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2009年07月14日

役に立つ勉強法って?11・・・勉強する理由

 ベネッセの資料の中に、第1回子ども生活実態基本調査報告書があります。その中に、『第3章 学習について第1節 学習の様子2.勉強する理由』
がありました。最近の子供たちが、なぜ勉強するのか?少し考えてみたいと思います。

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☆義務感や恐怖心から勉強するのか

 学力低下の原因として学習意欲の低下が指摘される。学習意欲に大きな影響を与えるものの1つに「勉強をする目的や動機(勉強する理由)」がある。ここでは、子どもがどのような理由で勉強をしているのかをたずねた。図3-1-5には9つの勉強する理由に対する子どもの肯定的な回答(「とてもそう」+「まあそう」)の割合が学校段階別に示されている。学校段階別に、数値の高い理由と低い理由をみてみよう。
 まず上位3つの理由をあげてみよう。小学生では「問題が解けるとうれしいから」「勉強しないと頭が悪くなるから」「小学生のうちは勉強しないといけないと思うから」、中学生では「中学生のうちは勉強しないといけないと思うから」「勉強しないと頭が悪くなるから」「自分がつきたい仕事につくのに必要だから」、高校生では「自分がつきたい仕事につくのに必要だから」「高校生のうちは勉強しないといけないと思うから」「問題が解けるとうれしいから」がそれぞれ上位3つの理由である。
 中学生は否定的な理由が上位2つに示されている。具体的には「中学生のうちは勉強しないといけないと思うから」といった義務感や「勉強しないと頭が悪くなるから」といった恐怖心に基づく理由が強いように思われる。一方、小学生や高校生ではそうした否定的な理由もあるが、上位2つは肯定的な理由、具体的には「問題が解けるとうれしいから」といった学ぶ楽しさと関連した理由や「自分がつきたい仕事につくのに必要だから」といった自己実現のための理由もみられ、やや救われる思いがする。

☆しかられたりほめられたりするから勉強するのではない
 下位2つの理由をみると、小学生では「成績が悪いと親にしかられるから」「友だちに負けたくないから」、中学生と高校生では「成績が悪いと親にしかられるから」「成績が良いと親がほめてくれるから」(順不同)である。勉強する理由が親にしかられるとか、ほめられるからといった親への依存とはあまり関係していないことが明らかになった。

 上記のグラフで、気になる点は以下です。

 ①『勉強しないといけないと思う。』、『勉強しないと頭が悪くなる。』という意識はどこから生まれるのでしょうか?

 上記記事との分析とは異なりますが、親の影響が大きいと考えられないでしょうか?というのも、

 「役に立つ勉強って?3」 、
 「役に立つ勉強って?6」
に書かれているように、親の自分の子の教育に対する関心は非常に高く、この関心が自分の子供に向かわないはずがありません。それは、モーレツに子供に勉強させるということではないかもしれませんが、子供たちを導くような感じで影響力を行使していると考えられそうです。
 参考に、カーナビ親という記事がのっていましたので引用させてもらいます。

『子に先回り大学・就職を指示する「カーナビ親」』

 日経新聞が、子どもに先回りしてアレコレと進路を指示する親を「カーナビ親」と名付けている。
 ・電車が遅れると、大学事務所に遅刻の電話をしてくるのは本人ではなく母親。
 ・「熱があるので休む」と欠席連絡も母親。電話の背後で「休むのは△△先生の授業」と念を押す学生  の声が聞こえてくる
 ・フィンランドでは「カーリングペアレント」という
 ・中学受験に熱心になったり、就職情報の収集や会社選びに関心を寄せたりする親が例外ではなくな  った。
 ・カーナビ親も過度になると、子どもから「失敗する権利を奪ってしまう」
 ・大学の学部選びから会社訪問の計画づくりまで娘のために喜々としてする母親
 ・期待する娘に乗り移り、覆いかぶさって生きる母親は「すごく多い」
 ・先回りして子どもに進むべき道を用意しながら、巧妙に子どもが自分で選択・決定したように見せか  ける親
 ・本当は親が準備したのに、子どもが失敗すると、『あなたが決めたのでしょ』と責任をかぶせる。
 ・有名大学の大学院まで進んだものの、研究がうまくいかず、うつ状態となり引きこもった青年が親に  「おれの人生を返せ」と叫ぶ
 ・学生の就職活動では「親の意向」が無視できない要素になっている。
 ・京都の立命館大学は、親向けの小冊子や、ホームページで親向けに就職情報の提供を始めた。
 ・福島大学は、就職先は自分一人で決めず、親と相談してという学生が多いことから、親のための就   職セミナーを企画

 ②自己実現のために勉強をするのか?

 「役に立つ勉強って?7~高校生の社会意識の高まり~」を見ますと、子供たちは、社会に関する興味関心が非常に高まっています。だから、自己実現というとちょっと片手落ちな気がします。社会の期待に応えたいという意識の高まりが、勉強の必要性に繋がっているのではないかと思います。ただし、「役に立つ勉強って?7」を読むと、社会の期待の中身が、マスコミの語る福祉であったりしますが。そうすると、学校の勉強の限界=社会の期待に直結していない。もクローズアップしてくると思います。社会の期待を掴む場、勉強する場が求められるのだと思います。

投稿者 hoop200 : 2009年07月14日 List   

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コメント

外圧(環境)⇔内圧(やる気)。

小学生~高校生が【勉強する理由】の大前提は、『“制度”的に勉強するように決められているから』ではないでしょうか(制度による固定圧力)。さらに加えるとすれば、『“仲間”のみんなが、それに従っているから』ではないでしょうか(仲間圧力)。

その根拠となるデータが、後に紹介されていました。そもそも「勉強しようという気持ちがわからない」や「どうしてこんなことを勉強しなければいけないのかと思う」と言う生徒がなんと多いことか!それは、“目的共認が為されないまま”勉強課題だけが与えられているということを示しているのでは?

なんと、小学生は3割、中高に至っては5~6割!!
http://benesse.jp/berd/center/open/report/kodomoseikatu_data/2005/hon3_1_03a.html

ただし、固定圧力はみんな一緒の圧力だから、やる気があり、成績のよい生徒と、そうでない生徒の違いを見出す場合、そこは捨象するのかもしれませんが、そもそも、全般的にやる気が喪失しているという状況認識があれば、そこからの見直しが重要だと思いますよね。

何れにしろ、それらを踏まえた上で、親や先生の期待状況(期待圧力)を塗り重ねて、より構造的に、生徒たちの外圧状況を把握してゆきたいと思いました。

※参考
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=24647
社会収束1 評価共認が生み出す同類圧力
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=24648
社会収束2 私権圧力を超えた外向収束の潮流

投稿者 ( ̄▽+ ̄) : 2009年7月16日 14:40

子ども達にとって、外圧を感じるっていっても、なかなか難しいですよね。ウチの子ども達をみていても、まだまだ遠いって感じ。

「できたことを、ほめられる。」とか、「友達に教えて上げて、喜んでくれる。」とか、勉強することが、自らや相手の充足に繋がっていく。

小・中生あたりは、そんな充足体験が勉強への活力源として、大きいように感じます。

そして充足対象が、年とともに身近な友達から、もっと広い対象へと広がっていく。そんな教育環境になっていけばいいなって、思います。

投稿者 hajime : 2009年7月16日 15:48

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