婚姻史シリーズ(12) ~近代日本における婚姻制の変化~ |
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2009年01月19日
漆紫穂子著『女の子が幸せになる子育て』より ~心のスイッチ分析してみました!
『女の子が幸せになる子育て』
この本 ご存知でしょうか? 😀
巷でも話題になっているので読んだ事がある方も多いかもしれませんが、私も遅ればせながら読まさせて頂きました!面白かった~ 😛 !中身も面白いんだけど、何よりも著者の漆紫穂子さんが面白くて魅力的です 😉 !
ということで、今回は、とある番組のドキュメンタリーで紹介されていた内容とあわせて、この著者自身についてや、その成功体験の本質にまで迫ってみたいと思いま~す。
では、文頭で上げましたタイトル本 ですが、この内容を一言で言うなれば、『心のスイッチ』をテーマにした成功体験談と言ったところでしょうか。
『心のスイッチ』?
「あ!、聞いたことある 😯 」という方も多いかもしれません。私も『心のスイッチ』という言葉自体は、小学生の頃、先生から「心のスイッチを入れ替えて今は勉強に集中だよ~」と言われ続けてきた経験もあり、親しみがあるのですが、漆氏が使っている『心のスイッチ』とは「気分を入れ替えて」という意味のものではなく、「やる気のスイッチ」と言い換えることができるものです。つまり、この本 の中には「子供達が主体的に取り組みたい :tikara: と感じさせる、やる気を引き出すためのエッセンス」が詰まっていると考えてください。
ほ~ら、読みたくなったでしょ?ね? 😀
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では、まずは本文の概要に入る前に、著者の漆紫穂子氏の紹介から入ります。
漆氏は、大学卒業後すぐに、都内の私立中高一貫校の国語の教師として教鞭をとり、その後、父の跡を継ぐ形で、品川女子学院の第6代校長として就任を果たします。就任当初は1学年5人といった、不人気校で生徒が全く集まらない学校でした。このままだと廃校確実という、まさに背水の陣に立たされていた状況下での就任だったのですが、それをわずか7年間で、中等部入学希望者数を60倍、偏差値20UPという前人未踏の快挙を成し遂げ、瞬く間に知る人ぞ知る有名人となったのです。そこで、彼女がした学校改革とは、校名変更や制服の一新、校則の改定を先陣に、今までの旧体制のガチガチの教育方針を抜本的に見直し、大改革を試みました。それは教育方針から運営形態、学習要領に至るまで、生徒の反応を採用不採用の判断軸に柔軟な変革を開始したのです。そして、その根底にあったものが「やる気」をキーワードにした可能性先の探索だったのです。その結果として、今や誰しもが「行きたい!、行かせたい!」女子校として必ず名前が上がる学校にまで成長をしました。
この成功の背景には、著者である漆氏の性格による部分がかなり大きく影響していると思われます。本文中にも書かれていることなのですが、著者は言葉を頭の中で文字情報として処理しながら話す理詰めタイプの人間(本文ではコミュニケーションタイプを3つに分類し、自分を聴覚タイプの人間と表現している)であると自己分析しているように、状況分析力に非常に長けている人のようです。また、これに加えて特記すべきは、文中の実践内容から読み取る限り、人の意見を素直に受け止め、それに潜在的に可能性を感じたら、とにかく実践してみるといった可能性発の実践タイプの人間であることも分かります。
大きくはこれら2点の性格と「生徒のやる気 :tikara: 」をキーワードにして学校運営を再構築したことが、彼女の成功の根幹を担っているのではないでしょうか。これらがうまく絡み合い機能したからこそ、成功も失敗もそのまま放置せずに、それらを分析し蓄積した上で次なる可能性を探る頭の使い方へと自然になっていたのです。そう考えれば、瞬時に抜本的な改革に踏み切れ、今のような成果につながったことも容易に理解できます。
では、そんな彼女の有り難い成功体験談をドキュメンタリーの内容も含めて大胆にも大きく6つに分類してまとめてみました!題して、「生徒のやる気を引き出す6つのキーワード」です!!!
