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2014年11月04日

新たな介護の可能性12 事業化の検討:新旧の住民をつなぐ地域コミュニティ~NPOと自治会・町内会の連携

町内会

写真はこちらからお借りしました。

前回、地域共同体再生⇒ミニ事業の可能性として、社会参加・活動基盤と成り得る町内会を掘り下げてみていき、町内会の課題と旧住民・新住民のニーズを明らかにしました(リンク)。双方に、育児・子育て支援の必要や高齢者問題(充足欠乏)がありますが、町内会という相互扶助の日本的文化=地域ネットワークが機能すれば、育児問題や高齢者問題の改善が期待できます。

私(30代前半)もそうですが、現状は若い人(単身者や若い夫婦のみ)の町内会への関わりが少ないのが実態ではないでしょうか。住み易い町にしたい、助け合いの中で安心して暮らしたい、子供育てしたいなど想いがあるはずですが、関わり方が分からず溶け込めないケースが多いと思われます。きっと既存の町内会・住民にとっても同じ想いで、若い人に定住してもらいたい、子育てし易い町にしたい、交流や出会いの場を設けたい・・、など想いがあると思います。

しかし現状は、同じ想いや課題を持ちながらも、町内会における既存住民と新規住民がすれ違い(地域コミュニティの不在・町内会の不活性)を生じているケースが多いと考えられます。

しかし、その中でも町内会とNPOの連携が先端成功事例として見られるようになりました。

今回は、町内会・自治体を中心に新旧の住民をつなぐ取り組みについて、京都市における町内会とNPOの連携事例を紹介します。

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◆自治体による活動支援~京都市の例

京都市における自治会・町内会・NPOの連携京都市における自治会・町内会・NPOの連携

http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=297134

京都市では、自治会・町内会・NPO連携を促す目的で、応援サイトを設立しています。出会いの広場掲示板では、自治会・町内会・学区とNPOをつなぐサイトを展開しており、連携事例集では活動内容を具体的に知ることができます。
京都市HPより・自治会・町内会&NPOおうえんパータルサイトリンク・地域コミュニティ活性化取組事例集リンク>まちづくりの主体として活動している自治会・町内会等の地域団体と,多様な分野において機動的かつ柔軟に対応していくことができるNPO法人の連携を促進し,各々のノウハウを活かして地域課題の解決に取り組む活動を促進しています。

 

1.お母さん同士のつながり

お母さんは育児・子育てという切実な課題に直面しています。子育てセミナーよりもっと身近に話せる場として、商店街に憩いの場を作り、お母さんによる演劇を通して地域コミュニティを形成している事例を紹介します。

◎地域活性化のための起爆剤に~特定非営利活動法人子育ては親育て・みのりのもり劇場リンク

特定非営利活動法人「子育ては親育て・みのりのもり劇場」は,子どもが子どもらしく暮らすなかで,豊かな人生のために必要な力を自然に身につけ,成長していくために「地域と関わる親子」「親子を支え,共に成長する地域」の実現に取り組み,親・子ども・地域の三方向から包括的な支援活動を展開しています。かつて多くの映画会社が撮影所を置いていたことで知られる大映通り商店街。(中略)「うずキネマ館」と大きく看板を掲げ,おしゃれな中にどことなく懐かしさを感じさせる建物の2階に,「みのりのもり」は事務所を構えています。1階には食堂があり,地域の方々が打合せや会議として使用するなど,大映通り商店街と連携して昼も夜も地域の人たちの憩いの場として活用されています。

みのりのもり劇場②のコピー

 

○お母さんどうしのつながりから始まった子育て支援活動

伊豆田さんと森さんは,子どもが通う幼稚園で出会いました。卒園後,二人は園長先生から「お母さんが楽しみながら子育てを学べる取組ができないか」と相談を受けました。そこで普段あまり子育てセミナーなどに行かないお母さんが「参加してみたいな」と思うようなやり方を…と思いついたのが「子育てあるある劇場付セミナー“子育てJOYトーク”」です。現役お母さんが演じるリアルでユーモラスな子育て劇は大受け!笑いに笑った参加者はすっかりリラックスして,赤裸々に自分の子育ての悩みを語り合い,セミナーは大成功となりました。

「いわば“客寄せパンダ”のつもりで始めた子育て劇ですが,お母さんたちの反応からその価値に気づかされました。みんな同じなんだという安心感を得ることができ,また,笑いの中でたくさんの気づきが生まれます」と森さん。このとき“女優”として集まった保護者仲間が中心となり2007年に「子育ては親育て・みのりのもり劇場」の活動が始まりました。責任感を持ってずっと活動を継続するためにはどうしたらいいか相談し,2009年にNPO法人格を取得。現在は大映通り商店街に拠点を構え,“子どもと地域”をキーワードに,様々な活動を展開しています。

みのりのもり劇場③

 

 

○なるべく地域主体で

「なるべく地域の人たちとやっていきたい」と語る伊豆田さん「右京じかん」というフリーペーパーの作成・発行では,最終的に「右京区民全員が載った」ということを目標に,みのりのもり劇場の中に編集部を設置し,自分たちで企画から取材・発行まで行っています。

みのりのもり劇場①のコピー

みのりのもり劇場

 

2.児童館と高齢者サロンの連携

子供からお年寄りまで集える「地域の集い」の場として、児童館・放課後デイサービス事業と高齢者サロンを連携させたNPO事業化活動を紹介します。

 ◎垣根無く,みんなで輪になろう!

