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2012年07月12日

『生きる力を育てる教育』~日本語の力(8)自然への感謝の心を育む日本語~

みなさんこんにちは 😀

いつも“日本語の力”シリーズを読んでくださってありがとうございます♪

前回の記事では、「幼児に漢字は難しすぎる」という常識は、誤った固定観念で、何の迷いも無く接するもの全てを吸収していこうとする幼児にとっては、興味関心がどんどん湧いてくる文字だということを学びました。

知れば知るほど、日本語っておもしろいですね

さて、今回は『日本語の音声認識 を切り口に、さらに日本語について深めていきたいと想います。

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(1)世界でも稀な「母音言語=日本語」

日本語は「母音言語」と言われ、実は世界でも特殊な言語だそうです^^

日本語というのは母音の役割が非常に大きい言語です。
母音というのは「あ・い・う・え・お」です。

子音にも、必ず母音を絡ませます。
語尾を伸ばすと良くわかります。

例えば
「かー(あ)・きー(い)・くー(う)・けー(え)・こー(お)」

こういった様に、子音でも必ず母音が強力に絡みます
しかも、母音だけでも意味を成します。
「あ・い(愛)」「あ・お(青)」「い・え(家)」など

英語などでは、この母音の役割をあまり重視していません。
子音だけの発音でも十分に意味が通じると言います。

(『日本語というのは母音の役割が非常に大きい言語です。』より)

また、母音は、同じ母音を連続して出すことも、他の母音に連続的に変化させることもできます。
それに対して子音は、口腔に障害物を作って出す人為的な音で、連続して出すことは出来ません。

母音や子音について、普段はあまり意識しませんが、上記のように母音を中心に認識する言語は、日本語とハワイ、南太平洋のポリネシア語族にしか見られないそうです。

なぜ日本人は、世界でも稀な母音言語を使っているのでしょうか 🙄

(2)母音言語を使っているのはなぜか

たとえば、子音言語として特徴的な、ブッシュマンの言語をみてみましょう。

かつて大ヒットした、ミラクル・ワールド/ブッシュマンという映画をご存知の方も多いかもしれません。

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南部アフリカ、カラハリ砂漠に暮らす狩猟採集民として知られるブッシュマンは、クリックとよばれる舌打ち音で会話をします。これらの音は、自然界の音と区別しやすいため、大自然の中でコミュニケーションを取るのに適していたと考えられます。

子音語族と母音語族の違いをみてみましょう。

>子音語族は、同類闘争と掠奪闘争の激化という外圧の高さから、危機察知能力を高めてきたのだろうと思います。確かに、動物が、威嚇や警戒する時、危機を察知した時には、激しい子音に似た音を出します。言葉にならない音で、危機逃避本能から息を吐き出した音を発信します。これが、子音の原型で、息で音を作り出す子音が誕生したのだろうと思います。子音語族は、子音を強調して聞き取り、母音を子音と別の右脳で把握して認識する構造からは、対象に対する警戒心や不安感が見て取れます。

>母音語族は、同類闘争や掠奪闘争に巻き込まれず、自然と己を同化させ、共認を試み精霊を見たことにより、仲間や廻りの発信する母音を自然と照合させ、母音をともなう言葉を大切にしてきたことが考えられます。
自然を己と重ね合わせた結果、自然の発する音と廻りが発する音と塗り重ね、母音を継承してきたのだろうと思います。

(『子音語族(欧米)と母音語族(日本)違い~起源は、危機・威嚇・警戒音と自然発声音~』より)

母音語族である日本は島国で、同類圧力がそこまで厳しくなかったため、子音言語を作り出す必要はなかったのですね。

また、村落共同体の本源性を残す日本では、相手との距離を保ち、威嚇する発音体系ではなく、伸びをするときは「あー」と言い、痛みに耐えるときは「うー」と言い、感動したら「おー」という、心を開かせる発音体系が残ってきたのでしょう。

(3)自然への感謝の心を育む日本語

母音とは人類が発声する最も自然な音です。
驚いた時、怒った時、悲しい時に出る万国共通の音です。

つまり、母音発声とは一番古い発声法であり
一番自然に近い音と言えます。

この母音発声音は、自然の発生音と非常に波が似ています。
虫の音や鳥のさえずり、風の音なども母音発生と同じ波を出します。

ですから、日本人は自然界の音を言語として聞きとろうとします。

しとしと、雨が降る
ぴゅ~ぴゅ~、風邪が吹く
ごろごろ、雷が光る

面白いですよね(°∀°)b

この自然界のノイズを、日本人は美しいとする美徳があります。
天と地がひっくり返っても、雑音だとは到底感じません。

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(『日本語というのは母音の役割が非常に大きい言語です。』より)

比較的温暖な気候で、四季のある日本では、自然=恵みを与えてくれる存在 でもありました。
そんな日本人の自然に対する肯定視があるからこそ、私たちは自然を美しいと感じ、わずかな違いも感じ取り、それを表現しようとしてきたのでしょう。

その塗り重ねが、母音言語である日本語なのです

こうした「生きとし生けるもの」の「声」に耳を傾けるという自然に対する謙虚な姿勢は、遥か昔から、日本語に乗せて脈々と受け継がれてきました。

美しい自然の、些細な違いを表現できるということは、その有り難さ を認識できるということ!

日本語は、自然への感謝の心も育んでゆく、素晴らしい言葉なのですね^^*

さて、次回はいよいよ“日本語の力”シリーズも最終回です。
総集編をお楽しみに♪

投稿者 chiue : 2012年07月12日 List   

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コメント

はじめまして、いつもブログを楽しみに拝見させていただいています。

新米ママですが、娘のために幼児教育をしながら子育てしようと奮闘しています。ブログも初心者ですがよろしければ覗いてくれたら嬉しいです。

よろしくお願いします。

投稿者 こはるママ : 2012年7月16日 00:02

初めまして
私もちょくちょく拝見させていただいています

長男の方は 保育園のときに
漢字をたくさん覚えていましたが
同時にひらがなより先にカタカナを覚えてしまい
小学校に上がったときに担任を困らせてしまいました

長男の場合
ひらがなの欠如 な わけですが
ひらがなを覚えるのも漢字を覚えるのも
同じくらいだったようです

原因は私が かな とカタカナに興味を持っていたこと
(日本語は美しいと思っています)
保育園のときに祖母から買ってもらったゲームで
カタカナを覚えてしまったというのがあります

投稿者 shiro38 : 2012年7月17日 09:17

>こはるママさん☆+゜

コメントありがとうございます^^*
まさに子育て中のママさんに読んでいただけてとっても嬉しいですv

日本語のすごさをぜひ、娘さんにも伝えていってくださいね☆+゜

ブログも覗きに行きますね~♪

投稿者 chiue : 2012年7月17日 15:40

>shiro38さん☆+゜

はじめまして~♪
いつも足を運んでくださってありがとうございますv

わざわざ「ひらがな」にしてある世界の方が実は特殊で、世の中によく存在するカタチ(漢字etc.)のままの方が何度も触れて反復するから覚えやすいのでしょうね^^

ゲームでカタカナを覚えられるのも、納得です☆

覚える順番にこだわる必要はないんだなって思いました~♪

投稿者 chiue : 2012年7月17日 15:46

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