| メイン |

2007年06月22日

DVの実態を探る(3)被害者の意識 なぜ,DVから逃げられないのか?

DVが増えているのか、減っているのか?
間違いなく相談件数は、増えている。
ここでは、いったん数に終始することなく、原因に迫ってみたいと思います。
女性相談マニュアルより

【ドメスティックバイオレンスのサイクル】
ハネムーン期→緊張の蓄積期→暴力の爆発期→ハネムーン期→
(暴力は繰り返される)

長期間,暴力を受けて生活をしていると,DV被害者は正常な判断力や行動力,自尊心
などが奪われて無気力状態となり,暴力の悪循環から逃れることができなくなっていきま
す。

Q なぜ,DV被害者は暴力から逃げられないのでしょうか?
被害者が「逃げない。」「逃げられない。」という背景には様々な問題が存在します。

・経済的依存
  ~夫がいなければ生活していけない。
・親,妻としての責任感,罪悪感
  ~私がいたらない。子どもに申し訳ない。
・自立への不安
  ~ひとりで生活していけない。
・根拠のない楽観主義
  ~暴力はおさまる。状況はいずれよくなるという思い込み。
・救世主としての誤解
  ~自分がいなければ夫を救えない。
・周囲への対面,屈辱感
  ~周囲の人に知られることを恥,屈辱とする思い
・絶望感,あきらめ,否定
  ~他人はもっとひどい暴力を受けているという思い
・報復への恐怖
  ~家を出ようとしたり,誰かに相談したことがわかるともっとひどい暴力を受けるのではと
いう恐怖
・支援の不足,孤立感
  ~支援をしてくれる親戚,知人がいない。相談先がわからない。
・愛情,執着
  ~愛された記憶や自分が愛情を注いだことへの執着
・マイナスな自己存在価値
  ~暴力をふるわれる自分に存在価値を確認する真理

が挙げられています。

続きを読む前にポちっとお願いします。

 にほんブログ村 子育てブログへ

■整理及び見解
①依存性
確かに、女性は、男性に比べると、経済的には不安な面があるかも知れないが、自立している女性は、たくさんいます。「自立への不安~ひとりでは生きていけない」は、経済的な面よりも、女性特有の依存性が“暴力を振るう相手であっても離れられない”強依存にまで至っている事に問題がありそうです。

②繋がり不足
・相談する相手がいないなど繋がりの希薄さが感じられます。
・都市化、核家族化が進み、そして近所付き合いがなくなり、また、個人主義が蔓延し他人の夫婦(家庭)には口を挟まない風潮が、表出しない原因になっている。

③思い込みが激しい
上記②と繋がってくるが(相談する相手がいないと「周りはどうなの?」かが見えてこないので)思い込みが助長される。周りからも実態が見えないという、家庭の密室化に問題がありそうです。
>暴力はおさまる。状況はいずれよくなるという思い込み。
>自分がいなければ夫を救えない。
>他人はもっとひどい暴力を受けているという思い

④親和不足(欠損)
・「いい母親(妻)であらねばならない」と言った理想や価値観に囚われ過ぎ、出来ない自分を責め立てている。幼少期の頃の母親との関係が要因と思われる。“母親のいい子”期待。絶対的な存在である母親の期待に必死で応えようとする子供。もがき苦しんでいる子供が目に浮かびます。母親との親和関係が大人になっても引きずっている(潜在思念に刷り込まれている)のではないでしょうか?
・母親の“いい子期待”は、果たして子供を対象化した上での期待だったのだろうか?
・「あなたの好きにしていいのよ」と言った、あたかも相手(個人)を尊重しているかのような放任主義。または、過保護。
・一方で、誰に相談することも出来ない“子育て”を抱え込んでしまわざるを得ない現状。“子育て不安は、子供に転写されてしまう。

>私がいたらない。子どもに申し訳ない。
>愛された記憶や自分が愛情を注いだことへの執着
>暴力をふるわれる自分に存在価値を確認する真理

■冒頭に戻って、相談する間口が増え、徐々に実態が明らかになってきているが、答え(改善)にたどり着かない根本原因の一つとして、そもそものDVの捉え方に問題があるのではないでしょうか?例えば、この女性相談マニュアルには、“女性への暴力は、人権侵害です。”と書かれている。

