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2010年08月07日
幼少期の子育てどうする?~朝霞どろんこ保育園の取り組み~
(画像は、コチラからお借りしました)
これまで、「これからの子育てどうする?~共同体の事例:木の花ファミリー」</a、「集団の再生どうする?~農業の可能性:集団の再生どうする?~農業の可能性:白石農園」
と教育に農業を取り入れている事例を紹介してきました。
そこで、今回は農業を本格的に取り入れて、座禅や田植え、ヤギの飼育等を行っている「朝霞どろんこ保育園」の紹介をしたいと思います。
続きは、下をクリックしてからお願いします
この保育園の主な取り組みとしては~・・・
(画像は、コチラから引用です)
など、ユニークな内容が盛りだくさんです!
具体的には、
●座禅~待つこと・心を静めること~
園では、園庭でどろんこになって遊ぶことを「動」、禅を組むことを「静」としています。元気に走り回ることも大切だが、座禅を通し、待つこと・心を静めることも日常としています。これも、園が目指す「にんげん力」を子どもにつけさせるには、重要なこと。小さな子どもは、ジッとしていることが苦手だけれど、朝霞どろんこ保育園の子どもたちは静かに座禅を組んでいます。
●ヤギの飼育~生きる力をつける~
凸凹の園庭をヤビが駆け抜け、子どもたちはヤギを追いかけまわす。ヤギも、子どもたちの大切な仲間。どろんこ保育園ではヤギの飼育を通じて、子どもの“うれしい”“悲しい”という気持ちを育てたいと言います。安永さんは、「ヤギを通して、生き物の生と死を体験し、命の重みを感じてほしい」と話ります。
●どろんこ遊び~痛みの体験~
朝霞どろんこ保育園では、二足歩行が可能であれば、1歳児でも、どろんこ遊びをさせます。
4~5歳児のお兄さんや、お姉さんのように、水たまりにジャンプしたりはできないけれど、大きな水たまりにおっかなびっくりしながら、思い思いに遊んでいます。もちろん洋服のことなんかおかまいなし。遊んでいる途中、ツルンと足を滑らせ転んでいた園児には、すぐに手を貸さずに、自分のチカラで立ち上がらせます。遊びの中から、“痛み”といった体験を自分で認識していきます。
といった様に、取り組み一つ一つに理事長さんの想いが込められています。
そこで次は、理事長さんが、どういった経緯で、この「朝霞どろんこ保育園」を設立したのかを紹介します。
●設立の経緯~理事長の想い~
この保育園のコンセプトは、「センス・オブ・ワンダー」と「人対人コミュニケーション」。年間行事は決められたものではなく、保育士による企画提案によって決定します。目の前の子どもたちが、今、何を必要としているのか見極め、最適な行事を考えています。
「子どもたちには、自然の中に足を運び、動物や虫と接することで生死などの環境認識を持ってほしい。また、地域の大人と交流することで人の目を見て意思を伝えられる人になってほしい。性格や人格が形成される大事な時期に、本当に必要な体験をしてもらいたいんです。子ども同様、保育士たちも、ここでしかできない体験を通して成長してくれています」
「保育に携わって10年、子どもたちに人生に立ち向かう意欲や気持ちを育てるにはどうすればいいか、ということをひたすら考え続けてきました。そして辿り着いたのが、体験から学ぶ保育です」
「子どもたちに人生から逃げたりせず立ち向かうチカラ、自然の中で得られる“汚い”や“痛い”体験から命の重みを自ら認識するチカラをつける保育をしていきたい」
と理事長の安永さんは語ります。その安永さんはかつて、自分の子どもを2歳まで民間保育園に預けて、会社員として働いていました。仕事で夜遅くなると、子どもたちにビデオを見させ、親のお迎えを待たせる保育園。そんな日々を子どもに送らせていることに親として不安に感じたそうです。
「一生を通じて人間形成の基礎が培われる重要な時期に、おもちゃで遊ばせることや、ビデオを見せることのほかに体験させることがあるのでは?」
「子どもを預かってもらえる保育園が見つかれば、それで安心してしまっていいのか?」
「子どもを人として強く育てる保育園はないのか?」
と疑問を持つようになり、自分で10件ほど保育園を見て回るけれど、疑問に答えてくれる施設はありませんでした。そこで、自分が親の立場から預けたくなる保育園がないのなら、自分でつくるしかない、そんな想いからどろんこ保育園を設立したそうです。
理事長ご自分の経験から、可能性を模索した結果、今の保育園ができあがったんですね
次は、この保育園での成功事例を紹介します!
●園での成功事例
この園では「米つくり体験」をしています。都会にある保育園ですが、地方に田んぼを借りそこへ園児をバスで連れて行って、田植えから稲刈りまで体験するそうです。
その体験の中で園児が「ゼロから1に変わる」瞬間を目撃したというのです。保育園で稲刈りを行ったときのことです。園児たちは鎌で稲を刈っていきます。
五歳児たちは経験しているので自分たちでやらせます。先生たちは園児たちを見守りながら刈った稲を干していたそうです。
三十分くらい黙々と稲刈りをした五歳児たちの後ろには一か所に大きな稲の山ができました。
するとある園児が「ちょっと待って!」とみんなに声をかけて、話し合いが始まりました。その様子を見守っていると「私たちずっと刈った稲をここに置いているけど、向こうで先生たちが干しているじゃん。そこまで運ばないとダメじゃないの」とその子が言ったのです。するとみんな「そうだね、そうだね」と言って「誰ちゃんと誰ちゃんはあそこまで運んで、その先は誰ちゃんと誰ちゃんが先生のところまで運んで、それを束にして先生に渡す係は誰ちゃんと誰ちゃん。その先は自分たちにはできないから先生にやってもらおう」と自分たちで役割分担を話し合ったということです。「日常から自分たちに生起した課題を自分たちで相談し、考えるように仕向けてきた成果が表れた瞬間だった。稲刈りの場面で、自分たちで問題に気付き、やり方を考え、新しいやり方を生み出した。こうしたことが人生を生きていく上で必要な力(『にんげん力』=『ゼロを1に変える力』)ではないか」と安永さんは語ります。
子どもを“子どもらしく”育てるのが難しくなった現代に、子どもを預かるだけでなく、一人の“にんげん”として子どもを育てることを目指す「朝霞どろんこ保育園」。
幼少期から、課題意識を持たせ、協同することの大切さを学ばせる取り組みに、今後のさらなる可能性を感じます。
投稿者 ford : 2010年08月07日 TweetList
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コメント
投稿者 Tesla
成功事例で紹介されたエピソードは、ビックリしました。幼稚園児でも、楽しんで課題に取組んでいたら、周りの人の働きを見ながら「もっとこうしたほうがいいかも」って考えて行動するんですね。
みんなの役に立つような力が見に付く過程ってこんな事の積み重ねなんだな、と感心しました。