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2022年12月17日

【活力源の根っこを探る】本当に安定する親子関係とは?

前回の記事では、「集団の中で生きる力を育む」人類の子育てを扱いました。
同類が最大の活力源である人類にとって、相手と充足し合えることが集団の中で生きる上での素養であり、それが、より世界を広げて、多様な人間関係をつくっていける基盤となります。

少しずつ母親のもとから離れて、自分の足で歩みを進める子どもが、安心して外の世界に向かう時にどのように後押ししてあげたら良いのでしょうか。

母親が干渉しすぎても、子どもに嫌がられるし、一方、放置していたら愛情が薄れていってしまう。本当に安定する親子関係って何なのでしょうか。

体の声は、祖先からのメッセージ~生物的には親子が一緒にいる方が、意味が必要~」でも扱ったように、「もともと、生物には親子関係など存在しなかった」のです。

私たちは、当たり前のように「親と子」の関係を大切にし、それを長らく継続させようと考えてしまいがちです。
本来、生物は、その種の存続(適応可能性)のために、多様な同類他者を求め、新しい世界へと飛び出していくのです。(実は、単細胞生物の時代でも、魚類・両生類の時代でも、どんどん分裂して、新個体として、新しい世界(環境)へと泳ぎ出していくそうです。もともと、生物には親子関係など無かった

ですから、親と子の関係にあまりにも固執するのも、おかしなもので、外の世界に飛び出そうとする子どもを解き放つことが重要です。

子どもは、子どもなりに多様な仲間と出会い、遊びを通じて吸収していきます。どんどんと未知なる世界に飛び込み充足しようとする姿を、後押しするのが本来の関係であり、未知なる世界での体験を共有し、喜び合ったり・悲しみを受けとめたりすることが、親の役割かもしれません。

未知なる世界・相手と、充足し合えることが生きる上での力。これを育むために、親と子の固定的な関係を大事にするのではなく、子どもの関係世界を広げ・その進む方向性を後押しすることが、子どもの活力を上げる。そして、母親の無用な心配事も少なくなる。

もともと、生物には親子関係など存在しなかった!は、驚きとともに、子育ての概念を変えてくれる認識です。

投稿者 oguma : 2022年12月17日 List   

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