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2009年06月12日
子どもが心を拓くとき
子どもたちは(先生や親たちが思っている以上に)ストレスや不安をため込んでいます。
ただし、ストレスや不安があるのは今も昔も変わりません!しかし、それを相対的に低くしたり解消させたりする要素が減ってきたのが現代社会の特徴であって、防波堤がない現在では、そうした鬱積(うっせき)を、子どもはひとりだけで肥大化させていく傾向があります。(TT)
そうさせる現代社会の特徴として、学校や家庭といった『場の閉鎖性(密室性)』が挙げられますが、その本質は、先生や親たちの『意識の閉塞性(密室性)』であり、それゆえに、先生や親たちは、「子どもたちのストレスや不安を受け止めることができない」と言えます。
では、子どもたちが自ずと(充足を求めて)心を拓いていくような、“開かれた人間性や社会性”を獲得するにはどうすればよいのでしょうか?
●『子どもの力は学びあってこそ育つ――金森学級38年の教え』(金森俊朗著)の第三章「子どもの生活と内面世界はどうなっているのか~子どもが心を拓くとき」より、
>子どもが心を拓くときに大事なのは、私たち教師が内面世界について子どもに根堀り葉堀り聞くこともでもないし、親を興信所のように調査することでもない。大事なのは、現実がどうであれ、子どもがどう思っているかということである。なぜ子どもがストレスや不安を私の学級で出しやすかったのかというと、私が現実の社会と多様な接点を持ち、その中で生きているということが一つある。
>教師が夜の七時や八時まで学校にいては、現実社会に生きていることにはならない。土日にも学校にベッタリいることがよい教師の条件になることは、絶対にない。なぜならば、いろんな場や社会的な活動、運動にかかわらない限り、世の中が見えないからだ。いろんな働く人たちと接点がなければ、今、親たちがどういう労働条件下にあるかがわからない。
>教師たちは、ここ最近、仕事を取り巻く状況について「ひどいひどい」と口にするが、世の中はもっとはっきりした形でリストラされ、もっと激しいかたちで人事考課や成果主義が採用されている。はるかに普通の社会のほうが先行していて、今やっと教師のほうに普通の社会の波が押し寄せてきたのである。
>例えば、なぜJR西日本やJALに事故が多いのかと考えるときには、会社のシステムや労働者の置かれている問題点に目を向ける必要がある。その中で重要なのは、失敗を職場で堂々と語れるか語れないかという点である。JR西日本では、失敗を語れば、即、日勤教育が始まっていた。つまり、失敗を職場で話すことはタブーなのである。成果主義などがなかった時代は、普通の職場の中で、先輩が「おれ、こうしたときにブレーキ踏んだけれども、三十センチオーバーしてしまった」と言うのを聞いて、「ああ、そういうところに気をつければいいんだ」と後輩が失敗を未然に防ぐことができたという。ところが今、そんなことを言おうものなら、すぐ上司に報告書を書いて日勤教育を受けなければならないことになるようだ。学校の職員室の状況もそうなりつつある。ひどさを嘆くことを悪いと言っているのではない。連帯する目を持つことが大切だと言いたいのだ。
>親の労働条件や社会の動きを教師が知らなければ、子どもたちが言っていることの重さは理解できない。何人かの親が「本当に金森学級でよかった」と言う背景には、私が事の重さをしっかり受け止めていた、ということがある。
●現実の社会と多様な接点を持ち、その中で生きていること!!
そうすることで、(子どもたちが感じている)『事の重さ=外圧』をしっかり受け止めることができ、共に認め合える(共認し、充足し合える)という点がポイントです。
そのための場作りとして、(世の中に生じている様々な問題の)事の重さ=外圧をしっかり受け止め、その内容を子どもたちに発信していくことが求められているのですね。
また、それが同時に、子どもたちの目を社会に向け、子どもたちの心を育てていくことになっていくと感じました。
投稿者 toya : 2009年06月12日 TweetList
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コメント
投稿者 yama
子供をどうにかしようと子供を見てもどうにもならない。ってことでしょうか?
仕事でも何でも同じで、目の前の問題ばかりに躍起になっても何も変わらない。寧ろ悪化していく。
子供達を社会から切り離して見てしまうから子供達が孤立していくのでしょうね。
これは大人も同じでしょうね
投稿者 餓狼
>●現実の社会と多様な接点を持ち、その中で生きていること!!
これが本当に重要なんだと思います。
子どもが成長してゆくためには、周りからいろいろなことを吸収することが必要なんだけど、最近はそのチャンネルが極めて貧弱になっている。
たぶん、周りの大人たちが無能化していることが一番の原因なんだけど、だから、いろいろなところで現実社会と繋がるチャンネルをもつことがほんとうに必要だと思います。