| メイン |

2021年12月24日

思春期は体も心も脳も大きく変化。息子の意識の深層とは・・・

男の子の子育ては女の子よりも難しい。しかも思春期になると、愛らしかった息子が無愛想で攻撃的になり、お母さんとしては更に理解不能で困惑する状況が増えてしまう。といった声がたくさんあります。
今回はそんな時、息子の変化の理由は?どう接していくのが良いの?などを生命原理(雌雄の役割からくる脳の違い)に沿って見ていきます。

まず、前回までの記事から男女の脳の特性を簡単にまとめてみました。(あくまでも傾向が強いという視点です)

細胞医学のうんちく
秘密は脳の発達の順序の違い男の子と女の子の育て方はこうも違う
育児の不安解消思春期編
赤ちゃん時代は重要!最新の脳科学でわかった、0カ月から10歳の子どもの能力の伸ばし方
テストステロンが思春期に脳の雄性化を促進するしくみ

哺乳類の雌雄(オスメス)分化は、種として適応するために、オスは縄張りを守るための闘争存在、メスは生殖を担う充足存在として役割を特化させてきました。そして私達人間においてもその特性が脳の構造や行動に関係しているようです。※脳機能上は同じだけど対象の捉え方に差異が出てくるようです。
男の子の脳の特性を見てみると、まさしく集団の縄張りを守っていく為の闘争性の獲得と直結していることが見えてきます。興味関心を向ける方向性、対象を把握する力、ここぞという時の集中力、失敗しても再挑戦していくタフさ。などなど。
では、思春期を迎えた息子の変化はなんで?どう接したらいいの?を男の子の脳の仕組み、思春期の仕組みを踏まえて見ていきましょう。

お母さんの困惑もなくなり、外の世界へ飛び出す息子を応援したくなる気持ちになる記事を紹介します。
(今回も、脳科学・人工知能研究者の黒川伊保子さんの思春期男子のトリセツを参考にさせて頂きます)


■思春期になると、“男性脳”になっていく

「学校どうだった? 」と聞いても「別に……」、「部屋を片づけなさい」と言えば「うぜぇ」。ちょっと前までは「ママ~♪」と甘えていた存在が、思春期になるとまるで尖ったナイフ。どう扱ったらいいのかと戸惑う母親も少なくない。
「空間認知優先型の脳は、いわゆる男性脳。とっさにスペック確認をして、問題点をいち早く指摘することが、脳の快感につながります」例えば、妻が夫に「今日パート先で嫌なことがあったの」と話したとする。すると男性脳を持つ夫は、「大変だったね」とは言わない。「君のあいまいな態度が誤解を生むんだ」などと欠点をズバッと指摘してくる。そのため女性は、夫を「冷たい」「理解してくれない」などと思ってしまうが、単に脳の機能が違うがゆえのこと。そして、この男性脳へと一気にシフトしていくのが、思春期。「幼少期は、男子でもコミュニケーション優先型の脳の使い方ができるので、母親との会話を楽しむことができます。でも13歳を過ぎて男性ホルモン・テストステロンの分泌が盛んになると、闘争心、目的意識、縄張り意識が強くなり、脳も男性脳の使い方が助長されるのです」 13歳までは母親と蜜月のような会話を楽しめたのに、13歳をすぎると無駄なおしゃべりを嫌い、やさしい言葉もなくなる……。狩りに出る男の脳に変わるのだ。

 ■共感型の会話をたくさんしよう
思春期男子の脳は、もうひとつやっかいなことがある。「記憶の方式が大きく変化します。いわば子ども脳から大人脳へと成長します」。12歳までの脳は、例えば給食の内容と味、友達との会話などを詳細に覚えていたりする。しかし、このような記憶方法を続けていると脳の容量が足りなくなるので、15歳ころからは類似体験に紐づけて覚えるという検索型に変わっていく。「過渡期である脳は脆弱で、“自分の気持ち”がうまく引き出せないという特徴が。気持ちを聞かれるとイラッとしがちです」加えて攻撃的になるテストステロンの影響もあり、「どこ行くの? どうするの? 」などと聞かれると、「うるせー」なんてことになってしまうのだ。以前は頬をよせ「大好き」などと言ってくれた息子が、まるで他人のようになってしまうのが思春期。けれども、これは一時的なもの。「子育て中のお母さんは、共感型の会話を忘れてしまいがち。“宿題やったの? ”“早くお風呂に入って”“さっさと寝なさい”でしょ? これぜんぶ男性脳的な、目的思考・問題解決型の会話なんです」。情の通った会話をしないまま子どもを育てると、子どもからも同じような会話しか出てこなくなる。「脳は装置。入力しないものは出力できません」
「宿題やったの?」は禁句!専門家が伝授する、無愛想な“思春期男子”のトリセツ

 

乳幼児期からずっと養ってきた男の特性。特に思春期はオスとして社会に出るための最終トレーニング期間。
未知、現実の圧力に対して逃げすに向き合う力(=男としての自信)を得るために、挑戦と失敗の機会を体と心と脳が作り出しているのです。ですから、なんでも先回りして答えを用意してあげたり、ダメと頭ごなしに否定したり、没頭しているのに口を挟んだり。というのは彼らからすれば大事な成長の機会を邪魔されていると感じてしまうのでしょう。

お母さん方が心配や困惑の気持ちを抱くのは当然ですが、そんな息子の変化こそ一人前の大人になっていく時が来たのだと捉えてみることが大切ではないでしょうか。(思春期を迎えてもお母さんに従順であることの方が問題なのです。)
改めて、男女の性差から子育てを捉えてみることは大切ポイントですね。

投稿者 tana-ken : 2021年12月24日 List   

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://web.kansya.jp.net/blog/2021/12/8567.html/trackback

コメントしてください