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2007年04月30日

「いじめは許さない」が答え?文科省の取組み

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文科省の「いじめ対策」について調べててみました。

文科省では、政策を決定するに当たって各種審議会を設け、その中に更に調査研究会議を設け、更にその中で初等中等教育部門に「子どもを守り育てるための体制づくりのための有識者会議」を設置して対策に当たっているようです。

同会議は、平成18年11月15日に第1回を行い、以降平成19年1月10日までに第5回を重ねています。

その過程で「いじめ問題などに対する喫緊の提案について」を平成18年12月4日に発表(提案)しています。  

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/040/toushin/06120713.htm
また、全く別に国立教育政策研究所生徒指導研究センターと共同して「いじめ問題に関する取組事例集」を平成19年2月に発行しています。http://www.nier.go.jp/shido/centerhp/ijime-07/index00.htm

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文科省は過去からこうした取り組みを行なってきました。「児童生徒の問題行動等に関する調査研究協力者会議」は平成6年から活動を行ない平成8年に報告(http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/08/07/960750.htm)の中で、

「我々の一人一人がどのような社会にあっても「いじめは絶対に許されない」という認識を正しく持っていないことがいじめを生み出す土壌になっていることは否定できない。」

としています。

また、同名の会議は、平成12年にも設置されて平成13年に報告(http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/13/04/010410.htm)を行なっています。

「いじめの発生件数は,同じく文部省の調査によれば,平成11年度は 31,359件(前年度比5,037件減)であり,4年連続で減少しているものの依然として多数のいじめが発生しており,憂慮すべき状況である。」

その後、冒頭の平成18年有識者会議提案では、

「大人全員が自らを律し、自らの生き方を見つめ直す必要があります。子どもは大人を見ながら成長します。その上で、一人でも多くの大人が子どもたちを注意深く見守っていく体制をつくっていく必要があります。」

と謳っています。

また、先ほどのもう一つ「取組事例集」では、特に「児童生徒の自主的な活動による問題解決」の中では、
●生徒会の有志集団「君を守り隊」
●いじめ追放宣言といじめ根絶宣言
●いじめに立ち向かう全市立学校生徒会議を受けた学校全体の取組

など、「いじめを許さない」という気運が文科省から現場の生徒まで高まっている(高めようとしている)ようです。しかし、

「許さない」の前に「なぜ起きるのか?」が必要で、そこから「自己中は敵」という規範や「共通の課題を創ろう」などのどうする?の答え探しなどを行なっていく方が良いと思うのは、私だけでしょうか?

 「守り隊」に入ってみたり「許さない」と唱えるだけで、本当に子どもたちの「心の闇」は晴れるのでしょうか? 

これらの報告や事例は、その都度文科省の政策決定の根拠とされ、例えば平成19年度では、

「不登校、暴力行為、いじめ、児童虐待及び高校中退等の未然防止、早期発見・早期対応や、教育相談体制の充実及び自殺予防に向けた取組など、児童生徒への支援の充実を図る」として、
◆ 問題を抱える子ども等の自立支援事業【新規】 指定地域 250地域
◆ 不登校への対応におけるNPO等の活用に関する実践研究事業 15団体
◆ スクールカウンセラー活用事業補助【拡充】 配置校 全公立中学校 約1万校 緊急支援派遣
◆ 子どもと親の相談員等の配置 (・ 子どもと親の相談員の配置 小学校 910校 ・ 生徒指導推進協力員の配置 小学校 210地域)
◆ 児童生徒の自殺予防に向けた取組に関する調査研究【新規】

に約63億円の予算が組まれています。因みに前年度は約43億円だったそうです。

で、出てきた答えが「許さない」だけ。

大丈夫か !? ニッポン !?

投稿者 saito : 2007年04月30日 List   

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