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2016年07月15日

共同保育の場から「家族」が再生していく。

待機児童問題がクローズアップされ、保育所の増設、保育士の待遇改善などが議論されていますが、受け皿をつくればそれで解決?という疑問がいつもありました。

これまで、子育てや家族について考える中でわかってきたのが

○「子供はみんなで育てる」ということ。
○子育てに携わるお母さんたちの繋がりが土台になる。
○そんな子育集団を母体とした、新しい家族像が見えてくるのでは?

ということ。

前回詳しく触れられなかった、保育環境の動きを「自主保育」、「共同保育」、「企業内保育」、そして「行政」の視点から考えて見ましょう。

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[自主保育]
以下(http://www.huffingtonpost.jp/osamu-sakai/baby_b_4800504.html)より引用します。
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土手の上から見下ろすと、お母さんが二人、子供たちは6、7人はいたと思う。それが<自主保育・野毛風の子>の保育現場だった。建物も施設も何もない。土手。それだけだ。

お母さん二人はそれぞれ、自分の子供、まだ小さな、1、2才程度の子供をそれぞれ連れている。小さいのでお母さんの側を離れない。他の子はもっと大きくて、4才、6才くらいだろう。彼らはそれぞれ、ちょっと遠くで好き勝手に遊んでいる。

二人の男の子は水の流れの中にコンクリートの石が並べてあるところで、足を濡らしたりしながら遊んでいる。二人のお母さんは、見守っている。時折、「ちょっと危なくない?」てな局面もあるのだけど、ただ見守っている。

ちょっとハラハラした。普通のお母さんなら「ほらほら、危ないわよ。水辺で遊んじゃダメよ」と言いそうなところだ。いやぼく自身が言いたくなった。でもそんなこと言わない。

そういう方針なのだ。

そのうち、一組、さらに一組と、お母さんと子供たちが集まってきた。最終的にはお母さん7、8人、子供たち十数名になった。集まったからと言って「ピピーッ!」と笛が吹かれたりもしない。相変わらず子供たちは勝手にやっている。お母さんたちも何か決まったことをやるわけではない。

全体に、無雑作だ。ほったらかしだ。決まりなしだ。

ただ、なんだかみんな、楽しそうだ。

決まりめいたものとしては、小さい子は、その子のお母さんが同行して相手をする。幼稚園に入る年になると、「あずけあい」ができる。自分の子を「風の子」にあずけていい。あずかった子は、当番のお母さんが見守る。でもずっとすぐそばにいるわけではない。見守る。

あるお母さんは言う。やはり最初は「見守る」ことに戸惑った。でもガマンした。危ないからやめなさい、と言うのをこらえた。だんだん、わかってきた。
(中略)
それにしても、この自主保育は、幼稚園や保育所と何が違うのだろう。あるいは公園デビューの公園コミュニティとどこが違うのだろう。

信頼関係。なのだそうだ。

あるお母さんは「みんな自分の子供みたいに思えてくる」と言っていた。公園コミュニティでは、それぞれの子供をそれぞれのお母さんが連れてきて、それぞれ遊ばせている。だからよその子とトラブルにならないようにする。「それは○○○ちゃんのオモチャじゃないでしょ、返しなさい」よその子と関わらないように迷惑をかけないように気をつかう。結局、見てるのは自分の子だけ。しかも見守るなんてことじゃない。

公園では、迷惑をかけてはいけない。

風の子は、みんな自分の子供のようにとらえる。あずけあう、というのはそういうことだ。信頼しあっているから、あずけるし、あずかるのだ。

そのためには、言いたいことを言いあうことがとても大事。だから、ミーティングは時間をかけて行うそうだ。毎日、夕方になると一時間程度、その日にあったことを、あずかった側があずけた側に伝える。月に一回、定例ミーティングがあり、意見を言いあう。遠慮せずに思ったことをぶつけ合う。それによって、信頼関係が生まれるのだという。

言いたいことを言いあう。みんなが自分の子供に思える。
それはひょっとしたら、お母さんたちが疑似的な血縁者になる、ということかもしれないと思った。自主保育のお母さん同士は、姉妹のようになるのだ。
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[共同保育]
以下(http://www.huffingtonpost.jp/osamu-sakai/baby_b_5188500.html)より引用します。
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たつのこ共同保育所は、”共同保育”つまり、保育者と保護者で共同で保育を行う場所。川崎市認定の保育所だ。保育者と保護者、というか母親が共同で。そこに理念が凝縮されている。

