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2009年02月07日

学校ってどうなってるの?99 ■親和欠損→期待封鎖⇒同類圧力

 引き続き、「学校ってどうなってるの?」シリーズで、根概念の紹介です、今回は、親和欠損、期待封鎖、同類圧力です。

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 拡大して図解を見たい方はここをクリックしてください(今回の根概念に関係ある『共認心理学』の図解です)。

 まず、各用語の定義を、るいネットの「新概念定義集」から引用してみます。

親和欠損(しんわけっそん)

 親和とは、主に乳幼児期における母子間の授乳やスキンシップによる一体感や充足感のこと。
乳幼児にとって、親和充足は人格形成上決定的に重要であるが、母親から十分な親和充足を与えられないと親和欠損に陥り、様々な精神欠陥の原因となる。

期待封鎖(きたいふうさ)

 親和欠損が原因で、己の欲望や期待を封じ込めること。赤ん坊にとって母親は絶対であるため、親和欠損に陥ってもそれは「自分が悪いからだ」と自己攻撃し、己の期待を封鎖して、母親の期待(規範観念)に収束する。また‘95年頃から増えた輪番制のいじめ空間を体験すると、自らは発信せずに周りに合わせる回路が形成され、期待封鎖が深刻化する。

同類圧力(どうるいあつりょく)

 性闘争、期待・応合や同類闘争など、同類同士の関係の中で生み出される圧力のこと。狭義には期待と応合の共認圧力を指す。
貧困が消滅し、物的な生存圧力(自然圧力と外敵圧力)をほぼ克服した人類にとっては、この同類圧力が唯一の圧力源=活力源となる。

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 子供の人格形成上、母親との親和充足が重要であり、それが欠損することで、様々な精神欠陥を引き起こすことになります。親和欠損と精神欠陥との関係を示した投稿がるいネットにありました。引用させてもらいます。

るいネット
『社会空間の共認圧力をも対象化する共認心理学』
です。参考になるので引用します。

 

それでも、比較的ましな精神科医や心理カウンセラーは、患者を取り巻く家庭環境・職場環境に着目するようであるが、それだけでは不十分である。共認圧力⇒共認充足は、顔の見える範囲の集団内の共認圧力を超えた社会的な圧力だからである。

>共認圧力(評価圧力や固定圧力)で満たされた社会空間の中では、個人や集団の思考や行動は、その共認圧力(注:これを社会圧力と呼ぶ)によって強く規制される。従って、人々の外識機能は、必然的に個人や集団を超えた社会圧力の把握へと先端収束する。換言すれば、人々の外識機能は個人や集団を超えた最先端の状況認識へと収束する。

共認心理学の特色は、顔の見える範囲の集団内の共認圧力にとどまらず、それを規定する社会空間の共認圧力をも対象化している所にある。

引きこもりや自傷、うつや期待封鎖といった病理が増えてきた時代背景として、全社会的な規範圧力の衰弱がある。母親の役割規範が解体し、母親の自我=自分第一になり、親和欠損が増大したことが原因である。

60~50代の母親は根本的な親和充足は与えないが、役割規範が多少は頭にあるので、体裁上あれこれ世話を焼いたり、物を買い与えたりする。そうすることで母親としての役割を果たしていると自己正当化する。その結果生まれたのが、過保護→引きこもりである。

規範がほとんどなくなった50代の母親では、構うことさえもしなくなったが、まだ社会全体が私権に収束できていたので、「いい学校に入れ」「尊敬される人になれ」と口では言っていた。やるべきことは何もしないで、期待をかけることが母親の役割であるかのように錯覚している。その結果生まれたのが、過期待→期待に応えられない⇒ダメ観念で自己攻撃し、うつになる若者である。

さらに下って50~40代の母親になると、私権も規範も衰弱し、子供に与える中身もなくなる。何を期待していいかわからず「あなたの好きなようにしなさい」としか言えなくなる。その結果生まれたのが、無期待・無反応→他人不信・親和捨象し、自分の期待(感情)を封鎖した若者である。

精神病理も、全社会的な規範の衰弱・私権の衰弱の進行に規定されて、その中身が変わってきたのである。

また、最近うつが急増しているのは、生い立ちだけの問題ではない。私権収束力の低下→収束不全が顕在化し、日本人全体が活力低下している。社会全体がうつ化していると言ってもよい。うつの急増は、社会全体の空気=共認圧力を反映した現象である。悩みや精神病理の原因は、生い立ちなど顔の見える範囲の共認圧力と社会的な共認圧力の二段階構造になっているのだ。

 ここでの注目点は、このような病理(精神構造)は、個々人の生い立ちだけではなく、それ以上に、時代背景としての社会全体の空気=共認圧力、規範圧力に大きく支配されるという点である。親和欠損がいろんな精神欠陥を生み、それが、周りに対し、期待をかけれない=期待封鎖の子供たちまで行きついてしまいます。一人では生きていけない人間にとって、周りに期待をかけれないって致命的です。

 ではどうすればいいのか?それは、失われた社会全体の空気=共認圧力・規範圧力=私権圧力に代わる、次の共認圧力が必要だと思われます。

 上記投稿にも書かれていますが、日本においては、‘70に貧困が消滅するまでは、貧困を克服するための、私権(私的権益)獲得圧力が最大の圧力源=活力源でした。そのため、自分の生活を確保するために、ライバルに負けないように一生懸命勉強し、良い学校に入り、良い会社に入り出世することがみんなの目標だったと思います。

そしてその私権圧力(自分のために頑張る)に代わるものが、人と人との期待と応望によって自分たちが作り出す共認圧力=同類圧力なのです。同類圧力は、みんなの期待に応えて充足する圧力であり、周りの期待に目を向け、期待を積極的に発信することが決定的に重要になるのだと思います。

投稿者 hoop200 : 2009年02月07日 List   

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