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2017年08月09日

共同保育所の歴史と現在8~ごたごた園3~親と共同保育するということ

「共同」保育はどのように行われているのでしょう?

 「共同で保育する」ということ
お散歩中。「ぼくもいっしょに押すよ!」
「共同保育所 ごたごた荘」は、保護者と保育者が共同で、運営にあたっています。
でも、「共同」で「保育」する、つまり「親と保育者が子どもを一緒に育てていく」というのはどういうことなのか。

親と保育者の関係、親どうしの関係・・・。
保育園や幼稚園でしばしば問題になる、このような大人どうしの関係。
「ごたごた荘」ではどのようになっているのだろう?
そんなガイドの疑問について、スタッフにお話をうかがいました。

「ごたごた荘」がスタートしたのは、1982年。「自分たちで、納得のいく保育所を作ろう」と集まった数人ではじめた。
最初は個人宅の一室から。その後数回の引越しを経て、1990年に現在の場所へ落ち着く。
現在は、専従保育者6名、子どもの定員17名で運営されている。

ごたごた4

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今回お話をうかがったのは、「ごたごた荘」・施設長の「まめちゃん」。
1982年の「ごたごた荘」設立当初から、運営に関わっている。それ以前は、公立保育園で9年間保育士を務めていた。
ちなみに、肩書きの「施設長」とはは設立時に「あみだくじ」で決まってしまったもので、変更のチャンスがなくてここまできたとか。
「ごたごた荘」をはじめるにあたって
-まめこさんは、なぜ「ごたごた荘」をはじめよう、と思ったのですか?

私は「ごたごた荘」以前に、公立保育園の保育士を9年ほど経験したのですが、その中である「納得いかない思い」というのがあったんですね。

ひとつは、「子どもと1対1で、きちんと向き合いたい」ということ。
一般的な保育園ではどうしても、年齢ごとでクラスを作って「子どもを集団で動かす」ということが多いですよね。
もちろん、当時も保育士たちはもっと細かいグループ分けをしたりして、子どもに負担がかからないように工夫していたとは思います。
でも大人数だったりすると、どうしても「ひとりひとりに向き合う」という感じにはならない、という思いがありました。

それから、もうひとつ大事にしたいと思ったのが、「保護者と保育者の信頼関係」。
最近は、事情が変わってきているかもしれません。でも、私が経験したころの一般的な公立保育園というのは、どうしても「預かる側」と「預ける側」がはっきりと分かれているように感じていました。
例えば、「預ける側」には、「できるだけ長時間預かってほしい」という預ける側の都合がある。そして、「預かる側」は「そういう要求を全部受け止めていると、自分たちが大変になる」という現状がある。

そこで、「お互いに大変だから、一緒に考えて何とかしましょうよ」というふうになればいいのですが、なかなかそうはいかないんですね。
どうしても、保育者の側は「お子さんのために、長時間保育はよくありませんよ」とか。そういう「専門性」のようなところで切り返してしまいがちになるんです。
だから、どうしてもすれ違ってしまう。
「タテマエ」だけをお互いに言い合っているような関係で、そこで子どもが置き去りにされてしまう。そんな印象を持っていたんです。

保護者と保育者がお互いにホンネを出し合って、「どんなふうにしたらいいのかな」っていうところまで一緒に話し合えるような場が欲しい。
そんな思いを持った人たちが数人集まってはじめたものが、この「ごたごた荘」というわけなんです。
親はどのようにして、運営に関わっているのか?
-「共同保育所」というと、「保護者と保育者が共同で運営していく」わけですよね。
実際のところは、保護者はどの程度運営に関わっているのでしょうか。

設立当初は、「保護者も月に1日は仕事を休んで、保育に入ろう」なんていう話をしていたんですけど、そこまでは難しいですね。それでも、可能な方には、保育に入っていただいてます。

例えば、私たちの年休や区役所へ行く日など事前に分かっているとき。そんな場合には、「○月○日 この日に保育に入ってもらえる方はいませんか?」と、紙に書いて張り出しておくんです。
そうすると都合のつく方が、「じゃあ午前中だけでも」とか、「じゃあ食事だけ作ります」とか。そういういろんな形で協力し合っています。

