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2009年12月26日

「誘い下手」から「誘い上手」になろう!

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画像:埼玉大学児童文化研究会のホームページより引用

1970年以降、受験戦争と都市化を背景に「サンマ(三間)がいなくなった」という表現で、子供達が遊ばなくなった事が一部で問題視され始めるようになりました。
(三つの「間」の一つ目は時間、二つ目は遊ぶ空間、三つ目は遊ぶ仲間です。)

近年では更に、自己中な親の影響で友達関係が制限される、過保護な親が友達から遊びまで用意する、ゲームなどお膳立てされた世界で遊ぶ、など、子供達の集団遊びの機会が減ると共に、遊びや友達を作る主体性も喪失しているようです。

最近の記事でも(「子どもにとって、「遊び」は最大の学習課題」「幼少期の遊びは、胎児期に次ぐ“生命進化”の追体験」 「“遊び”の再生 ~「遊び」と「学習」「生産」が分断してるのなんで?~」)子供に遊びの重要性は注目してきました。

今回は、遊びの中で育まれる主体性、それを発揮する際の最初の行為である「誘う」事の重要性に注目した記事を幾つか紹介します。

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時間と場と仲間を用意し、幼児が遊びに参加する際の言語的スキルを観察した研究がありました。そこで遊びに参加する成功率が最も高かったのは、下記の①~③の話しかけのうち、最も出現頻度は少なかったものの、②の「誘う」話し掛けを行なった場合でした

①許可・質問:仲間に参加を断られないように丁寧に許可を求めたり、活動について質問することで参加したい意思を言葉で伝える。(例:「(仲間に)入れて」、「何してるの?」「一緒に遊んでもいい?」「これ何?」等)
②会話・勧誘:仲間で行なっている行動について情報を与えたり、相手を勧誘したり、話しかけたりしながら遊びに入る。(例:「それは床の上だよ」、「それとそれは合わないよ」「○○ちゃん、あそぼ」「あっちへいこうよ」等)
③誇示・注意喚起:他の子供の注意を自分に向けるようにしたり、自分の計画、活動、持ち物、能力など、自分に対して注意を促すような情報を与えたり、声を出したり、遊びの邪魔をしたりする。(例:「ほら、見て」、「ねえ、○○ちゃん」、「私ねえ」「明日○○行くの」等)

幼児が遊びに参加する際の言語的スキルの検討より一部引用

上記に見られるように遊びに参加していく上で重要な「誘う」語りかけは、大人になってから仕事に就いてからも、集団の中で充足を創り出す上で不可欠な能力です。

るいネット『「誘い下手」から「誘い上手」になろう!』より引用

最近、自身の「発信」の少なさが原因となって、仕事上のミスやスケジュール破綻などの問題を引き起こす事が続いていました。

「発信」の少なさとは、例えば仕事の進み具合や状況を周囲に「発信」することが少なかったり、仕事を進めていく上での方針を皆と共認していくための「発信」が少ないといったことです。

なかなか自身ではそこから抜け出す事が出来ずにいたので、今回ネットサロンで何がそんなに「発信」する事を邪魔しているのか皆と一緒に考えてもらいました。

その中で分かったことは、幼少期の仲間関係が大きく影響しているということでした。

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幼少期に自ら友達を誘って、「友達と楽しむ場」を作っていく経験の少なさが、仕事を進めていく上での様々な「発信」の少なさにも繋がっているということ、もっと単純にいえば、「誘い下手」であるということでした。(中略)

既にある場に参加して楽しむという充足体験はあっても、自らその場を作っていくという充足体験は圧倒的に少ない。

では、そういう幼少期の状況を踏まえて、どうするのか?

