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2012年06月28日
『生きる力を育てる教育』~日本語の力(7) 2歳の幼児が漢字を読んだ!~
前回記事(リンク)により、日本語は「カタカナ」「ひらがな」「漢字」それぞれの特徴・利点を融合させた「漢字かな混じり文」という言語システムによって飛躍的に発展してきたことがわかりました。
今回は「漢字」についてもう少し理解を深めていくことにします。
「漢字は難しいので幼い子供に教えるものではない」
そう思っている方も多いのではないでしょうか。
しかし実はそうではないんです。
「漢字」は複雑でも幼児にとって覚えやすい文字で、「漢字」には幼児の能力や知能を大きく伸ばす力があるのです。
では、実際に行われた幼児への漢字学習の事例を見ながら「漢字が持つ力」を探っていきましょう。 😀
(1)幼児の漢字学習
「国際派日本人養成講座 国柄探訪:子どもを伸ばす漢字教育」(リンク)からの引用です。
◆2歳の幼児が漢字を読んだ!◆
きっかけは偶然だった。小学校教師の石井勲氏が炬燵(こたつ)に入って「国語教育論」という本を読んでいた。そこに2歳の長男がよちよち歩いてきて、石井氏の膝の上に上がり込んできたので、氏は炬燵の上に本を伏せて置いた。
その時、この2歳の幼児が「国語教育論」の「教」という漢字を指して「きょう」と言ったのである。びっくりして、どうしてこんな難しい字が読めたんだろう、と考えていると、今度は隣の「育」の漢字を指して「いく」と言った。
石井氏が驚いて、奥さんに「この字を教えたのか?」と尋ねると、教えた覚えはないという。教えてもいないものが読めるわけはない、と思っていると、奥さんが「アッ! そう言えば一度だけ読んでやったことがある」と思い出した。奥さんは音楽の教師をしており、「教育音楽」という雑誌を定期購読していた。ある時、息子が雑誌のタイトルを指で押さえて、「これなあに?」と聞くので、一度だけ読んでやったような記憶がある、というのである。
そんなこともあるのか、と半信半疑ながら、ひょっとしたら、幼児にとって漢字はやさしいのかもしれない、と石井氏は思いついた。ひらがなは易しく漢字は難しい、幼児に教えるものではない、と思いこんでいたが、実はそうではないのかもしれない。これが石井式漢字教育の始まりだった。◆漢字学習で幼稚園児の知能が伸びた!◆
それから石井氏は昭和28年から15年にもわたって、小学校で漢字教育を実践してみた。当初は学年が上がるにつれて、子どもの学習能力が高まると信じ込んでいたが、実際に漢字を教えてみると、学年が下がるほど漢字を覚える能力が高いことが分かった。
そこで今度は1年生に教える漢字を増やしてみようと思った。当時の1年生の漢字の習得目標は30字ほどだったが、これを300字ほどに増やしてみると、子供たちは喜んでいくらでも吸収してしまう。それが500字になり、とうとう700字と、小学校6年間で覚える漢字の8割かたを覚えてしまった。
ひょっとしたら就学前の幼児は、もっと漢字を覚える力があるのかもしれない。そう思って昭和43年からは3年間かけて、幼稚園児に漢字を教えてみた。
すると幼児の漢字学習能力はさらに高いということが分かってきた。同時に漢字学習を始めてからは幼児の知能指数が100から110になり、120になり、ついには130までになった。漢字には幼児の能力や知能を大きく伸ばす秘密の力があるのではないか、と石井氏は考えるようになった。
「幼児に漢字は難しすぎる」という常識は、誤った固定観念だったようです。
(2)漢字が持つ力
◆複雑でも覚えやすい漢字◆
どんな子どもでも3歳ぐらいで急速に母国語を身につけ、幼稚園では先生の話を理解し、自分の考えを伝えることができる。この時期に言葉と同時に漢字を学べば、海綿が水を吸収するように漢字を習得していく、というのが石井氏の発見だった。漢字は難しいから上級生にならなければ覚えられない、というのは、何の根拠もない迷信だったわけである。
同時に簡単なものほど覚えやすい、というのも、誤った思いこみであることが判明した。複雑でも覚える手がかりがある方が覚えやすい。たとえば「耳」は実際の耳の形を表したもので、そうと知れば、簡単に覚えられる。「みみ」とひらがなで書くと画数は少ないが、何のてがかりもないのでかえって覚えにくい。
石井氏はカルタ大の漢字カードで教える方法を考案した。「机」「椅子」「冷蔵庫」「花瓶」などと漢字でカードに書いて、実物に貼っておく。すると幼児は必ず「これ、なあに?」と聞いてくる。そこではじめて読み方を教える。ポイントは、遊び感覚で幼児の興味を引き出す形で行うこと、そして読み方のみを教え、書かせないことである。漢字をまず意味と音を持つ記号として一緒に覚えさせるのである。◆抽象化・概念化する能力を伸ばす◆
動物や自然など、漢字カードを貼れないものは、絵本を使う。幼児絵本のかな書きの上に、漢字を書いた紙を貼ってしまう。そして「鳩」「鴉」「鶏」など、なるべく具体的なものから教えていく。すると、これらの字には「鳥」という共通部分があることに気づく。幼児は「羽があって、嘴(くちばし)があって、足 が2本ある」のが、「鳥」なのだな、と理解する。ここで始めて「鳥」という「概念」が理解できる。
これが分かると「鶯」や「鷲」など、知らない漢字を見ても、「鳥」の仲間だな、と推理できるようになる。こうして物事を概念化・抽象化する能力が養われる。
またたとえば「右」、「左」など、抽象的な漢字は、「ナ」が「手」、「口」は「くち」、「工」は「物差し」と教えてやれば、食べ物を口に入れる方の手が「右」、物差しを持つ方の手が「左」とすぐ覚えられる。そう言えば、筆者は小学校低学年の時、右と左の字がそっくりなので、どっちがどっちだか、なかなか 覚えられなかった記憶があるが、こう教わっていたら瞬時に習得できていただろう。
◆推理力と主体性を伸ばす◆
また一方的に教え込むのではなく、遊び感覚で漢字の意味を類推させると良い。石井式を実践している幼稚園でこんな事があった。先生が黒板に「悪魔」と書 いて、「誰かこれ読めるかな」と聞いた。当然、誰も読めないので、「じゃあ、教えてあげようね」と言ったら、子供たちは「先生、待って。自分たちで考えるから」。
子供たちは相談を始めて、「魔」の字の下の方には「鬼」があるから、これは鬼の仲間だ、、、こうしてだんだん詰めていって、とうとうこれは「あくま」じゃないか、と当ててしまった。
このように「漢字」には、抽象化・概念化する能力を伸ばす力、推理力・主体性を伸ばす力があるのです。
漢字には一文字一文字に意味があります。何の迷いも無く接するもの全てを吸収していこうとする幼児にとっては、興味関心がどんどん湧いてくる文字なのでしょう。
今回はここまでです。
次回は、音声認識方法から日本語の力を探っていくことにします 😀
投稿者 isgitmhr : 2012年06月28日 TweetList
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