新たな保育の可能性4 ~先進国の保育制度~ |
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2014年09月17日
新たな保育の可能性5 ~都道府県別子育てランキング~
前回は世界の保育事情を見て来ました。
ある程度まで成功している国も、日本と変わらず苦悩している国もあります。 では、日本国内は一律なのか?地域差はどうなのか? そのあたりを見て、これからの保育を考える条件に参考にならないか見て行きます。
まず、待機児童数ランキングです。 http://todo-ran.com/「都道府県別統計とランキングで見る県民性」より
38位より下の宮崎県からは待機児童無しです。東北、北陸、九州のあたりが少ないようです。 では、これらの地域は女性が家に居る率が高いのでしょうか?
総務省の統計から
図4 25~44歳の育児をしている女性の都道府県別有業率-平成24年- 総務省 http://www.stat.go.jp/data/shugyou/topics/topi740.htm
都道府県別育児をしている女性(25~44歳)の有業率 25~44歳の育児をしている女性の有業率が高いのは,島根県,山形県,福井県など 今回の調査(平成24年)では,初めて育児と就業の関係を調査しましたが,女性の有業率が示すM字型カーブの底である30歳代とその前後の年齢階級(25~44歳)について,その25~44歳の育児をしている(※2)女性の有業率を都道府県別にみると,島根県(74.8%)が最も高く,次いで山形県(72.5%),福井県(72.1%),鳥取県(71.8%),富山県(68.3%)などの順となっています。
なんと、待機児童数の少ない、秋田、石川、富山、福井などがM字カーブの底の年齢で就業数が多くなっているのです! (M字カーブとは、育児期間の20~40代で女性の就業率が下がることを言います。)
もう一つ、これらの県に特徴的なことは、子供の教育レベルが高いことです。
見事に秋田、石川、富山、福井の小中学生の学力が、軒並み高ランキングとなっています。 どの県も公立学校の教育が充実していることで有名です。 そして、これらの県では学級崩壊がほとんど無い、と聞きます。 これらの地域の秘密は何なんでしょうか?
関係ありそうなランキングを探ってみました。
http://www.shogakukin.jp/45colum/00030.html 「奨学金なるほど」より
大学生に絞って、都道府県別の数字を調べてみました。 ここでは、正規雇用での就職率を「A」とし、併せて大卒無業率を「B」として並べてみます。 まずは正規雇用就職率の上位5県から。
1位 福井県 A(88.92%) B(7.78%)
2位 秋田県 A(86.39%) B(9.15%)
3位 石川県 A(83.89%) B(13.06%)
4位 富山県 A(83.61%) B(12.54%)
5位 青森県 A(83.03%) B(12.92%)
全国平均 A(74.48%) B(19.09%)
どうでしょう? 県民の家庭がイメージできるランキングです。
おじいちゃん、おばあちゃんと実家で一緒に住み、両親とも働き、保育はおじいちゃんおばあちゃんがフォローしてくれる。保育所に通ったとしても、迎えに来てくれる家族が居る。
学校を出ると、多くが地元で就職する。そして、子供を育てる。
子供を育てる女性が安心できるベースがあるような気がしますよね。だから働ける。
これらの県の地域コミュニティーがしっかりしていることが容易にイメージできます。
保育の充実を考えるととき、対象を個人に分解して考えてもだめなのだと思います。(現在の保育行政はヨーロッパを含めて、各個人・家庭しか対照にしていませんね。) 家庭も学校も地域も生産も一緒にひっくるめて考えていく必要があるのだと思います。
次回から、実際に成功している保育の事例研究を始めます。
投稿者 hoiku : 2014年09月17日 TweetList
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