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2021年06月24日
「経営と野遊びは同じ」テント泊の猛者が語るキャンプによる右脳開放
子供のキャンプ体験が脳力を鍛える格好の機会であることはよく言われています。
しかしこのキャンプ、大人にとっても脳力を開放する重要な機会でもあるのです。
今回は年間60泊というキャンプの猛者であり、経営者でもある山井太氏のお話を中心に紹介します。
以下(https://blog.world-u.com/camp)より引用します。
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医学博士であり脳の学校代表である加藤俊徳氏によると、脳というのは使えば使う程、良くなるというのです。まあ勉強すれば頭が良くなるというのは、当たり前に感じますが、そのようなことではなく加藤氏によれば、脳を鍛えたければ、自然の中で活動する事だと断言しています。そして脳を鍛えれば物の見方までかわり、人生に変化が訪れるというのです。
では実際に自然に触れる事で、どのような変化が起きると言うのでしょうか。 スノーピーク社長山井 太氏は、56年の間に実にテント泊1000泊と言うテント泊の猛者です。最近は年間40~60泊しているということです。山井氏曰く「経営と野遊びは、ある意味同じだ。」というのです。その理由として、晴れた日にキャンプに出かけても、その後も晴天が続くとは限らない。暴風になることも、大雨になることもある。突発事項は日常茶飯事。何度キャンプに出掛けても、必ずと言っていいほど、予測不可能な出来事に遭遇することがあった。と言うのですが頷ける言葉です。そしてまた、その問題を解決したときの喜びもまた、経営と同じだと感じているようです。
なるほど経営者として予測困難な状況を、乗り越えてきた含蓄が感じられる言葉です。そしてさらにコミュニケーションを取るには自然の中が一番だとも、述べています。普段は本音で関われない家族や社員と、自然の中では心からのコミュニケーションが取れるというのです。もう一度家族や、人との関わりを築くための背中を押すのが、キャンプやアーバンアウトドアの大きな意義だといいます。
そうであれば、家庭円満の秘訣や、社内の人間関係の構築には、キャンプが最適と言う事になりそうです。会社経営者などが、社内研修の一環として、数泊の山岳登山を取り入れてみるのも、良い方法かもしれません。社長と幹部社員。或いは上司と若手社員のうちに、隔てない人間関係が構築できれば、素晴らしい財産となる事でしょう。
山井太 氏は数年に1回レベルの、経営者として重要な判断をする時には、キャンプで2~3泊して、自然の中に身を置いてから自分の心が赴くほうを選択するとしています。山井氏曰く「五感を磨いてから決めることこそが正しい選択ではないかと思っている。残念ながら、経営者でキャンプに日常的に出かけている人はあまりいないようだが、私からしたら、とてももったいない話だ。自然の中でビジネスの時間の流れとは違うリズムですごすと気持ちをリフレッシュできるし、人間が本来持つ感覚を取り戻すことができる。」と言っています。
又山井氏は、キャンプをするならば、最低2泊は泊まらなければいけないといいます。3日目の朝に躰のリズムが自然とシンクロし、ビジネスを展開する上での良い気づきが得られるというのです。これは面白い事に、米ユタ大学の認知心理学者デビッド・ストレイヤー氏の「3日効果」というアイディアに共通する考え方です。
米ユタ大学の認知心理学者デビッド・ストレイヤー氏は、「3日効果」と名付けたアイディアについて、次のように語っています。人間の脳は疲れ知らずの機械ではなく、簡単に疲弊してしまう。しかし、日常の雑務を中断して自然環境に身を置けば、元気を取り戻せるだけでなく、知的能力も向上するというのです。手つかずの自然で3日間キャンプしながら歩き回ったグループでは、それ以前と比べて、問題を創造的に解決する能力が5割も高まったという研究結果が出たといいます。
「3日目になると、これまで感じなかった匂いや物音に気づくようになるんです」とストレイヤーは言います。「傾きかけた太陽の光が峡谷の壁面を赤く染めていき、私たちはくつろいだ雰囲気に包まれた。これまでにないほど自然と調和しています。2、3日の間でも、その瞬間その瞬間を生きる経験ができた人では、質的思考に違いが生まれるようです」と言っています。ストレイヤーのアイディアは、私たちにも容易に取り入れられそうです。
どうやらキャンプには、3日以上かけることが、効果的なようです。私たちはどうしても文明社会の中で生活する事が当たり前に生きています。そこから脱却して自然に心身をゆだねるためには、3日という時間が掛かるのは、ある意味当然なのかも知れません。それだけ人々の生活が自然から遠ざかっている証左なのでしょう。たまには自然の中で、ゆっくりとした時間の流れを感じてみるのも良い事かも知れません。私たち人間は本来のあるべき姿を取り戻した時にこそ、より素晴らしい決断が下せるのかもしれません。
人間は自然の中に身を置くべきであると説く人は多く、ハーバード大学医学部、ジョンJ.レイティ准教授の 「GO WILD 野生の体を取り戻せ!」 という本によれば、人間はより野生に近づくことが理想だと、熱く語っています。たとえ自然豊かな映像をTVで見ても、脳がそれを自然だと欺かれることはないようです。野生を取り戻すためには、本物の自然に触れる必要があるようです。
また近年ナチュラルキラー細胞が、人間の身体に悪い影響を与える物質を選んで攻撃することが判って以来、ナチュラルキラー細胞を増やすにはどうすればいいか調べられてきました。ここでも自然のもたらす影響はとても大きいことが、証明されています。日本のビジネスマンを対象に行われた調査によれば、森を歩いた後、体に悪影響を及ぼす物資を退治するナチュラルキラー細胞が40%増加し、1ヶ月後の追加調査でも、依然として基準値よりも15%高い数値を維持したというのです。
心理学、認知心理学、脳科学、医学などが発達するにつれて、人類が自然に還る事の重要性がより鮮明になっていくというのは、とても奇妙なことです。結局のところ我々は母なる大地の上で生きているのでしょう。豊かな恵みの海に生まれ、やがて豊穣な大地の子供として育った人間は、やはり自然の懐にあるのが最も活力に満ちていくのかも知れません。山登りのイメージは、少し昔は山男や危険なスポーツというようなイメージでした。ところが、最近は山ガールと言う言葉が市民権を持ち、また高齢者の登山人口も増えてきて、登山というものが、きわめて身近なハイキングというようなイメージに変化しています。ところが、このような登山やキャンプが、健康やダイエット目的ではなく、脳の活性化につながり、創造力を高め、人間関係の改善にまで役立つとは、随分画期的な事です。
松下幸之助氏の名言集にこのような一文がありました。「世の中には秘訣とかコツとか、それさえ心得ればよい当意妙法なんて絶対にありえない。私に言わせると人間万事、世の中すべては、天の摂理で決まるのが90%、あとの10%だけが人間の成し得る限界だと思う。私の言いたいことは、「絶対に無理をしない」ことなのである。宇宙大自然に逆らわず、むしろ宇宙大自然に溶け込んで、これと一体になりきってしまう。これが人間の本当の姿であり、その結果あらわれてくるものが、世の中でいう成功とか成就とか、あるいは億万長者ということになるのではなかろうか」自然と一体になる事が成功なのだ、という松下氏の言葉は、今や多くの研究者や科学者により証明されようとしています。その一端としての登山やキャンプがあるというのは、本当に思いもかけないことである。しかし十二分に試みる価値があるのではないだろうか。是非とも大自然の中へと出かけてみたいものである。出来ればテントを担いで。
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投稿者 hoiku : 2021年06月24日 TweetList
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