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2007年07月12日
3歳児神話って本当なの?②~シナプスの臨界期~
以前とりあげた「3歳児神話って本当なの?」の続編です
ちょっと、科学的な視点で迫ってみます :tikara:
まずはシナプス密度 🙄 のはなしからです。
因みに、
シナプスとは脳の神経細胞が他の神経細胞と連絡し合う部分を示し、神経終末から放出された神経伝達物質が隣接する神経細胞の受容体に結合することにより情報が伝達される。同定されている神経伝達物質は100種類以上あるが、よく知られているものとして、ノルアドレナリン、セロトニン、ドパミン、アセチルコリンなどがある。(「踊る歯科心身症ネット」からの引用)
神経細胞の構造 シナプスの模式図
さて、以下のグラフはヒト大脳皮質視覚領野でのシナプスの密度を表したものです。
このグラフから何 😯 が分かるでしょうか
😮 ポチっと押してから続きを読んでね
上記のグラフは『日本赤ちゃん学会』に掲載されているレポートのものです。
以下それに関する記事を紹介しますね。 😉
三つ子の魂百までも。昔は数え年だから、満年齢では1歳半ということになる。その一歳半までの環境や体験は、その後の人生に影響を与え続けると、先人は見抜いていたのだろう。乳幼児期の脳のなかで、シナプスは実にダイナミックな変化をみせる。ヒトの大脳皮質で発達によるシナプス密度の変化を調べた研究がある(53-55)(図23)。視覚領野では生まれてからシナプスの数が増えて、生後約1年でピークに達する。2才頃まではピークと近い値だが、その後5才までにシナプス密度は誕生時とほぼ同じ大人の値まで低下する。
グラフにはないが、前頭葉のシナプス密度は
前頭葉ではシナプス密度は5歳でピークになり、その後徐々に減少し、20才までに誕生時とほぼ同じ大人の値に落ち着く。しかし、1才までにはほぼピークに近い値になっている。
生後1年間、ヒト大脳皮質全体でシナプスは過剰に形成されるのである。ピーク時のシナプス密度は誕生時のほぼ2倍だ。ヒトの脳は約1000億の神経細胞があるとされるが、一つの神経細胞がおおよそ104個のシナプスを入力として受けるとすると、誕生時には1015個のシナプスがあることになる。生後一年でシナプス密度は2倍、脳は2.5倍になるから(125)、過剰に形成されるシナプス数は、ざっと2500兆にもなる。これを365日、24時間で割ってみると、ちょっと信じ難いほどの数、1時間で2850億個のシナプスが作られることになるのだ。
このシナプスの臨界期というのは、過剰と思えるほどに受信機能を高め、そのうち頻繁に使われる回路が残り、使われない機能は収縮していくということを示しています。
次回は子どもの脳の発達についてもう少し具体的にしていきたいと思います。
投稿者 sashow : 2007年07月12日 TweetList
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コメント
投稿者 こん
毎回コメントありがとうございます。
とても励みになります。
シナプスの臨界期から徐々に整除され固定化していく過程は、髄鞘という(刀のサヤのようなもの)で神経細胞が覆われていくことで分かるようです。
そのとき、運動系や知覚系、情動系、意識系の領域で起こるようです。観念は知覚系~意識系に関係しているようです。
これについては、次回に扱ってみたいと思っています。
投稿者 sashow
>ヒト大脳皮質視覚領野でのシナプスの密度
>前頭葉ではシナプス密度は5歳でピークになり、その後徐々に減少し、20才までに誕生時とほぼ同じ大人の値に落ち着く。しかし、1才までにはほぼピークに近い値になっている。
ですね。私も前回、このシナプスの連携と時期についてコメントしましたが・・・・
憶測にすぎませんが・・・・
前頭葉にある大脳新皮質って、実は、脳の進化の過程では、新しい脳に当ります。ここは、観念(言葉や思考や論理など)を司る部分といわれています。
しかし、人間としてもっとも重要な心の部分(共感とか共に認め合うことなどの心の底で感じること)は、辺縁系や脳幹などのもっとも古い脳が司っているようです。
脳は複雑に絡み合っていますので、厳格には区分されませんが・・・・
現在の観念教育に当てはめて考えると、実は、もっとも焦点のあたるのが、この大脳新皮質という観念発達の新しい脳の部分。
ここを幼児期に鍛えればいいということにっ見えてしまっているのかもしれません。
実は、もっと脳の奥の構造の発達が実は、重要なのかも知れませんね。