西洋と日本の子供観の違い~世界観の違いが子供への接し方も変えていく |
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2016年12月01日
幼老統合ケアという形~介護の必要なお年寄りが子どもたちを躾ける
学童保育を調べるうちに、学習塾業界からのアプローチを見てきました。
元々は、高齢者の活躍先としての学童保育調べでしたが、民間学習塾では高齢者活用まで行っているところは少ないです。行政と提携しているようなところにあるくらいです。
では、そもそもの高齢者の活躍の場としての学童保育の形が無いかと調べた所、幼老統合ケアの形に有りました。介護するべきお年寄りが、子どもたちの面倒を見ているのです。
●幼老統合ケアとは
幼老統合ケアとは、子どもの施設と高齢者施設を合築するなど、「高齢者ケアと次世代育成を融合・連携させることにより、費用対効果やケアの質の向上、高齢者の生きがいづくり、教育的効果など一石四鳥を狙う取り組み」です。子どもが減り、施設整備の財政事情も厳しいなか、幼老複合施設が増えていますが、その結果、ケアの一方的な受け手であった高齢者や子どもが、ケアの与え手にもなり、子ども・高齢者双方の福祉向上につながることが注目されています。
●事例:グループホーム・宅幼老所「ひかりの里」「くわなの宿」
三重県でグループホームを経営するウエルネスグループの代表、多湖光宗さん(49歳)は、11年前、それまで勤めていた東京の大学病院を辞め、故郷で整形外科の開業医となりました。
病院のそばには、多湖さんが経営するグループホーム「ひかりの里」があります。グループホームとは、痴ほうの人が小規模で暮らす施設。それぞれが個室を持っています。痴ほうの人にとって、環境が急激に変わることは病気の進行を早める危険性があると言われています。しかしここでは料理を手伝ったり、趣味に打ち込んだりしながら、自宅と同じような落ち着いた環境で暮らすことができます。
このグループホームのユニークなところは、同じ建物の中に放課後の小学生を預かる学童保育所があることです。もともと多湖さんは学童保育所を先に運営していました。ところが子どもたちややんちゃで、保育士の言うことはなかなか聞かず、いじめも起きるありさま。そこで思いついたのが、子どもたちのしつけに痴ほうのお年寄りの力を借りることでした。
お年寄りと日常的に触れ合ううちに、子どもたちに変化が見られました。保育士が注意しても聞かない子どもたちが、お年寄りがしかると従うのです。お年寄りが本気でしかり、本気で褒めることで、子どもたちが素直になるのではないかと多湖さんは考えています。
さらに、食事などをいっしょに作るうちに、子どもたちがお年寄りに尊敬の気持を抱くようになりました。お年寄りの料理の知恵に、子どもたちも関心しきりです。
お年寄り:「ご飯にも酢が入っとるから、酢水でこうやると、このおはしもきれいに取れるようになるの。」
子どもたち:「うわー、本当だ。」子どもたちの変化以上に多湖さんを驚かせたのが、痴ほうのお年寄りたちの変化でした。子どもといると生き生きとして、はいかいの癖がなくなる人もいました。失禁を繰り返していたお年寄りが、子どもたちの前ではきちんとトイレに行く光景も見られました。
投稿者 hoiku : 2016年12月01日 TweetList
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