特定非営利活動法人フォーラムひこばえ 理事事務局長井上公子さん

http://www5.city.kyoto.jp/chiiki-npo/images/renkei/jirei/7.pdf

特定非営利活動法人「フォーラムひこばえ」は,希薄になりつつある人と人とのつながりを活性化し,誰もが暮らしやすい社会をつくっていくために,子どもからお年寄りまで,多様な人々が集う場として活動しています。

○多様な世代にとって,居場所になることを目指して

元々は井上さんの親戚が持っていた事務所と広場を改修して2005年にスタートした「ひこばえ」。現在は,地域の集いの場として,児童館・放課後等デイサービス事業といった各種制度に基づく事業と,高齢者サロンのような制度外のものをうまく連携させて実施しています。

例えば,小学4~6年生の学童については児童館事業の制度外の事業ですが,ニーズのある事業であるため,NPOとしての事業として実施しています。

また,高齢者の方々にも,高齢者サロンという形で編み物教室等の文化活動を通じた仲間作りを進めていて,子どもたちと高齢者の方々が同じ場所に集える空間を創り出しています。学校に居場所を持てない子どもたちにとっては,ここに来たら待ち望んでくれる馴染みの大人がいて,高齢者の方々にとっては,生きがいとなる文化活動をしつつ,子どもたちと触れ合う事ができる空間づくりを進めています。最終的には「ひこばえ」で知り合った人々が世代を越えて「ひこばえ」以外で集い,交流する動きが地域の中で生まれてくることを目標にしています。

ひこばえ④OLYMPUS DIGITAL CAMERA

 

○新たに地域に入り込んで活動することの難しさ

(前略)「その地域を作ってきた人たちを前にして『地域を作ります』なんて,人の褌で相撲を取るように思われても仕方がなかったな…。」地域との関わり始めた時を振り返ってみて,改めて地域で活動する上でもう少し配慮できた点があったと感じたそうです。(中略)

地域に認めてもらうためには,もっと力を付け,信頼できる組織にしていかないといけないと痛感し,その打開策の一つとして,認定NPO法人や公益社団法人,社会福祉法人など,より信頼性もあり公益的な法人格の必要性も現在話し合っているそうです。

 

○今後の展開について

(前略)今後,もっと積極的に自治連合会・町内会等と連携して事業を展開したいと井上さんは語ります。その連携の具体的な例として,「こども110番の家」の調査を挙げられました。「こども110番の家」と看板を掲げているけれども,実はすでに空家になっている等,整理・更新ができていないという現状があり,自治連合会としても課題として感じておられるので,子どもたちと一緒に自治連合会や民生委員と協力して取り組みたいそうです。その他にも,特に高齢者の見守りやサークル活動など,実施したい取組があるため,自治連合会や町内会などに協働を呼び掛けておられます。

まだまだ取り組みたい事がたくさんあるご様子の井上さん。より良い地域を作っていくためには,自治連合会や町内会もNPOも,住む地域をより良くしたいという共通の目標を持つ仲間として,お互いが協力できるポイントを探しながら,時には自治会・町内会・NPOといった垣根を越えて手を取り合うことが大切であると感じました。

ひこばえ③

(フォーラムひこばえについて→http://hikobae.org/

 

まとめ

京都市における町内会とNPOの連携事例では、母親の連携による子育て支援と、子供からお年寄りまで集える場を紹介しましたが、これらの成功ポイントとしては、

○課題の共有ができる場作り(=日常の拠点となる場所、気軽に通える環境)

○共有できる媒体としてのフリーペーパー

○事業化(=実現の志)

があると考えられます。逆にこれらが無いことが、つながりが希薄になる要因でもあり、地域のつながりやコミュニティ形成に必要な中身だと思います。

まずは集える環境は必須です。対面でのコミュニティが基本となります。また、町内会や自治会連合会を巻き込む視点でみると、活動に一定の信頼性と公益性が必要になります。そのような中で住民が率先してNPOを立ち上げ、地域コミュニティ形成、町内会連携することは今後も増える傾向にあると思います。

京都市の事例からの気づき

「子供のため」~子供たちの育児・教育を課題にした集い。⇒とりわけ、子供を守り育てるという課題とニーズは、母親の連携と高齢者の役割創出という面からも最重要課題であり、町内・地域社会の期待です。町内会を基盤に、新旧住民による子育て環境を創る志の発信・共有が、今求められる集いの求心力だと考えます。

 

投稿者 yama : 2014年11月04日 List   

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