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2021年08月19日

わが子をひきこもりから救った親がやめた「二つの行動」

・・・なかなかやめられない行動って、核家族だからこそ陥りやすい行動だと思いませんか?

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https://gendai.ismedia.jp/articles/-/55850

より引用します。

 

 

――子どもが不登校になった。

 

多くの親にとって、それはとても苦しい出来事だろう。

 

ただ、小中高の不登校は合わせて18万人、39歳以下のひきこもりは54万人という社会の中で、特別に珍しい話ではない。同じような経験をしている方はたくさんいるが、周囲に明かさない方も多いため、見えづらいだけだ。

 

前回の記事「『じつはうちの子、学校に行ってません』が普通の時代になってきた~だから不登校中退者専門進学塾をつくった」では、私が平成という時代を通じて経験してきた、「不登校」や「うつ病」といった社会の暗闇が、この30年間で急増してきたという話を、統計データと共に説明をした。

 

実は私自身も、子ども時代から大人になるまで、発達障害やうつ、ひきこもりなど、様々な障害やトラブルを経験した「社会問題の当事者」だ。そんな私が「暗闇」でも走り続けることで、たくさんの偶然に出会い居場所を見つけるストーリーは、拙著『暗闇でも走る 発達障害・うつ・ひきこもりだった僕が不登校・中退者の進学塾をつくった理由』に記した。

 

では実際に、暗闇の中にある当事者を、周囲はどのように手助けすべきなのか。例えば、「子どもが学校に行きたくない」といった時に、周囲の人間、特に親はどのような行動をとるべきなのか。

 

今回は、私がこれまでご支援してきた卒業生やその保護者の方の経験をもとに、お伝えしたい。

 

◆子どもを意図せず追い詰める親たち

私は現在不登校・ひきこもりなどの若者を支援するための事業を行っている。メインの事業となっている「キズキ共育塾」を通じて、この7年間で1000名以上の不登校・中退の若者たちの次の進路を後押ししてきた。

親であれば、「自分の子はいい大学に行くものだと思っていたのに」「そのことで安定した職業についてくれると思っていたのに」と思うかもしれない。子どものことを尊重する親であっても、「(子どもが)今まで頑張ってきたことが全て無駄になるかもしれない」と過度に心配してしまうかもしれない。

だからこそ、子どもにも「学校ぐらいは行った方が良いのでは」「このままでは将来の就職出来ないかもしれないよ」といった声をかけてしまうことがある。

私の経験上であるが、子どもが不登校になった時に、親が子どもを放置している状況よりも、親が心配になり過度に干渉してしまうケースの方が多い。

 

◆子どもが頑張る気力を失う理由

このような「親の期待」「親の心配」は、「逆効果」を生むことが多い。

多くの子どもは、親を心配させている自分を責めてしまう。そして、子ども自身が罪悪感を感じれば感じるほど、元気がなくなり、何かを頑張る気力が失われてしまう。

つまり、親の「期待」や「心配」は時に逆効果になることを覚えておきたい。

むしろ、「今の苦しみが永遠に続くわけではない」という「希望」を示すことが、よっぽど重要だ。

例えば筆者がかつて支援したA君は、不登校の後に高校を中退、その後3年間ひきこもった。本人のことを尊重する家庭環境だったこともあり、徐々に精神も回復。その後私が経営する塾に通うことになったが、しばらくすると「あの時親に迷惑をかけたから」と「自分のアルバイト代から授業料を出したい」と話すようになった。

こんな風に、不登校が終わった後で、親に対して感謝の気持ちを示す子はとても多い。親がどれだけ心配しているのか、子どもには十分わかっている。

 

◆なぜ子どもはひきこもるのか?

では、そもそもなぜ子どもはひきこもるのか?

「学校に行きたくない」

と思う原因は様々だ。いじめの問題、学校の先生との相性、または思春期に特に出やすい睡眠障害もある。

そして、「不登校になる理由」と「不登校が続く理由」も異なる。いじめや先生との相性といった問題で不登校になったとしても、「不登校が続いている理由」は生活リズムの乱れだったり、体力の低下だったり、またはSNSなどを通じて孤独を感じづらかったりといったことがある。

そのような原因への対処法の前に、親が覚えておきたいのは、「学校に行かなくても、将来の職業的な自立をする手段はある」ということだ。

親が安心し、長い目で子どもの将来を見守ることで、子どもの精神状態も回復する。

小学校高学年から高校生くらいの思春期・青年期年代ではものすごいスピードで子どもの価値観が変化し、成長していくため、親も急速に関わり方を変えていく必要があり、その関わり方はとても難しい。思春期の中でなんらかの問題行動や挫折があることは普通のことだから、親は過度に自分自身を責めすぎないでほしい。

 

◆子どもがひきこもった時のNG行動

ではそんな時に、親はどんな行動をやってはいけないのか。

たった二つのことを覚えておいて欲しい。

 

