ミニ保育所の可能性4 ~国の後押し、世の中の情勢 |
メイン
2017年01月20日
自立の「一人寝」か絆の「添い寝」か~18世紀までは全ての社会において添い寝が一般的だった。
欧米では子供の自立を促すため、乳児の頃から一人で寝かせる習慣があります。日本では考えずらいですが、彼の地ではそれが当たり前。自分たちの親がこうしていたから、子供にも同じようにする・・・という先祖代々の習慣、文化のようなものかも知れません。
日本でも一時期、甘え癖がつくから早いうちから一人寝をさせることが流行ったことがありますが、最近は添い寝が主流なようです。
「一人寝」と「添い寝」
まずは各国の声を聞いてみましょう。
以下(http://golden-zipangu.jp/usa-japan-baby-sleep/)より引用
—————————————-
韓国
多分ほとんどのアジアの国では、親は子供と添い寝していると思うよ。昔からそんな習慣があるわけだし、突然変えることはできないからね。
スウェーデン
私の知る限りでは、スウェーデンでは、過半数が添い寝派よ!
アメリカ
最近アメリカでも「添い寝」がブームになってるわよ。添い寝がいいと思う理由はやっぱり授乳しやすいことよね。
イギリス
イギリスの研究者が、子供は少なくとも3歳まで母親と添い寝するべきだ、ということを言っていたのを聞いてから、うちでも添い寝をするようになったの。その研究者いわく、そうすることで、子供たちの非行などが妨げられる、ということらしいの。やっぱり親の愛情は大事ね。
イタリア
確かに赤ちゃんとの添い寝も大事だけど、寝る時はやっぱり夫婦ふたりだけの時間を大事にしたい。その代わり、起きている時間はたくさんハグをしてあげて、スキンシップをはかって愛情を伝えているわ。そして、寝るギリギリ前までは子供の部屋で一緒に過ごして、寝入るまで絵本を読んであげたり子守唄を歌ったりしているわ。
フランス
フランスでは、産後、退院した翌日から赤ちゃんを別室で寝せる親が大半よ。子供を自立させることができない母親は、子供を立派に育てられない人間だとみなされるのよ。
メキシコ
赤ちゃんをクリブに移動すると泣きまくるから、私たち夫婦の部屋のベッドの横に布団みたいなマットを敷いて、そこで添い寝をしてぐっすり寝かせます。寝入ったら、クリブに移動させますが、時にはそのまま一緒にマットで添い寝したりもしています。
ドイツ
ドイツでも、赤ちゃんのころから別室に寝かせるのが習慣よ。
フィリピン
フィリピンでは、赤ちゃんが母親と添い寝をして寝るのは普通です。島によっては、女性は姉妹や母親と女同士同じ部屋で寝て、男性はまた別の部屋に兄弟や父親と男同士で寝る習慣があるところがあります。そのためのファミリーサイズベッドは本当にビッグサイズですよ!
トルコ
トルコでは、赤ちゃんをゆりかごのようにゆらしながら寝かせる習慣があります。親の脚にクッションをおいてその上に赤ちゃんを寝かせてゆらしながら寝かせます。
ニュージーランド
ニュージーランドでも、赤ちゃんには部屋をひとつ与え、クリブの中で一人でも寝れるように訓練します。最初は泣き続けて大変だけど、時間が経つごとに慣れてくるのよ。
オーストラリア
とにかく赤ちゃんが泣いても抱っこはがまん!その都度抱っこしたらくせになるから・・。トレーニングを続ければ、抱っこしなくても泣かなくなりますよ。
フィンランド
フィンランドでは、寝かしつけを夫がすることが多いよ。家事や育児は夫婦が協力してするものだからね。でも添い寝はしないな。
アメリカ
アメリカでは、「モニター」も育児をするときの必需品よ。違う部屋からも赤ちゃんの寝ている姿を見ることができたり、中には泣き声や寝息まで聞こえるモニターも売っているわ。部屋が別々でも赤ちゃんを監視することができるから、とても便利よ。
————————————-
アジアは添い寝派、欧米は一人寝派ですが添い寝のよさが見直されている国もあるようです。監視カメラでモニターするから安心、というのは何か違うような気がしますが・・
では人類学的にはどうなのでしょう。
添い寝に関する研究(http://www.sweetnet.com/cosleep.htm)によると、
・西洋の一人寝の習慣は歴史が浅く、約2世紀前に始まった。1700年代末以前は全ての社会において添い寝が一般的だった。
・人類学における添い寝文化の研究は多く、例として日本人、韓国人、フィリピン人、エスキモー、アフリカのクン サン族、アメリカ先住民のオキノワ族などが上げられる。
・オキノワ・インディアンは、6歳まで親子の添い寝と、制限のない母乳の授乳、そして子供と安定した絆を築くことを伝統文化としている。そうして育てられた彼らには、添い寝にうまく適応し精神的に余裕のある態度が観察されたとある。
・添い寝は世界総人口のおよそ90%において一般的に行われている習慣である。
とあり、一人寝は特殊な方法で、歴史を通じて人類は添い寝をして子育てしてきたのです。1700年代末というと、ヨーロッパではフランス革命が起こり、近代思想・個人主義が勃興した頃です。個人の自由と権利が子育ての考え方に浸透していったのも想像に難くありません。
でもそれは人類の歴史から見ればほんの一瞬のこと。本来の形としては「添い寝」に軍配が上がりそうです。
投稿者 hoiku : 2017年01月20日 TweetList
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://web.kansya.jp.net/blog/2017/01/5378.html/trackback