共同保育の場合、保育はあくまで保育者が仕事として受け持つのだが、保育所の運営は保護者と一緒に行うのだ。

もちろん、フルタイムで働く母親は運営にも関わりにくい。そういう参加も全然ありだ。普通に、働く間に子供を預かってもらうためにたつのこを利用するのもあり。働いていてもパートなどフルタイムじゃなかったり時間のやりくりがつく人は、運営に関わる。運営と言っても、事務をしたり雑用をしたりといった、保育以外のあらゆる必要な作業を受け持つ。できる範囲で、できることを行う。保育まで背負うと大変なので、そこは保育者に託す。

フルタイムで働いて預けるだけの保護者も含めて、月に一回の運営会議には全員出席する。そこが共同保育の最重要な要素だ。保育所の運営を話し合う。あるいは、その時々で気になったことなどを述べる。一方的に預けるのではなく、”関与する”のがポイントだ。保育所を、一方的にサービスを受ける場だととらえずに、一緒にどうしたらいいかを考える。

驚くのは、園長はいない。いや、いるのだけど、便宜上保育士の資格を持つ保育者が順番に引き受ける。ある意味、建前上の園長。基本的に上下関係がなく、まったくフラットな関係なのだ。そこは自主保育と似ている。
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自主保育も共同保育も1980年代に始まり、各地に広がりながら現在に至っています。当時はまだフルタイムで働く母親に対する社会的意識も低く、ならば子育て環境を自分たちの手でつくっていこう、というお母さんたちの強い思いが結実したのが、「自主保育」「共同保育」だったのです。

『みんな自分の子供のようにとらえる。あずけあう』『それはひょっとしたら、お母さんたちが疑似的な血縁者になる、ということかもしれない』
子育てを真剣に考えたとき、「人類は群れで子育てをしてきた」、という根源的な可能性に向かっていったお母さんたちの行動はさすがです。

うちはうち、よそはよそ、という旧家族意識が壁になっている部分もまだありそうですが、「みんなで子育て」の良さをもっともっと広めていけば、これからの大きな潮流になっていきそうな予感がします。

[企業内保育]

http://www.invision-inc.jp/hoikusho/

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現在全国にある「事業所内保育施設」は約4100ヵ所にあるようですが、
その6割は女性の多い職場である病院内に設置されているんだそうです。

実際に企業内保育所を設けている企業を調べてみました◎
こんなところに企業内保育所!

現在では6割程度が院内に設置されているとありましたが、企業でも少数ながらありました!

・まずは“ヤクルトレディ”があまりにも有名な株式会社ヤクルト本社さん!
・お次はコンビニチェーンで知らない人はいませんよね!株式会社ローソンさん★
・美しい女性の味方♪資生堂グループさん
・映像の眼を創造する企業株式会社タムロンさん

各企業様の制度を読んでいただいたらわかる通り、子供と近い距離を保てるのが
最大の魅力といってもいい、この企業内保育所。しかしこの制度にも
メリットとデメリットがあるようです…
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2000年以降、大手企業での取り組みも始まり注目を浴びていますが、ここ数年は減少傾向にあるとか。企業の場合はどうしても採算性の壁があり、厚生面での社員格差とかいろいろなしがらみがあるようです。

営利企業と子育て・・・最もそりが合わない組み合わせのようにも見えますが、最近は企業自身もドライな雇用関係から社員全員で会社をつくっていこうという共同体的経営に活路を見出し始めています。

ここでも重要なのが母親・女性同士の繋がり。子育てでは母親同士が家族のような関係になれるかどうかがカギを握ります。女性を中心にした企業保育プロジェクトを立ち上げ、会社ぐるみで一緒に育てる、という機運が生まれれば大きな可能性が開けそうです。

[行政の動き]
待機児童問題を受けて、多くの自治体は保育所や保育ルームの増設に取り組んでいます。横浜市や西宮市はその成果として待機児童ゼロを達成しましたが、その後さらに入所希望者が増えて、更なる増強を迫られているとか。

行政による受け皿づくりの限界がここにあります。子育てはサービスではありません。母親同士の繋がりが安心できる子育て環境の土台です。自主保育や共同保育といった子育て環境の実現をサポートすること、共同保育に取り組む企業を支援することが最も本質的な行政課題になっていくのではないかと思います。

草の根的な自主保育・共同保育を土台にし、「みんなで子育て」を企業や地域に浸透させていく。その先には旧来の「家族」を越えでた、「働く仲間たち=家族」、「共に暮らす地域の人たち=家族」という意識が当たり前になっているかも知れません。

投稿者 hoiku : 2016年07月15日 List   

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