1:外出しないで、子どものことばかり考える

2:自分の力だけで解決しようとする

 

言い換えれば、下記のようなことをしてみると良い。

 

1:旅行に行く(親は自分の人生を楽しむ)

2:第三者を頼る

 

「旅行に行く」ということは、言い換えれば「親が過度にパニックにならない」ということだ。子どもの日々の様子に一喜一憂しないこと。そうすることで、子どもは「親への罪悪感」を減らすことができる。

 

◆親が人生を楽しんで

家がギスギスするほど、「自分のせいで家族が仲悪くなってしまった」と自分を責める子どもは多い。だからむしろ親は自分の人生を楽しむこと。そのことで子どもに過度な干渉をしないことが大事だ。

また、家族だけで解決しようとすることも良くない。それが二つ目の「第三者を頼る」だ。家族はどうしても「子どもへの期待」を捨てられない。もし言葉では「あなたは自由でいいのよ」と伝えたとしても、子どもは親が言葉には 表さない自分への期待を感じ取る。

例えば、有名な会社で部下のマネージメントに長けた方でも、子どもに対しては上手く接することができない方も多い。

以前私の塾に通っていた生徒(中退者)の保護者のBさんは、有名大学を卒業後生命保険会社に長年勤めている方だった。

話は朗らかでありながら理路整然としていた。だからこそ、「うちの子が不登校になった」という事実が受け入れられず、時に過度に厳しく子どもに当たっていた。

 

◆第三者に頼っていい

「自分の子どもにはこうあって欲しい」という思いが強ければ強いほど、感情のコントロールが効かなくなり、効果的な言葉を発することができなくなるのだと私は思う。

けれども、子どもの頃を振り返ってみた時に、親の言うことを全て聞いていた人がどれだけいるのか。親がどんなに正論を言ったとしても、子どもは守らなかったりするのは、どの家庭でも変わらない。

だから、「第三者を頼る」と良いのだ。

お子様の通っている学校にはスクールカウンセラーがいるかもしれない。お住まいの自治体には不登校の方の相談窓口があるかもしれない。私が経営している「キズキ共育塾」のような、不登校・中退の方を対象とした塾も最近は増えてきた。

そのような場所にいる支援者は、家族でないからこそ過度な期待を持たず、「今の目の前の子どもが、どうアプローチしたら元気になれるのか」という1点のみを考え、子どもとコミュニケーションすることができる。

基礎的な支援の知識と、多数の過去の事例を経験している支援者であれば、的確な声がけの言葉を選ぶことができる。

注意しておきたいのは、専門家も人間であるから「合う」「合わない」が必ずあるということだ。だから、仮に始めに相談に行ったカウンセラーや支援者に対して「合わない」と感じたとしても、あきらめずに他の支援機関を探って欲しい。

「合う」か「合わない」かは「本人が少しでも安心できる時間を過ごせるか」「本人が行ってよかったと思えるかどうか」を見ればよい。本人が楽しそうに過ごせるのであれば、習い事などを試してみてもよいかもしれない。

学校は行かなくても何とかなる。不登校でもその後社会で活躍している人間はいくらでもいるが、一方で「嫌じゃない」と思える用事があった方が、子どもの心身の健康にとってはプラスになる。

 

◆「学校に行ってない」は特別じゃない

時代は確実に変わってきている。

「終身雇用」の時代は終わり、大企業に就職したからといって、一生雇われる保障はない。就職に際して、「いい大学に行けばいい就職ができる」と思い込んでいる親もいるが、今はベンチャーで実力をつけてそこからステップアップする方が、むしろ実力がついて「安定」するかもしれない時代だ。

親自身が生きている時代は、子どもの世代が生きている時代とは異なる。

親が思う正解を押し付けるよりも、子ども自身が第三者と様々な相談をしながら、自分の生きて行く道を探して行く――そのことこそが、不透明な時代を生き抜く子どもたちに必要な教育のあり方だと私は考えている。

私自身、父親のDVや一家離散など、まともな家庭環境で育つことはできなかった。社会人になってからも、うつ、ひきこもりも経験した。それでも、自分の弱さを第三者へさらけ出すことで、周囲の人々に支えてもらい、今がある。

拙著『暗闇でも走る』にも、ひきこもり生活が長引き、勇気をもってキズキ共育塾へ訪れる子どもたちの、道を拓くエピソードも書かせていただいた。

この本をきっかけに、「じつは、うちの子、学校に行っていないんです」「子どもが小学校高学年からひきこもりで」と、親御さんたちからの読書感想文や入塾の問い合わせをいただく機会が増えてきた。

それほど、今の日本には、誰にも相談できず一人悩む人が、何万人といることを実感している。

「子どもが学校に行かない」ことは、自分だけの特別な出来事ではない、と伝えたい。

投稿者 hoiku : 2021年08月19日 List   

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