2 ドメスティックバイオレンス
女性への暴力は人権侵害です。
 配偶者間等の暴力は,閉ざされた家庭内で行われるため,潜在化,深刻化しやく,
「プライベート」な問題として処理されがちです。しかし,暴力を生み出す根底には女
性に対する差別意識,「男は仕事,女は家庭」といった性別役割分担意識が社会システ
ムや慣行の中に未だ根付いていることが原因の一つであるといわれています。社会的,
経済的,内面的に優位に立つ男性が弱い立場にある女性を暴力で支配しようとする行為
は個別的な問題ではなく女性の人権を侵害する犯罪です。

“閉ざされた家庭”に問題があるのであって、原因を差別意識、“人権侵害”に摩り替えた時点で、ボケたものになってしまい原因⇒答え(改善)に繋がっていかない。

投稿者 sodan : 2007年06月22日 List   

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://web.kansya.jp.net/blog/2007/06/259.html/trackback

コメント

>暴力はおさまる。状況はいずれよくなるという思い込み。
>自分がいなければ夫を救えない。
>他人はもっとひどい暴力を受けているという思い

思い込みって、要するに考えることから逃げてるだけですよね。自分の都合のいいように解釈したって、状況は絶対に変わらないのに・・・。

「家庭の密室化」にいいことなしですね!

投稿者 りんご☆ : 2007年6月23日 21:10

DVを問題にする背後には、『暴力と男尊女卑』に対する否定意識があるようですね。
つまり、自己のストレスであれ、家庭の秩序維持であれ、その解決方法として、『力の序列に従う』という旧い統合原理(本能原理)に対する問題意識があるということです。
まずは、ここを明確にすることが重要だと思いました。

そして、社会的な圧力から隔離された“密室”家庭であるからこそ、旧意識・旧手法が維持されているとも言えそうです。

投稿者 ふくしょー : 2007年6月23日 21:10

はじめまして

奥田先生の教育改革ぶろぐから辿って来ました。奥田先生ぶろぐが復活されたのはご存知ですか? ちょうどこちらでもDVのことが扱われていて参考になります。

投稿者 sako : 2007年6月23日 21:49

りんごさん、ふくしょー、sakoさんコメントありがとうございます。

・整理、見解をまとめていて、①~④は、全部繋がっていて根っこは、密室家庭に問題があるんだなぁと言うことがはっきりしました。
逆に、蜜室家庭と一括りにしてしまうと問題が見えにくくなることも。

・DVの実態調査を国が始めたのは1999年。また、平成12年(2000年)12月に「男女共同参画基本計画」が閣議決定。背景には、男女平等思想が関連しています。

・奥田先生の教育改革ぶろぐを検索してみたのですが、なかなか見つかりません。アドレスを張っていただけると助かります。

投稿者 sodan : 2007年6月30日 00:39

私も暴力を受けています。
暴力をふるわれたときは、逃げようと思います。
でも、今の生活は維持したいからがまんします。
親にも子にも職場にも迷惑がかかります。
仕事は、失いたくありません。
愛情の過多で暴力につながっていることがわかっているから、逃げれません。
もし嫌いでの暴力ならすでに逃げていると思いますが・・・。
愛情を私が受け止めきれていないのも事実です。いつまでも幼稚で、自己中な男だと思います。ハネムーン期と言うのですね。そのあとは、確かに一時優しくなりますね。でもまた、いらいらしてきれて、始まります。
私は、職場の人権研修で男女共同参画などと習いましたが、下手な知識の押し売りをすれば、逆効果になります。うちの場合、所得も私の方が多いので、それもストレスのようです。
訳もわからず、怒られるので、わざとじゃないと説明しようとすれば、口応えするなときれます。でも黙っていても、しかとかといわれます。
間違っているというより、かわいそうな人だと思えます。それが勘違いといわれるのでしょうか。社会で熟年離婚を話題にすると、考えてもないのに、お前もそうするんだろうと勝手におびえて、またいらいらします。DV被害者が相談する所は増えていますが、相談しても誰も旦那を教育してはくれませんよね。逃げなさいとしか言わないんですよね。本当に願っているのは、女性の立場を理解できる頭(心)に成長してくれることです。

