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2009年09月10日

役に立つ勉強法って?23 苫米地英人 ~ 「創造的無意識」を作動させるには?

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「役に立つ勉強法って?20」より、脳機能学者、計算言語学者、認知心理学者、分析哲学者であり、実業家でもある苫米地英人氏の“脳”に関する研究を紹介してきていますが、今回は、彼の著作である「努力はいらない!「夢」実現脳の作り方」を元に、引き続きどうしたら「コンフォートゾーン」を高めていけるか?について、「るいネット」での認識と照らしながら、重要と思われるポイントを抽出してみました。

※まず、ちょっとおさらい・・・
・人間は、基本的に“自分が楽でいられる範囲”・・・「コンフォートゾーン」を無意識の領域に持っている。コンフォート・ゾーンは、「ホメオスタシス」(恒常性維持機能)から生まれており、思考や行動には常にホメオスタシスのフィードバックが作用しており、無意識にそこからはずれないように思考、行動してしまう。
つまり、夢をかなえられるか(実現できるか)否かは、無意識のコンフォート・ゾーンをどのように設定するか?より高い方向にずらすことができるか?にかかっている。

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■ホメオスタシスを変える(コンフォート・ゾーンをずらす)には? 

●自己イメージと創造的無意識 

・思考や行動は、自己イメージから生まれた「信念」に沿うように行われる。これを「創造的無意識」という。

・現在の自分よりも高いところに設定された自己イメージを、強い臨場感をもって思い描ければ、創造的無意識(≒自動操縦装置)はそこに向かって働く。

・この、自己イメージは、まずは親の言葉、次に学校の先生の言葉、次に先輩や友達、好きな異性の言葉・・・などによって形成される。

・ここで問題になるのが、親の影響。・・・「こうあって欲しい」というエゴを押し付けることで、子供の本来のポテンシャルが潰される。(親による洗脳・・・コンフォート・ゾーンは、親から継承されやすい。Ex.子供を虐待する親は、大抵自分も同じ仕打ちを受けている。)

・また、権力者たちは、身分維持のため、他人の自己評価を低くするように働きかけてくるから注意が必要。

確かに親からの無意識の不可能視や否定視が子供の潜在思念に与える悪影響は大きいと言えそう。
また、金貸しや支配階級の意図に基づくマスコミ報道も、無意識のレベルでより目先へ、より低いレベルへ・・・と染脳してきているのは明らか。

●「信念」をつくる3つの要素「言葉」「イメージ」「情動記憶」
 

・例えば、「ダメ社員」という言葉、「仕事が終わらなくて居残りで残業させられている姿」といったイメージ、「上司に叱られて悲しかった・・・」「同僚にバカにされて悔しかった・・・」といった情動記憶がセットとなって「自分はダメ社員だ」という「信念」が形成されている。

・負の情動記憶の作用は強力だが、それを書き換えなくとも、言葉とイメージを活用すれば、信念を変えることは可能。

・「しまった!」「ヤバイ!」といった負のセルフトークは「失敗したダメな自分」という自己イメージを強めてしまう。
成功したら「自分らしい、当たり前」、失敗したら「自分らしくない」とポジティブなセルフトークを続ければ自己イメージが良い方に転換する。

・部下の指導などにおいても、部下が上手くいった場面や、あるいは上手くいっているお手本をたくさん見せ、「君はこんなふうに、もっとうまくできるはずだ」と説明(期待)し、自己イメージを高めてあげることが大事。

確かに、勝手に自分の能力や可能性に枠を嵌め、あるいは自己否定してしまうパターンは多いと思われる。
共認原理に転換した今、自己イメージを高める方法は、「自分らしい」よりは、 「皆の期待に応え充足する」言葉やイメージが有効。

●「プライミング」を仕掛ける 

「プライミング」とは、「それをすると、気持ちいい」と考えたとき、実際にするよりも先に脳内にドーパミンが流れ、その行動に向かわせるメカニズムのこと。種の保存という本能的な欲求を支えるメカニズムだが、人間の場合、この報酬系ドーパミン回路が高度に発達しており、抽象度の高い世界に対してプライミングを働かせることも可能。

・未来の目標、夢といった「好ましいゴール」を設定し、「充足イメージ」を描くことで、強いプライミングが働き、そこに向かって活力が生ずる。

まずはじめに最終的な皆との「充足イメージ」「実現イメージ」を高め、共認充足(エンドルフィン)をイメージすることで「プライミング」を働かせることが大事。(ドーパミンでなくエンドルフィンでもプライミングは働く?)

※参考「るいネット」より
「足りなかったのは、新しい「充足イメージ、実現イメージ」を伝えていくこと!」
「共認圧力を作り出せるかは、その認識がどれだけ(実現)可能性を提示できるかにかかっている」
「仮説思考~「はじめ」からではなく「終わり」から考える」
 

●目標達成が無意識の中に刻み込まれるには、細部まで鮮明に描かれる(臨場感を高める)必要がある。
 

こうした実現イメージ・充足イメージをより高めるためには、具体的に考えてみることが必要。

※参考:「るいネット」より
「課題を実現するためには?」
「「やる気のスイッチ」を入れるには(3)~自分のやりたいこと、目標ができた時~」

つづく・・・

投稿者 kota : 2009年09月10日 List   

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コメント

> 共認原理に転換した今、自己イメージを高める方法は、「自分らしい」よりは、 「皆の期待に応え充足する」言葉やイメージが有効。

そうですね。今は、「自己イメージ」という言葉が、意識にマイナス効果を与えかねませんね。そより「みんなの充足イメージ」と言ったほうが、やる気が出てきそうです。

投稿者 さいこう : 2009年9月11日 21:46

苫米地氏の本を依然読んで見た事があるのですが(脳の話、自己啓発系の話だったと思う)、もう一つ古い変わり映えのしない心理学だった印象があったのですが、もう一度読み直してみようと思いました。

投稿者 通行人 : 2009年9月13日 00:27

さいこうさん、通行人さん、コメントありがとうございます。

>今は、「自己イメージ」という言葉が、意識にマイナス効果を与えかねませんね。そより「みんなの充足イメージ」と言ったほうが、やる気が出てきそうです。
>もう一つ古い変わり映えのしない心理学だった印象があったのですが、もう一度読み直してみようと思いました。

苫米地氏の分析で興味深いのは、(池谷裕二氏もそうですが)無意識の領域が与える影響です。
幹は・・・無意識の領域で自己を規定する「コンフォートゾーン」を上昇させれば、今まで見えていなかったスコトーマ(盲点)が見えるようになり、目先的・本能的な欲求から自由になり、より抽象度の高い思考が可能となる。

従って、彼の言う「夢」とは、最終目的地点ではなく、あくまで抽象度の高い思考(構造認識)や視点を獲得するための手段、あるいは通過点に過ぎないと解釈しました。

但し、ちょっと気になる点は、やはり、コンフォートゾーンに働きかける際に有効な目的や夢は、自己の内から生ずるそれではなく、あくまでも社会やみんなの期待から生ずるものである点や、それは人類社会に降りかかる様々な外圧にいかに適応するか?といった明確な課題である点です。

ただ、彼の著作「洗脳支配」からは、我々普通の人間を絶えず“洗脳”し、本質から遠ざける闇の“支配者”の存在を明確に認識し、卓越した頭脳をもって闘いを挑もうとしていることが伺えました。

投稿者 kota : 2009年9月17日 23:00

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