充足体験が少ないというのであれば、先ずは日常的に充足体験を増やしていくということ。つまり「誘い回路」を太くしていくということ。例えば、みんなを食事に誘う, 会話の話題を自ら投げかけてみる等。

みんなに向けて「発信」するということは、それが契機となって様々な人を巻き込んで共認形成の「場」ができるということだと捉えれば、みんなに「発信」するということは、みんなを「誘う」ということなのだなと今回気づけたように思います。(後略)

るいネット『集団遊びは、仲間を集って充足空間(共認)を形成する訓練♪』 より引用

(前略)
たしかに子どもの頃、みんなで遊びたいと思ったとき、「○○ちゃん、あ~そ~ぼ~♪」とお友だちを誘ったり、「入~れ~て~♪」とみんなに宣言したりしてました(^^)

それって実は、仲間を集って充足空間(共認)を形成する訓練になってるんですね!!

全ての共認は(課題共認も、役割共認も、評価共認も)、誘うこと=場を作ることから始まります☆
共認の中身だって、みんなですり合わせて追求していくことで深まります♪(201050201196207857

つまり、実現力とは、仲間を集って充足空間(共認)を形成する能力!!
そしてその基礎となるのが、“誘い回路”なんですねv(゚∇^*)

上記引用に出てくる、自ら共認を形成する端緒となる『誘い回路』は、サルに見られる笑いの起源にまで遡るようです。

るいネット:『実現に不可欠な『誘い回路』って何?~遊びに誘うときの“声の伴う笑い”はサル時代から』

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「誘う」という主体的な行動を取る事を具体的に考えてみると、誘った相手との具体的な充足イメージを持つ事が不可欠だと気づかされます。「誘う」瞬間から、相手の期待は何処にあるのか?、充足させるにはどうしたら良いか?という圧力=充足に向う活力も生まれます。

画像:明泉寺第二明泉寺幼稚園HPから引用

近年、「最近の若い子は言われた事はやるけれども主体性がない」、「何をやっても活力が感じられない」といった話を良く耳にしますが、集団遊びが減少した現在の状況を考えると、今後もそうした若者が増加する事は避けられません。「遊び」の見直しをはじめとして、今後子供達に主体性を育む機会をつくる必要がありますが、これは’70年以降に子供だった現在の大人には大なり小なり関係する問題です。

日々の中で、改めて「誘う」ことに始まり、頑張れば実現可能な課題を通して成功体験を塗り重ね、より相手を充足させる為の主体性を再構築する必要があります。「誘う」は、大人たちが重い腰を軽くする上でも、若者や子供達を指導する上でも、相手に同化し、頭を使うキーワードになりそうだと感じました。

投稿者 willow : 2009年12月26日 List   

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コメント

「誘う」
そういえば、今まで意識したことがなかったですが、「誘い上手」「もてなし上手」「盛り上げ上手」な人はイコールで、みんなが喜ぶことを企画したり、巻き込むのが上手!!
そして、それって、仕事でも一緒ですよね!

そっか!!
なんか切り離して考えちゃってたことが不自然だったんだ!
子どもと大人とか、遊びと仕事とか、切り離して考えると生産的でないけど、こうしてつなげて考えるともっと充足が広がりますね♪

投稿者 wendy : 2009年12月26日 13:55

「遊び」とか「誘い」って奥深いんですね~。
子供の頃の遊びが大人になってからの仕事とかに関係してるなんてなんだか意外!

「遊び」について僕も調べてみよーっと。

投稿者 ネギ星人 : 2009年12月26日 21:39

あまり「誘う」ということについて、じっくり考えた事がなかったのですが・・・
子供の頃なんとなくしていた「誘う」という行為。実は大人になったとき、仕事や生活の場面で必要とされる能力へと、繋がっていたんですね!!
自ら充足をつくっていける人って、見ていてすごく活力を感じるし、魅力的。
みんなから求められる能力の一つなんだなって、ホント思います。

投稿者 tarei : 2009年12月29日 18:53

私もコメントのみなさんと同じ様に“大人になっても、仕事場面でも、誘いは重要”という気付きがとても大きかったです。

「遊びに参加する成功率」についての結果をみても明らかですものね。

子供のころ、無意識にやっていたことが実は人として最低限&最大限重要な訓練になっていた、ということを認識できました!

投稿者 mame : 2010年1月7日 18:51

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