投稿者 おまる : 2007年7月1日 13:42

おまるさん、コメントありがとうございます。

<本当に願っているのは、女性の立場を理解できる頭(心)に成長してくれることです。

この言葉(期待)に応えるには、やはり家庭という強固な枠組みからいかに抜け出すか、という事になるのではと思います。

これは、逃げる、とは少しニュアンスが異なり、家庭の中にもしっかりと外からの圧力が働く仕組みが必要ではないか、という意味において。

DVの問題も、各家庭・各個人の問題としている限りは、決して解決する事がないのでしょう。

ネットも一つの公共空間・社会空間でもあります。おまるさんのコメントも、勇気ある第一歩。自分で抱え込まず、いかに開きだしていくか、というのが解決への道のりになるのではないかと感じています。

投稿者 かわい : 2007年7月2日 15:00

おまるさんへ

男女同権や男女共同参画などは、一部の声高な人が叫んでいるだけで、全てのバロメーターは女の人が“充足できているかどうか?”の一点にあると思います。おまるさんのコメントを読むと“こうあらねばならない”に凝り固まっていて無理をされているように思います。

るいネット
http://www.rui.jp/
には、数々の答え(問題解決のヒントなど)が寄せられています。
以下いくつか投稿文『  』を紹介します。

●女性の素直な気持ちが表現されています。
『充たされたい!って気持ちを全面に出していこう☆』
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=156015

●旦那さんは、社会を対象化されていない(向き合っていない)のではないでしょうか?それでは、自己中が温存されるだけです。家庭ましてや女性一人の圧力でどうしようも出来ず、むしろ、自己中のはけ口となっているのではないでしょうか。
『社会との接点としての父親』
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=127496

●まずは、お互いに、手紙を書いてみることをお勧めします。
『ロール・レタリングという手法』
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=600&t=6&k=0&m=85021

●最後にもう一つ。今までは、悩みは、個人や家庭に封じ込められ袋小路となっていましたが、これからは共通の課題として取り組んでいく必要があります。幸い今は、ネットなど発信できる媒体もあり、一緒に解決できる場を誰もが望んでいます。
『自分だけの悩みなどない』
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=600&t=6&k=0&m=78579

もう少し状況が解れば、それに合った投稿文が紹介できると思います。

投稿者 sodan : 2007年7月5日 11:12

おまるさんみたいな人がいるから、女は我慢するものと思われるんだよ?迷惑だな。
私は父親からだけど、追い出したよ?立場違うっていうけど違わない。理解してくれなく私を斜め目線で見る人もいる。別に同情なんていらないし、自分は間違ってないと思う。暴力やら暴言は家族だからってどうして、女が当たり前のように我慢しなくちゃいけないの?
あなたはまだ、本当の辛さを感じてないんだと思う。我慢できるんだもの?
DVの被害者きどりはやめようね。

投稿者 ゲスト : 2008年10月22日 19:00

DVからなぜ被害者は逃げられないのか?、理由は3つあると思う。1つは逃げても被害を訴えて身を寄せる駆け込む所がないこと、また例え場所があっても加害者が必ず執念深く探し回って必ず駆け込んだ場所に行着き、十中八九連れ戻されてしまうから逃げても無駄と被害者が思ってる事。あと1つは今は警察もDVやストーカー犯罪に対して昔よりかは幾らか対応姿勢が柔軟になったとは言え、最終的には相変わらず、何かしら被害者側の方に大きな事件性がおきたとされる事、つまり、具体的に刑事事件とされる事がおこらないと、なかなか腰をあげない事。だから私が考えた事は、其れなら?、大泉洋の江戸時代に夫の暴力から逃げて駆け込む駆け込み寺というか身を寄せる場所を、其もいざというときは、銃や警棒を持ち柔道や空手・或いは武器を使用して闘う格闘技の有段者揃いの並みの警官じゃない正に最強で屈強な体格の警官揃いの警官ばかりいる警察の部署を新設し、いざというときにはその部署から最強・必殺警官が出動し被害者がいる駆け込み場所に行き、武器を持って暴れているDVの加害者に対応して鎮圧するという規定を警察とその駆け込み寺が予め連携をとって対応するっていう規定を作って無料で運営するNGO的な駆け込み施設を作ること、これしかないと思うけど?

投稿者 高木朗 : 2016年1月16日 15:50

コメントしてください