【コラム☆感謝の杜】日本人を育んできた伝統食☆ぬか漬けのすすめ☆+゜ |
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2013年08月08日
これからの充足のカタチ(15)~赤ちゃんが会社を変える
A君10ヶ月、B君8ヶ月、C君6ヶ月の赤ちゃんが3人、会社の中にできた共同保育室(30畳ほどの広々とした部屋)で遊んでいる。傍らではお母さんたちが仕事をしている。
大阪市にある類設計室では、長く働いていた女性社員が3人同時期に妊娠。産休に入りそれぞれが家庭で子育てをする道を選ばず、3人で子育てをしながら会社の役に立てることはないかと始めた共同保育というカタチを紹介します。
9月、11月、12月に出産した3人が、2月から共同保育を始めました。
朝は10時半ごろ赤ちゃんを連れて出勤し、夕方6時ごろまで社内で過ごしています。一般企業で行っている保育事業は、こどもを保育所内で預かってもらっている間、会社で仕事をするという、仕事と保育を完全に分けていますが、彼女たちの仕事のカタチはそうではありません
社内での過ごし方
何時から何時までは仕事、何時から何時までは保育といった時間の割り振りは行っていません。仕事をしている最中に赤ちゃんが泣き出せば授乳も行うし、お昼寝もさせています。
彼女たちは社内のいろいろな部署から仕事の依頼を直接受け、子育てしながらでもできる範囲で仕事をすすめています。例えば、長い時間社外に出なければいけない業務、短い時間で集中して行うような業務は不向きですが、今すぐ必要ではないが近いうちに必要になりそうな資料の作成や、出産前にしていた業務でも調整してできることを行っています。
また、赤ちゃんをおんぶしながら打ち合わせに参加したり、頻繁にオフィスに顔を出してくれるので、社員たちの癒しともなっています。
そして、仕事や子育て以外で多くの時間を費やしているのが、彼女たちを頼りにやってくる女性社員たちの相談ごとです。仕事の方向性についてやどうしたらみんなのやる気を引き出せるかなど内容の濃いものばかり。これというのも、彼女たちが出産前まで、自分の課題だけに拘らず「社内の活力をあげるためには女性はどのように周りに働きかけていくべきか」をいつも考えてくれていたので、母になり、より広い視点で一緒に考えてくれる彼女たちを頼りにして来てくれるのです。もちろん相談しながら、赤ちゃんと戯れて、子育て経験も積んでいます。
こうして、毎日たくさんの人が赤ちゃんと接していると、赤ちゃんにとってとてもいいことが起こってます。
【共同保育の効用】人見知りしない!、夜泣きなし!、みんなが大好き♪
【効用その1】人見知りしない!
3人の赤ちゃんとも、全く人見知りしないんです!
会社の人だけでなく、お店の人、街で出会った人etc、全く知らない人に対しても、相手が「こんにちは。」と笑顔を向けると、必ず「ニコ」っと笑顔を返してくれます(^^)
会社の中で、多くの人たちと日々触れ合う中で、「どんな人も温かい。充たしてくれる存在。」という、人を「肯定視」する心が育っているのだと思います☆.:*・゚【効用その2】夜泣きしない!
誰も夜泣きしません!
夜中起きても、おっぱいをあげると「スーッ」と再び眠りにつきます。夜中泣いて、ずっと抱っこしてあやすということがないんです。
色んな人と触れ合うことで、赤ちゃんが充足しているのもありますが、一番大きな要因は、母親自身が充足して安定しているから!
赤ちゃんって、母親の心の状態を敏感に感じ取ります。だから、母親が充足していると、赤ちゃんも安心していられるのですね。【効用その3】みんなの中にいる方が、ご機嫌♪
家で2人っきりだと、姿がちょっと見えなくなるだけで、「え~ん」と泣き出したり、ぐずったりします。
だけど、会社の中にいる時は、そういったことがないんです!
