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2009年03月06日

共同保育の可能性(^υ^)/part7~キブツが人口増加中!

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読売新聞の2月21日の記事に「キブツ」について書かれていたので紹介します。
キブツについては、以前にも当ブログでも紹介されています。

共同保育の可能性(^υ^)/part4~共同保育事例:イスラエルの生産共同体キブツの「子どもの家」
共同保育の可能性(^υ^)/part6~共同保育事例:“キブツ”の事例補足

キブツは2001年から人口増加に反転したようです。
それは一体なぜでしょう?

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以下は読売新聞からの引用です。

キブツはヘブライ語で「集合体」の意味。100~1000人の集団が農場や工場を共同所有し、自治組織を作って生活するイスラエル独自の制度で人口の2%、12万人が在住する。

始まりは20世紀初頭、欧州から来たユダヤ移民が社会主義に基づく国家建設を目指して作った共同農場だ。(中略)キブツはユダヤ人が、利益を度外視して自ら耕し、国土を拓く理想の象徴とされ、1910年設立のデガニヤはその第1号だ。
ホロビッツさんの勤務は午前6時から午後2時まで。月給は手取り8,000シュケル(約20万円)で、国の平均賃金並みだ。1DKの自宅や家具は、キブツの支給。生活は質素だが、表情にはゆとりがある。
キブツでは、65歳以上の住民の6割がホロビッツさんのように働く。全国平均(12%)と比べ、高い比率だ。「共同体への奉仕」の理念に基づき、能力に応じて全員働くべきだとの考えが浸透するからで、高齢者や障害者用の軽作業場を設けるところも多い。キブツ運営の高齢者施設もあり、ホロビッツさんは「できるだけ長く働き、老後は世話になるつもりだ」と話す。

キブツは90年代以降、若者の流出で人口が減少し、現在、住民の約3割は50歳代以上が占める。だが、2001年以降、子育て中の家族の移住が相次ぎ、人口は増加に転じた。

デガニヤの宝石工場で経理を担当するタマル・ガルサラさん(48)は15年前、長女の出産を機に家族で移住した。それまでは米国のキャリア・ウーマン。収入は半減したが、「昔は、夜まで働きづめ。今は家族と仕事のバランスが取れる。お金より貴重な幸せを得たわ」と話す。近所の人は全員顔見知りで、気軽に子供達を預けられる。緑豊かな環境もうれしい。
「20歳の時は地域の絆が窮屈だった。今は、本当にありがたい。」ガルサラさんの満ち足りた表情が物語るように、安心の生活が、ここには確かにある。

キブツの人口推移
年代  キブツ数   人口
1920   12     805
1940   82    26,550
1950   214    67,550
1970   229    85,100
1990   270   125,100
1991   270   129,300
1993   270   126,100
以降はグラフからのデータでキブツ数は不明(多分変わらず)
1997     約118,900
1998     約118,300
1999     約117,400
2000     約116,200
2001     約115,400
2002     約115,700
2003     約116,000
2004     約116,300
2005     約117,800
2006     約120,000

キブツは、61年前に建国を担った労働党体制化で建設が進んだ。平時には国家経済を支え、有事に戦地に赴く「屯田兵エリート」の養成機関でもあった。給料ではなく、化粧品から家具まで必要品は現物支給。子供は親と別れ、集団保育されるのが常で、プライバシーは無きに等しかった。

だが、80年代、右派政権の発足で補助金は削減され、年間250%のインフレが国を襲った。経営危機に陥ったキブツは、相次いで職能別給与制や外部からの資金導入に踏み切った。
現在ではこうした「資本主義キブツ」が全体の3分の2を占め、米株式市場での資金調達や外資との合併も珍しくない。個人の自由裁量の幅も広がり、現在では住民の約2割が域外通勤する。
「キブツが生き残るには、時代に対応する一方で、『共同体への奉仕』という理念の維持が必要。バランスが難しい」と自身もキブツに属するハイファ大のミハル・パルギ教授(キブツ研究)は指摘する。
教授の大学の月給1万6000シュケル(約40万円)は全額キブツに振り込まれキブツからその4分の1が給与として支払われる。「平等」を重んじ、メンバーの給与格差が20%程度に納まるよう調整されるためだ。教授が損得勘定を度外視してキブツにとどまるのは、「建国を支えたキブツ理念への共感」からだという。
ただ、イスラエルは、1人当たりGDPが約2万9000ドルと欧州並みの豊かな国になり「共同体への奉仕」という理念は薄らいでいる。今後、キブツが若者を引きつけられるかは、「金銭では得られない豊かさ」を提示できるかどうかにかかっている。

キブツの人口増加の背景には「欧州並の豊かな国」という記述でもわかるように、豊かさ実現から本源収束へ向う意識潮流と見ることができるのではないか!?
るいネットのこの認識(新しい潮流1 社会捨象→不全捨象の充足基調(’70・’80年代))からすると、日本の意識潮流と比べて20年~30年遅れている感じだ。
世界的には、世界経済危機の影響を受けて、このような動きが加速されることが予想され、ますます、先陣を行く日本の行動が世界的に注目される可能性が高まったということも言えるのではないか!?

投稿者 sashow : 2009年03月06日 List   

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