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2008年05月13日

「地域で学校を支える」から「みんなで子どもを育てる」へ

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平成20年度の文科省の新規事業として学校支援地域本部事業がスタートしました。

これまでも、学校支援ボランティアとか学校応援団などといった活動がありましたが、もう一歩踏み込んだ体制づくりを目指し、当面は3ヵ年で全国1,800ヶ所の全市町村に整備してゆくことを目指しているようです。

核家族家庭の内向きな「子育て」と学校に一方的に子どもを押し付けて要求するだけの「保護者」、ほとんど義務感だけで活動してきたPTA、といった体制から地域のみんなで学校を支える体制へと転換することを目指しているようです。

今回は、その内容を見つつ、これからの課題と展望を考えてみたいと思います。

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●文科省で推進しようとしている「学校支援地域本部(以下、要約)

~地域ぐるみで学校運営を支援する「学校支援地域本部」~

●地域全体で学校教育を支援する体制づくりを推進
学校は地域の支援を得ることで、学校と地域との連携体制が築かれ、地域の人たちの学校に対する関心が高まることを期待。
多忙な教員を支援し、勤務の負担を軽減することで、教員が子ども一人一人に対し、きめ細やかな指導をする時間を確保できることも期待。

●学校の運営を地域補完し、学校を活性化
原則として中学校区に設置される学校支援地域本部では、学校支援活動の企画、学校とボランティアの間を調整する地域コーディネーターの配置、学校支援ボランティア活動の実施、広報活動、人材バンクの作成、事後評価などを行う。学校支援地域本部が提供するサービスは、学校の授業補助、校内の図書室での書籍貸し出しなどの管理・運営、校庭の芝生や花壇などの整備など多岐にわたる。
学生時代などにスポーツや文化活動を経験し人に部活動の指導をしてもらうなどの活動も行う。

●学校を核として市民が様々な取り組みを実施
PTA、学生や卒業生など学校外の市民が積極的に学校支援活動を行ってきた事例がある。
学校支援地域本部を通して、市民一人一人が地域の学校を支援することが可能。

実は、これまでも学校支援ボランティアといった形で様々な活動が行われてきています。
日本各地の学校や市町村などで意欲的な取り組みを行っているところがけっこうあります。

一方、ボランティアというかたちでの個人参加の体制であるための限界もあるようです。(リンク
 ・ボランティアと教師の連携不足
 ・ボランティア同士の連携不足
 ・ボランティア公害
などの問題が指摘されています。
また、PTA活動についても、意欲のない保護者を無理やり動員している実態についてはよく言われるところです。

今回、文科省がこのような事業を立ち上げるヒントのひとつになったと思われる、杉並区和田中学校では、地域本部を設置し地域の人たちによる様々な学校支援活動を組織化するとともに、従来のPTAは地域本部の中の現役保護者部会として位置づけられています。

和田中での経緯が示唆するように、地域の人々による状況認識と課題の共認が不可欠だと思います。具体的には、現代の家庭では子どもたちを健全に育てるのは相当な困難課題となっており、地域みんなで子どもたちを育てることが必要であるということ。
潜在思念のレベルではそういった意識があるからこそ、個人で学校支援ボランティアに参加しようという人たちが多くいるのだと思います。

「余った親たちは何をする?」というテーマに即して言えば、みんなで学校を支援する活動もそのメニューのひとつになると言えます。親の親である高齢者もやることが無い人が多いから、学校支援活動は高齢者が役割を見出せる分野になります。

しかし、それだけでは何か不足している!
個人のレベルで参加していた学校支援ボランティアを組織化しようとする今回の文科省の施策はひとつ先に進むものと言えるとは思われますが、それだけでは何か不足している。

直感的に思うのは、子どもは親(家庭)のモノではなく、社会の資産であるということ。
これからの社会を担う人材を育ててゆくことが皆にとっての共通課題であるということの共認が必要。

大人(親)たちの認識転換が必要だと思います。

byわっと

投稿者 wyama : 2008年05月13日 List   

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