができるのがこのようなネットワーク化なのかもしれません。行政や学校や企業も巻き込んで、子育てに対する親たちの、地域の、社会の意識を変えていくことできるかどうか。子供たちの未来もここにかかっているのではないでしょうか。
投稿者 hoiku : 2016年08月12日 TweetList
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