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2016年09月29日
子供のけんか~関係世界が広がる成長過程
子供たちが遊んでいて必ず起きるのがケンカ。
3歳くらいから仲のよい友達と遊ぶようになり、取った取られた、ぶったぶたれたでケンカになることも日常茶飯事。見ているとはらはらしますが、大泣きしてしばらくすると、けろっとしてまた仲良く遊んでいるのも常のことです。
子供がケンカしているのを見ると、思わず「やめなさい」と仲裁に入ってしまったり、「けんかしないで仲良くしなさい」と諭したりしがちですが、これは逆効果だそうです。
ここでも最初は「見守る」ことが肝要だそうで、子供の日常をよく知る保育士さんのお話を聞きながら、
なんで子供はけんかするのか?
を考えて見ましょう。
以下(http://enfant.living.jp/upbringing/tokusyu/75382/)より引用します。
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○けんかをするのが難しい時代になっている
今と昔では、子どもを育てる環境が大きく変わりました。
1つは、幼稚園に入園する前、多くの子どもは家の中でお母さんと二人だけで過ごすケースが多くなりました。子どもが親以外の人間と関わる機会が少なくなっています。2つ目は親同士の気兼ねの問題。他の親たちとうまく付き合うためのストレスがとても大きくなっていると思います。
この2つの変化によって、子ども同士がケンカをしにくい環境になっていると考えられます。この状況を前提にした上で、子どものけんかをどう捉えていくのがいいのか、親はどう対処するのがいいのか、考えていきましょう。
○3~5歳はコミュニケーションの練習をする時期
親は、「ケンカなんかしないで思いやりのある子になってほしい」「人の気持ちが分かる子になってほしい」と思うのだけれど、そうなるためにはプロセスがあります。
1、2歳のときは、自分が自分らしくあることが、しっかり保証されていることが大事な基盤になります。例えば、自分のおもちゃがいつも取られてしまうのはよくありません。「あなたはこれが大好きなんだよね」と、自分の物(世界)がちゃんと守られることが大切な時期です。
自分が満たされていると、次は人の物が欲しくなって、他の子が遊んでいるおもちゃを取ったりします。親は「人の物を取るなんていけないこと」と思いますが、自分の世界を広げていくということ。発達する上で大事な経験です。
うまくおもちゃを手に入れられることもあれば、失敗することもあります。相手の子にたたかれたりして、嫌な経験もします。そうした経験を繰り返しながら、「この世の中はうまくいくことばかりではない」という、大事なことを子どもは知るわけです。
すると次に、どう交渉するか、どう仲良しになるかを試行錯誤するようになります。自己主張するだけでなく、自分の持っている物を差し出してみるとか、いろいろなやり方を試みながら、相手の気持ちを損なわずに、自分の思いをどう通すかを考えます。
相手の立場に立って考える、相手の気持ちを分かろうとするわけですね。目安としては4歳児の発達です。3歳までは、「僕が僕が。私が私が」と自分中心ですが、4歳になると徐々に相手の気持ちが分かるようになるし、分かろうとします。その結果、「じゃあ、貸してもいいよ」と相手とつながる経験も生まれます。
○人間関係の質が変化する3・4・5歳
3歳は、1対1、二者関係のコミュニケーションが比較的多い時期です。「取った、取られた」という単純なスタイルが多い。
ところが4歳になると、三者関係が増えてきて、女の子だとひそひそ話で「○○ちゃんとは、遊ばないことにしようね」というようなことが起こってきます。3歳のときよりも複雑な人間関係となるため、4歳から5歳にかけてはトラブルも多くなります。子どもがイライラしたり不安定になったりすることもありますが、それは発達の証でもあります。この時期は先生がうまく間に入ってくれますから、過剰に心配しないようにしましょう。
5歳になると、4歳のときよりも自分の思いを言葉で伝えられるようになるので、「○○くんに、こう言われた」といった言葉によるトラブルが増える時期です。「そういう言い方をされるのが、僕は嫌なんだ」など、微妙なニュアンスを伝えられるし、相手の言葉もちゃんと聞けるようになります。ですから、言葉のトラブルも増えるけれど、じゃあ、どうしたらいいのかを考えて、解決法を提案できるような力も育っています。
ただ、5歳になれば全員がそうなるというわけではありません。「取った、取られた」の経験から、たくさんのケンカをして、相手と交渉していく練習を積み重ねることで身に付く力なのです。
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なるほど、けんかは自分の世界が広がっていく過程で他者とぶつかり、それをどう乗り越えて関係を築いていくか、を学ぶ練習なんですね。そう思うと子供のけんかも少しは冷静に見ていられそうです。
けんかが子供の成長にとってこれほど重要だとすれば、けんかをさせない育て方は何らかの弊害を生む可能性があります。相手の気持ちがわからずすぐきれる、うまく人間関係が築けない、など大きくなってからの問題や悩みも、上手な「けんか体験」ができなかったからなのかも知れません。
とはいえ、子供のけんかにどう接していけばいいのか?親としては気なるところです。
このあたりは、毎日多くの子供たちと接し、けんかをみている保育士さんはどうしているのか?が参考になりそうです。
以下(http://www.hoiku-shigoto.com/report/trouble-at-work/fight/)より引用します。
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【対応1】まずは子どもに任せて見守ろう!
【対応2】解決が難しければ助け舟を出そう!
・「どうしたの?」と状況や気持ちを話す手伝いを!
・必ず平等に話を聞いてあげましょう
・「どうして○○しちゃったの?」という聞き方はNG!
【対応3】子どもの気持ちに共感してあげよう
【対応4】どうすればいいかな?で解決を後押し!
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ここでもまず「見守る」ことから。
なかなか収まらず助け舟を出し場合も、「なんでそんなことするの!」と問い詰めたり、「謝りなさい!」と強制するのはNGだそうです。自分の感情を整理できないまま押し込めることになるわけで、その後の人間関係のあり方に結構影響しそうです。
こんな場合はとことん話を聞いてあげること。子供自信も自分の気持ちを話しているうちに落ち着いてきて、本当はどうしたかったのか?、けんかしたかったのではなく仲良く遊びたかった、ということに気付くのです。そこまでいけば「じゃあどうする?」「仲直りする!」と自分で答えまでたどり着けるのです。
子供のけんか。これからはあわてず騒がず、しっかりと見守っていきたいと思います。
投稿者 hoiku : 2016年09月29日 TweetList
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