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2007年06月10日

学校ってどうなってるの?2

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シリーズものですが、今回は温故知新とも言える古い話から・・・。

昨年の12月15日に教育基本法改正案が成立した。昭和22年に制定されて以来半世紀ぶりの改正だという。

この間の日本の教育はどうなっていたのか?そう思いながらネット検索をしていたら、興味深い資料に出くわした。http://e-archive.criced.tsukuba.ac.jp/data/doc/pdf/2004/05/H14_1.pdf

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このPDFの年表は、http://e-archive.criced.tsukuba.ac.jp/index.html筑波大学教育開発国際協力研究センター内の国際教育協力拠点システムのアーカイブ(公文書などの保管所)にあった。

昭和4年からの学校の安全に関する年表であるが、いじめ、校内暴力、不登校が意外と古くから政府や教育研究期間に問題視されていたことが分かる。

例えば、

昭和28年 文部省調査局による長期欠席にかんする調査で「勉強嫌い」「友人に苛められる」などの理由分けが行なわれている。
昭和35年 第1回日本児童精神医学会で投稿拒否に関する発表。
昭和49年 登校拒否「症」が問題化※いわゆる病気扱い。この時点で既に20年が経過。
昭和55年 校内暴力
昭和61年 いじめの調査開始 ※30年経過

この年表では、不登校・いじめに関する報告・論争等も記載している。その中で目を引いたのは、

「昭和63年 稲村による記事が不登校児を持つ親に衝撃を与える」

改めて検索すると

当時の朝日新聞夕刊のトップ記事が…http://www.shure.or.jp/futoko/iroiro/page9.htm

※「稲村による記事」ではなく、「朝日新聞による記事」が正解 😯

更に検索すると当時の国会文教委員会の議事録が…http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/113/1170/11312151170011c.html
問題と思われる部分を抜粋します。

○下村泰君 (略)九月十六日にこういう新聞記事が出ているんですね。今登校拒否をしている子供たちがいるわけです。この今登校拒否をしている子供たちが小学校、中学校、高校に行きます。じゃ、それで自然的にこういう状態が治るのかというと、これは二十、三十まで続くというのです、私もびっくりしたのですけれども。「登校拒否症はきちんと治療しておかないと、二十代、三十代まで無気力症として尾を引く心配の強いことが、約五千人の治療にあたってきた稲村博・筑波大助教授(社会病理学)らの研究グループでの約五年間にわたる相談・治療の結果、わかった。」というのですね。二十、三十まで、これは大変なことだと思う。(略)稲村助教授は「中学時代の登校拒否は、社会不適応の発端だった。十分治ってなかったため、競争の激しい高校に入り、こじれた。こうなると学校をやめても同じことだ」
とおっしゃっています。(略)文部省としても新しい問題としてこれは取り組まなくちゃいけないような気がするのですけれども、いかがでしょうか。
○政府委員(古村澄一君) 登校拒否の問題につきましては、いろいろな態様がさまざまである。(略)私たちもまだ未解明であるということから、来年ひとついろいろな専門家の御意見を入れてその研究を進めて、そして市町村の教育委員会なり学校において対応ができるような処方せんというものができればいいということで、来年度の予算要求においてやっているわけでございます。
○下村泰君 この記事に関しましては大変いろいろなところから抗議もあるそうです。一方的な発表であるとか、あるいはそんなことはないとかいろいろありましょう。ただ、少なくともそうした方たちがそういったことに取り組んで一応こういう記事にもなっているということになれば、やはりそれはそれなりに考えていかなきゃならないというようなことだと私は思うんです。

新聞記事を鵜呑みにして「病気」扱いするは、「予算要求」が答えだわ、で全くあきれ返る無能ぶり。まさに「学級会」レベル。

これが最初に調査を始めて30年以上経ってやっていることに二重に驚く。何にも増してこうして政府が遊んでいる間に多くの子どもたちが救われないまま放置されていった。

子どもたちを「病気」扱いする以前に「学校」や「社会の意識状況」などに目を向けていれば今頃もっと違った状況になっていただろうことは想像に難くない。

マスコミや政治家のやっていることが、所詮は遊びでしかないことの証左である。

(さいゆー)

投稿者 saito : 2007年06月10日 List   

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コメント

>子どもたちを「病気」扱いする以前に「学校」や「社会の意識状況」などに目を向けていれば今頃もっと違った状況になっていただろうことは想像に難くない。

マスコミや政治家のやっていることが、所詮は遊びでしかないことの証左である。

なぁるほど・・・・・

確かに、マスコミや政府のしていることは、その意味で、高みに立つ視点なんでしょうね。

んで・・・学校での取り組みも同じなんでしょうか?現場でも、子供たちを「病気」扱いなんでしょうね。

不登校も学級崩壊も校内暴力もわいせつ行為も、なぜ、その現象がおこるのか?社会とのかかわりで見ていかないと、わかりませんね。

投稿者 こん : 2007年6月12日 01:40

何か、がっくし!!て感じになっちゃいましたけど、当時の行政や教育関係者とマスコミなどの関係が透けて見える話でも有りますね。

特に情報収集や分析をマスコミに依存していたのが一つの反省点と言えそうです。

で、できあがった「学校」や「教育制度」は、変な主張や「こうあるべき」ばかりがころがっている窮屈なもの・・・。これでは子どもが行きたくなくなるのも当然。

改めてどうしたら良いかは、本当に普通の人々の実感や現実直視で考えていけない、と思います。

投稿者 さいゆー : 2007年6月12日 10:42

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