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2007年05月17日

密室家庭の変遷② 1960年代

密室家庭の変遷第二弾です。

今回は1960年代、高度成長の中、核家族が急増して行く時代です。

都市部人口推移統計を調べてみると、都市部の人口集中は1960年代前半にほぼ完了している。
そして家族形態はどうなっているか?
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核家族数は、1960年から1995年にかけて倍増しているが、その中でも上昇率の最も大きいのはこの60年代である。
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この時代の流行語を調べてみると

1958 団地族
1960 所得倍増
1964 かぎっ子
1968 3C(カラーテレビ:Color TY、乗用車:Car、ルームクーラー:Cooler)

1955年公団が都市部に団地を供給開始、これに群がる団地族。
池田内閣が唱える「所得倍増計画」に同調して、収入増に向かった共働き夫婦の子供達が、「かぎっ子」
その目的物の代表が、「3C」(新三種の神器)でしょう。

先の統計上、核家族が世帯数の半数を越えていることから、核家族が一般的となり密室家庭の形が整ったものの、この時代の家庭は密室家庭と呼ぶには、少し早い気がします。

目的は何であれ、お父さんもお母さんも働いて稼ぐことが第一義的な目的であり、稼ぐ為には外に向かっていたからです。
子供を囲い込む余裕はまだまだ無かったのでしょう。

至近な例ですが、私(1964年生れ)の親父は仕事で殆ど家には居なかったし、お袋はパートや内職をいつもしていました。
お袋に、小遣いをせびりに行くにもパートの職場の周りの大人の目が気になり、家の中にも内職の配送のおじさんが出入りしたり、近所のおばさんが電話を借りに来たり、核家族とはいえ家庭の領域はまだまだ確立していなかった。

よく覚えているのが、何か欲しいとき、やりたい時、お袋にねだると「みんなはどうなの?」「みんながするの?」と言っていた言葉です。
今思うと、この言葉は、中流を目指す過程で出て来た言葉だったと思います。「あなたの好きなようにしていいのよ」と言う余裕はなかったのでしょう。

密室家庭の確立は、1970年の総理府の国民生活に関する世論調査で、「国民の九割までもが自分の社会的地位が中ほどだと考える」に至り、「貧しさ」という外圧が無くなって以降だと考えますがいかがでしょうか?

投稿者 gokuu : 2007年05月17日 List   

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コメント

なるほど。

<「貧しさ」という外圧が無くなって以降

無圧力化=密室化、という事ですね。

この辺りから、自己中の増加、思考停止、テレビ脳、短絡脳、など等の諸問題が増加し始めたのかもしれません。

投稿者 かわい : 2007年5月17日 22:54

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