最近ちょっと流行っているのは(笑)、「お父さん、保育に入りましょう」。
「ごたごた荘」では「合宿」という行事もあるんですが、昨年その場であるお父さんが、「やっぱりお父さんも保育に入るべきだ。皆さんも、入りましょう!」って、呼びかけたんです。
そのとき、他の人たちは「うーん・・・」という感じだったんです。でもその後、言い出したお父さんが本当に食事当番に入って、そのことを「通信」に載せたんですね。そしたら、それが呼び水になって、「お父さん」の参加が増えてきました。
「男の競争心」もあったのかもしれないけど(笑)、それより子どもたちが「うちのパパも入ってよ」って、言うようになったのが大きかったみたい。

その他に保護者のやることとしては、「月1回のミーティングに参加する」こと、あと「年にひとつは行事か、あるいは係を担当しましょう」ということです。
先日も運動会があったのですが、これももちろん担当の保護者が「こういう会にしよう」と話し合うところから始まるわけです。
毎年のことですから、昨年までの例を参考にしながらですけど。そうやって企画からやっていただいて、お父さんが司会したり。

行事以外の係もあります。例えば「ごたごた荘」では布おむつを使っていますが、ご家庭では使っていないという方のために、業者の貸しおむつも利用しています。その集金とか、集計をやってもらう、というのもひとつですね。

-ご家庭によって、忙しさに差があると思うんですけど、その辺はどうでしょう?「ごめんなさい」という感じにはなりませんか?

そうですね、これまでに何度か、そういう議論になったこともありますね。保育に入る方はいつも入って負担に感じてしまったり、入れない方は「心苦しい」という感じで。
でも最近は、うまくいっているようです。先ほどお話したように、普段の保育に入れない方はイベントの裏方を担当したり。
お互いに「それぞれが、やれる形で、出せる力を出していただく」という感じで、うまく回っていますね。

-最近、幼稚園や保育園では「親の出番が少ない園が人気」と言われています。
「親の出番」が多いことについて、新しい方などは馴染めないというようなことはないのでしょうか?

もちろん、はじめて「ごたごた荘」にいらした方などは「ちょっと大変そう・・・」と思われることもあるようです。
でも、そんな方にも「そういうことをやることで、お友だちができてホンネのお付き合いできるから、絶対モトは取れますよ」って言うんです。
「出したエネルギーの、2倍にも3倍にもなって返ってきますよ」って。
はじめのうちは、「そうかな?」と半信半疑なのかもしれませんが(笑)。
でもそのうち先輩方に、「この係、いっしょにやらない?」なんて言われたりして、やっていくうちに楽しくなってハマっちゃう(笑)、っていうパターンが多いですね。
親どうしのトラブル・解決法は?
-親どうしで関わる機会が多いと、どうしてもトラブルなどが起こることも避けられないのではないかと思うのですが。
親どうしでトラブルになったようなときは、どう解決されているんですか?

基本的には、「納得いくまで話し合う」ということですね。当事者どうしということもあるし、専従の保育者も交えて話し合う、あるいは問題点をとり上げて、会議で話し合うということもあります。
意見の違いということは当然あるし、それだけじゃなくて、勘違いとかいろんな感情的なもつれみたいのものがある場合もあります。

でも、そういうことを経てこそ、「気心が知れる関係になれる」っていうのもあるみたい。「ぶつかってはじめて出会える」という感じで。
だから、あんまりぶつかり合いを恐れてはいませんね。みなさんにも「恐れないでね」って言っています。「そこからがスタートだよ」って。
「お互いを知り合って、いろんな意見があって、それではじめてそこからもっといい道が探れるっていうことかもしれないよね」っていうことだと思うんです。

入所して間もない方などは、あまり言わないで様子を見ているようなこともありますけど。
でも、だんだん慣れてくると「あ、あそこまで言ってもいいんだな」とか「ここまで言うのは気持ちがいい」という感じになってくるようです。

また、「ごたごた荘」では、親のOBの「応援団」というのものあるんです。「小学校の子どもたちのことを語る会」とか「中学・高校生の子どもたちのことを語る会」とかね(笑)。
そういうOBたちが、行事のあとの飲み会なんかにひょっこり現れて、「自分たちのころはこうだったよ」なんて話をしてくれることもあります。そうすると、「あ、そうか」っていう感じで納得できたり。
そういう、ちょっと違った立場の人の意見が聞けるというのもいいのかもしれませんね。

父兄が参加していくのがいい感じですね。ここにコミュニティーが生まれるのだと思います。でも、結構大変だと思うんです。結局、問題になるのは人間関係でしょうか。次回、その辺りのアドバイスを頂きます。

投稿者 hoiku : 2017年08月09日 List   

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