①わからないことを聞くことは「いいこと」だ!質問・発信の奨励教育
②行き詰ったら、うまくいっている人の真似をしよう!真似ぶ姿勢の教育
③失敗も成功もしっかり評価し、次へと活かすためにどうするを考える実現思考教育
④社会を通して生徒自身が社会を担う一員なんだと感じさせる本格的な実践教育
⑤社会に目を向けさせるきっかけづくりと、それにより自ら可能性(目的、ゴール)を見つけさせる目標設定教育
⑥校長自らが生徒ひとりひとりに目を向け、ひとりの人間として接し、踏み込む教育
①わからないことを聞くことは「いいこと」だ!質問・発信の奨励教育
品川女子学院の授業自体は、別段中身が凄いというわけではないようです。どうも徹底した規範化を実践していることにそのポイントがあるようです。それは、「なんでもいいから先生に質問をすること!」質問や発信することを奨励する空気というものをつくり出していることが大きそうです。誰でも思春期を迎えると周りの評価を気にするあまり、「わからないことは恥ずかしい」という内向きなマイナス思考 😥 になりがちですが、それをしっかりと否定し、「わからなければ、聞いて理解したらいい!わかるともっと楽しいよ」という実現後のイメージを伴った前向きなプラス意識 😀 をつくることで、思春期のマイナス思考を塗替えることを実践しているようです。また、それをさらに強化し、サポートする場として、休み時間ごとに特定の場所で先生が生徒の質問に答える質問コーナーを設置し運用しているようです。ここでのポイントは、聞きに来てくれた子を褒め、また聞きに来たいという気持ちにさせているということでしょうか。その結果、毎日休み時間、昼食時間、放課後に行列が出来るくらい生徒が教科書、ノート片手に集まり、大盛況しているというのだから本当に驚きですよね。
②行き詰ったら、うまくいっている人の真似をしよう!真似ぶ姿勢の教育
生徒の中には、真面目で勉強時間もしっかりとっているのに成績が伸び悩んでいる子がいるそうです。というのも勉強自体が基本的に個人課題になりがちになるので、その勉強方法自体がみんなそれぞれの独自なものへとなる傾向があります。ですから、中には、非常に非効率なやり方をしているケースも散見され、やり方さえ変えれば、もっと成績も上がるはずなのに・・・と語ります。その解決の糸口に友人同士で教え合うというやりとりを奨励することでその部分の改善を実践しようとしています。そして、その効果か驚くことに休み時間や昼食時に方々で友人同士で勉強している姿が見られるほど、「ああでもない、こうでもない」と思考する姿が見られ、それが本当に楽しそうに映るのが印象的でした。しかも生徒達も「(友達と)一緒に勉強するとやる気も断然違ってくるし、楽しい」とコメントするくらいの効果を実感しているようなので、もう少し実践内容について具体的に知りたいところではあります。そして、この勉強法の真髄は、友達同士の勉強方法をお互いに見て、いいと思ったものはすぐに真似てやってみる、ダメな部分は指摘する!という、お互いを成長させるきっかけづくりにあるのだと感じました。
ここまで①②は通常授業での取り組みですが、③④⑤は品川女子学院を大きく特徴付けた特別授業での取り組みです。
③失敗も成功もしっかり評価し、次へと活かす実現思考教育
④社会を通して生徒自身が社会を担う一員だと感じさせる実践教育
⑤社会に目を向けさせ、自ら可能性(目的、ゴール)を見つけさせる目標設定教育
品川女子学院の名物とも言える特別授業ですが、その中身は凄すぎます 😯 。そこでは常に現実の社会を対象化したプログラムが実施されています。例えば、経済のシステムを導入したカリキュラムや、実現可能・不可能という実現性の酌量まで考えさせる商品開発コンペ、各分野の社会人を呼び講演会を開き議論するなど、どれも超本格的な社会授業が行われているのです。品川女学院の生徒の現実的で希望に満ち溢れた「やる気 :tikara: 」というものは、おそらくこの特別授業で形成されていそうです。
学校行事ひとつとっても、その流れを受けていることがわかります。文化祭を例に取ると、各クラスでまず一人社長 を決め、生徒それぞれに役割を割りあてます。その後、商品の選定から材料の購入業者決定、運営計画や配送手順、コストと予測利益など専門家と共に組み立て本格的にある種ひとつの企業を起業するわけです。そして見ものなのが、それを株主総会を開きスポンサーがつくか、つかないかのプレゼンテーションを実施し、文化祭に出店する超本格的な市場社会を体感させるというのだから驚きです!そして、更に成果がどうだったのかを株主総会で評価し総括した上で、次の方針を提示するなど、ただの疑似体験で終わらせないところが憎いところです。
こういった生徒が社会と直接触れ合う機会というのは、今までの旧体制の学校教育では実現しがたいものでした。ですが、それを壊し、実現させたというのはまさに漆氏の力量を示すところです。またここで重要なのが、この経験を通して生徒達が「自分達が社会の一員として存在し、役割があることを把握する」ことに繋げていることです。これは生徒達の主体的な「やる気 :tikara: 」に最も影響を与える部分ではないでしょうか。
これらを通して、生徒自らが、社会のニーズや期待を読み解きながら、社会に出るイメージをつくり、将来の夢を自信を持って語れるようになれる教育とは、まさに理想的だと感じました。最後に、現実のものとして夢を語り、それを実現するために勉強したいと話す生徒の顔は大人顔負けでした。
そして、最後は漆校長先生の日課です。
⑥校長自らが生徒ひとりひとりに目を向け、ひとりの人間として接し、踏み込む教育
校長先生には自ら毎朝実践していることがあるそうです。絶対にかかせないことだとおっしゃっていたのは印象的です。それは、毎朝、校舎の入口に立ち、率先して生徒一人一人に話しかけ、最近の調子やクラブの成果、あのとき良かったよなど声をかけるという、生徒と先生とのやり取りだそうです。こういったやりとりがあることで、大人がきちんと自分のことを見てくれているという生徒達側の安心感と、学校の方針が現状で上手くいっているかどうかの確認の意味があるのでしょう。
大きくはこんな感じで生徒のやる気を引き出しているようです。さらっと書いてしまいましたが、もっと分析し考察するべきことは多々ありそうです。機会があればもう少し、この「やる気のスイッチ」についても追求してみたいですね!読んでいただいてありがとうございます。この記事が皆さんの役に立てたら嬉しいです。あ!!あと是非、本を手にとって、漆氏の思考に同化してみてください。もっとたくさんの気付きがあるはずですよ。
投稿者 YOSI : 2009年01月19日 TweetList
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コメント
投稿者 うるし
それから、じぶんから あいさつが できるように なりましたか?せいとさんが。。。