共同保育室には、いろんな人が相談やすり合わせに来ます。なので、常にみんなの話声が聞こえています。常に、人の存在を感じられるのが、安心なのでしょうね。
だから、特に構わなくても、楽しくご機嫌で遊んでいます(^^)
3人で何やら、会話している?という時もあります。
共同保育は会社の中だけにはとどまりません。遅くまで仕事をしたいときにも協力し合っています。
もうひとつの保育室
3人のママ以外に小学生と2歳児のママと年長児のママも加わって、忙しいときに調整して仕事ができるようにしています。
そんな日の夜はこんな感じで過ごしています。
会社に戻りたいママたち2人は、他のママさん宅にこどもを預けます。その家には協力しあっているママ3人と子ども6人が全員集合。夕食の用意をしている間に、小学生や年長さんのお姉ちゃんたちは赤ちゃんと一緒に遊んであげます。そして、赤ちゃんをお風呂に入れるママ、お風呂からあっがたら洋服を着せるママ、食事の後片付けをテキパキとこなすママと、一人では大変なことも数人のママが集まれば、あっという間に家事は終わってしまうのです。仕事が終わったママ達はお迎えして、おうちに帰ればあとは寝るだけなのでとても助かっています
赤ちゃん以外のこどもたちにもこんな効用が
年長さんの女の子は一人っ子ですが、たくさんの兄弟がいる場を経験することができます。最初は自分のやりたいことを赤ちゃん達にしてあげていたようですが、今では赤ちゃんの気持ちになって考えてあげられるようになっているそうです
2歳の女の子はそこにいるママたちを全員「ママ」と呼んでくれます。自分だけのママではなく、みんなのママ、共同保育ならではですね。
ママたちにもこんな効用が
そして、家で一人だとついつい感情的に怒ってしまったり、そんな自分に落ち込んだことは誰にでもあることです。けれど、何人ものママ同士なら、どうしてこの子はこんな行動をとったのか、その原因を一緒に考えることができたりして、とても安心できる場にもなっているのです。
また、新米ママさんたちは、ちょっと大きなこどもたちに接することで、数年後のイメージを持つことができ子育てに余裕が生まれています。
さて、共同保育はママが集まって育児だけをしているのではありません。社内で育児と仕事の両方を行っています。そのことは、社員にどんな影響を及ぼしているのでしょうか。
社員に拡がる充足感
若い女性社員も、赤ちゃんのあやし方が自然と身についています。昔なら近所の赤ちゃんの面倒を見ながら子育ての練習もできましたが、核家族化が進んでいる現代では、身近に赤ちゃんがいることが少なくなっているので、とても貴重な場を提供することができています。楽しく育児と仕事をこなしている先輩たちが居てくれることで、子育て不安なんて吹っ飛んでしまいます。
赤ちゃんがオフィスにやってくると癒されに来る男性社員も少なくありません。赤ちゃんたちも最近はよく笑うようになり、緊張した仕事の合間のちょっとしたブレイクタイムを楽しんでいるようです。また、いつもはあんまりリアクションのないHさん。赤ちゃんと接しているときは、とても楽しそう。そのせいか、なんだか最近は仕事中もいい顔してます
赤ちゃんの存在が、「家庭=個人的に守るべき場・会社=闘争だけの場」という意識を変えていっている。
赤ちゃんたちが会社に居ることをどのように思っているのか、男性社員に聞いてみると、こんな風に話してくれました。
「自分の赤ちゃんでなくても、その子や母親を守ってあげないといけない、そんな気になってくるよ」
「妻・子どもを守るために働く」という言葉をよく聞きますが、これは家庭に限定した話しです。
しかし、会社の中に赤ちゃんがいつも居ることが、男達に家庭だけではなく、会社そのものが守るべき場所であることを意識させているようです。
家庭の一部も包摂したこのカタチは、子育てを母親ひとりがするものではなく、社員みんなで赤ちゃんを育てていくという意識をはぐくみ、家庭も包摂した集団(会社)を男達が守っていくんだという気持ちを生み出しているのです。
また、子育てと仕事の両立って言うけれど、村落共同体があったころは、生産行為も子育ても同じ集団の中で行っていて、子育ても仕事も切り離せるものではないですね。
「これからの充足のカタチ」シリーズも今回で最後となりました。みなさん、ありがとうございました。
次のシリーズは「子どもたちに伝えたい日本人のこころ」です。お楽しみに
投稿者 tomitomi : 2013年08月08日 TweetList
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コメント
投稿者 匿名
コメントありがとうございます^-^
10数年前から理論として認識していたことがやっと実現したんです☆
これからも理論追求と実践を紐帯として、様々な可能性を体現してゆきたいと想っていますので、応援よろしくお願いします♪
赤ちゃんのパワーは本当にすごいですよ!
保育室に閉じ込めているのがもったいないくらい。
この良さをみんなで共有してゆきたいですね^^
投稿者 副管理人
こういったことが実現できているのがとてもすごいと思いました。赤ちゃんのパワーってすごいですね^^