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2018年03月20日

野外保育の可能性11 ~いろは~6歳までの旅支度、「実体験をひとつでも多く。遊びと学びを分けない。」

次に大阪南河内で活動されている いろは さんです。

子どもたち自身で考え行動する力を身に付ける。これからを生きていく、6歳までの『旅支度』をする野外保育です。

  『森のようちえん』って?

『森のようちえん』はデンマークの1人のお母さんが、近所の子どもたちを森の中で保育したのが始まりだと言われています。園舎を持たず、晴れの日も雨の日も、毎日森の中で過ごす独特の育児スタイルが効果をあげ、その後ドイツへと広まり、現在では日本全国でも活動が広まり注目されています。

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 なぜ自然の中で過ごすの?

日々映りゆく多種多様な自然は、子どもたちの絶好の創造の場。自分たちの創造力を膨らませ、目を輝かせながら、思い思いに遊びを展開していきます。子どもたち1人1人のペースに合わせて、自然の中で過ごす環境は、子どもたちの個性を発揮する大きなパートナーとなります。

 『いろは』が大切にしていること

それぞれの子どもたちのペースに合わせ、子どもたち自身が見て、考え、行動していくありのままの姿を応援したい。

保育者や大人たちが先を進んで口出し手出しをしたり、判断を下したり、答えを与えてしまうのではなく、子どもたちが何を感じ、考え、行動するのかを深く観察し、共感することから全ては始まります。子どもたちは本来、より良く生きていく力を持っています。そのことを信じきって、私たち大人は彼ら彼女たちの想いに寄り添いつつ、一人ひとりの一挙一動に問いかけていきます。

 
 実体験をひとつでも多く。

テレビやインターネットなどで何でも知ることができてしまう現代。その分、直に見て、感じて、経験する機会が極端に少なくなってきています。『森と畑のようちえん いろは』では四季折々の日本の文化、地域の文化はもちろんのこと、日々なくてはならない「食」に関する体験も子どもたちに多く体験をしてもらいたいと思っています。遊びの中で楽しみながら関わりを持てるよう試みています。

  

 遊びと学びを分けない。

特別な行事がない日はカリキュラムもプログラムも何もありません。全ては子ども任せ。子どもたちそれぞれがその日1日自分がやりたいことを自分で決めて動きます。1日中自由に遊んでいるのです。その遊びの中に、挑戦する気持ちや葛藤、発見、工夫が生まれ、さらには周りの人との関係も苦楽こもごも、大人の誘導に邪魔されることなく、自分たちで取り組む姿勢が生まれます。そのために、保育者はいつでもどんな心も受け止める、子どもたちにとって安心できる存在であり続けたいと思っています。

  

 使用する食材は化学肥料を使わない自然のものを子どもたちに。

野外炊事やおやつで使用するお野菜は、化学肥料を使わない無農薬の自然農法のものを提供しています。主には、南河内郡太子町の専業農家田中自然農苑さんで採れたお野菜を使用。子どもたちの健やかな成長を願って、保護者の方と日々食に対する意識を高め合いながら、季節感あふれた食育活動を行っています。

また、子どもたちとも実際に畑でお野菜を育て、日々遊びの中で収穫、その場で食べたり、炊事、おやつに使用しています。

 

 『いろはの森』ってどんなところ?

主な活動場所は大阪の南部、南河内郡河南町平石にある『風の谷』と名付けられた小さな森です。昔は棚田として使われていた場所だったため、奥に進むにつれて高度が上がっていく野外ステージのようなところです。山の上からやわらかな風がおりてきます。足の甲がつかるくらいの小川が森の中を流れており、子どもたちの格好の水遊びの場に。沢ガニもたくさん住んでいます。森のすぐ下では、古代米を育てている水田や、小さな畑があります。時には、場所を変えて近辺の里山、公園などでも活動しています。

 
 
 『いろはの畑』ってどんなところ?

森の下にある小さな畑で子どもたちとお野菜を育てる他、『森と畑のようちえん いろは』の野外調理の時に使用する野菜を提供してくださる田中自然農苑さんの畑にも出かけていきます。化学肥料や農薬を使わないやり方で土に触れ、収穫し、料理をします。さらにそれぞれの野菜の種をとり、保存し翌年にまたその種をまく「自家採種」の活動を『森と畑のようちえん いろは』では大切にします。無肥料、無農薬で育てる自然農法の田畑では作物はもちろん、土や水、生き物たちもイキイキ!子どもたちにとっては自然に触れ合うかけがえのない場所になります。そして季節感溢れた食育活動を子どもたちの健やかな成長を願って大切にしていきます。

旅支度とは、「実体験をひとつでも多く。遊びと学びを分けない。」ことなんでしょう。子どもにとっては「遊びこそ学び」と言われます。体を使って、感じて、人間の能力を身に着けていくのです。それも、自然の中でこそ、きっと有効性が高いのです。人類は太古からそうやって成長したはずですから。

 

投稿者 hoiku : 2018年03月20日 List   

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